退職にあたり起こりうるトラブルと、トラブルに対しての対処法や解決方法をご紹介します。
退職するならトラブルも無く、スムーズに退職手続きを進められるのが一番です。
当記事では事前にできる対策や、正しい退職手続きの流れなどもお知らせしていきますので参考にしてみてください。
是非当記事を最後まで読んで、退職トラブルのない円満退職を目指しましょう。
退職にあたって起こりうるトラブル
退職する時に起こる可能性があるトラブルは、以下の通りです。
・退職日の引き延ばしや会社都合で退職日を決められる
・退職届を受け取ってくれない又は保留にされる
・有給休暇の取得を拒否される
・退職金が支給されない
・損害賠償請求すると脅される
・退職手続きが遅延&離職票・雇用保険被保険者証が貰えない
それぞれのトラブルについて詳しくご紹介していきます。
強引な引き止めに遭い辞められない状況を作られる
退職の意思を伝えると、引き止めに遭う可能性があります。
考え直してほしいと軽くお願いされる程度であれば問題ありませんが、強引な引き止めに遭う可能性もあるでしょう。
また人手不足を持ち出されたり、大きなプロジェクトを任せられたりなど、辞められない状況を作られるという事例もあります。
退職日の引き延ばしや会社都合で退職日を決められる
退職の意思を伝え退職自体は認めてくれても退職日の引き延ばしや、会社都合で退職日を決められ希望の退職日に退職できないケースもあります。
退職日引き延ばしになりそう…😥
いいんだけど、店長手当ないのに働くのもなぁ…。人員足りてないから仕方ないかなぁ。
— s h i o r i (@shio_san0720) January 11, 2019
1ヶ月退職引き延ばしされて
「なんでかな?」
って思ってたら私の他にも退職希望者居たみたいwww逃げ切らなきゃ…
— AKANEMON10 (@cmerorinq) February 26, 2018
上記のように人員不足や、他にも退職希望者が重なるなど、会社の都合を理由に引き延ばしに遭う場合が多いでしょう。
退職届を受け取ってくれない又は保留にされる
退職の意思を伝え退職届を提出しようとしても受け取り拒否をされ、トラブルに発展するケースもあります。
また退職届を受け取っても「預かっておく」など、保留扱いにされてしまうという可能性もあるでしょう。
退職届をきちんと受理してもらえないと、その後の退職手続きが進められないようになってしまいます。
有給休暇の取得を拒否される
退職にあたり退職日までの期間に有給休暇の取得申請をしても、承認してくれない場合もあります。
申請を出してオッケーが出ないと取れないしちょっとずつ取るから退職日は引き伸ばすがその間遅刻欠勤があった時点で退職してもらい有休も取れないと…意味わからないんだけど…
— yuki (@yuki_mama_1420) November 18, 2011
結局退職するっつっても有休は取れない会社ってのは分かった、社長がそーゆー考えだから
ブラックすぎんだろ— アレス (@ales_hiyaku) January 31, 2020
ある会社の管理職は、職場の退職者が退職日まで有休を消化しようとすると、あえて仕事を多く入れ退職日まで有休を取れないような状況をつくり出す。関西出身の管理職は辞める者には有休取らせず出来るだけ仕事をさせるのが得だと思っているようだ。退職者はそういう管理職が嫌で辞めるのだが。
— EDI HYRONE WOTUS (@WotusEdi) October 8, 2017
上記のように退職にあたって有休は取れないと諦めている方や、有休をとれない状況に追い込まれる方もいます。
退職金が支給されない
退職金制度の条件に該当するにも関わらず、退職金が支払われないというトラブルもあります。
自己都合の退職だと退職金が支払われないと思っている方もいて、こちらから請求しない限り支払われないというケースもあるでしょう。
退職金については就業規則に定めがありますので、確認してみてください。
損害賠償請求すると脅される
退職の意思を伝えると、損害賠償請求すると脅されるトラブルも稀にあります。
会社へ損害賠償を請求されるほどの損害を与えていないとわかっていても、脅されると恐ろしさを感じてしまいます。
また「転職先へ圧をかける」「他の会社が雇ってくれるわけがない」などと脅される可能性も少なからずあるでしょう。
退職手続きが遅延&離職票・雇用保険被保険者証が貰えない
退職手続きが遅延し、離職票や雇用保険被保険者証がなかなか届かないトラブルもあります。
離職票届かないし元職場に電話したら担当が不在なのでわかりません言われるわ確認するんですが本日中には折り返しご連絡できません言われたんだけど
まじで元職場クソすぎる— ちゃにょりほ (@m_cz7) April 28, 2020
前の会社から被保険者証届かねぇと思って再発行来たんだけど、なんと私、まだ前の会社の雇用保険入ってる事になっててばちくそびっくり
— あおがえる🌻11/224号館え76b (@aogaerudesu_yo) April 16, 2019
上記のように手続きが遅延しているだけでなく、手続きすらできてなかったというトラブルもあるので注意が必要です。
会社都合での解雇なのに退職届を書かされる
会社都合での退職にも関わらず、退職届を提出するように言われる場合があります。
退職届に一身上の都合と書くと会社都合ではなく、自己都合による退職とされてしまう可能性があります。
自己都合の退職にされてしまうと、失業給付金が3ヶ月貰えないなどのトラブルへと繋がります。
退職トラブルは事前に対処法や解説方法を知っておけば安心なので、続いてご紹介していきます。
退職トラブル別対処法&解決方法
退職トラブルにならないようにする対策方法から、退職トラブル別に解決方法をお知らせします。
退職トラブルに対しどのような対処法があるかを把握しておき、スムーズな退職を目指しましょう。
それでは、それぞれ詳しくご紹介していきます。
勤務先の就業規則を確認しよう
退職にあたり就業規則を見直しておくと良いでしょう。退職条件や退職金制度についてなどを確認してみてください。
退職条件については就業規則に1ヶ月前に申告などと定めがあっても、法律上14日前に申し出れば会社の承認がなくても退職可能です。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
引用:民法第627条 Wikibooks – ウィキブックスより
しかし退職金については、就業規則に従う必要があると覚えておきましょう。
退職の意思はハッキリ明確に告げる
退職の意思はハッキリと明確に伝えるようにしましょう。
曖昧な表現は控え、「〇月〇日で退職します。」と言い切ってしまった方が良いでしょう。
また引き止めに遭ったり、退職日を引き延ばしされた場合にも、きっぱり断るようにしましょう。
退職を了承してもらえない場合は相談を
退職の意思を伝えても了承してもらえない、退職届を受理してもらえない場合は、直属の上司よりもさらに上層部の人へ相談すると良いでしょう。
会社全体で退職の承認をしてくれないといった場合は、労働基準監督署に相談するのも1つの方法です。
また退職届を内容証明郵便で送付して退職の意向を伝えた証明とし、14日間経過後に退職する方法も法律上問題ない行為となります。
脅迫されても毅然とした対応をする
もしも損害賠償請求をするなどと脅迫されても、脅しには屈せずに毅然とした対応をしましょう。
会社から損害賠償請求をすると言われても、訴訟などにかかる費用を考えると、実際に損害賠償請求をされる可能性は限りなく少ないと言えます。
また脅迫がしつこい場合や、身の危険を感じるような行為があれば、警察署や弁護士へ相談するようにしてください。
退職にあたって有給休暇の消化の拒否はできない
退職にあたり退職日までの期間の有休取得申請を、会社は拒否できません。
通常の有休取得申請であれば、会社側は繁忙期などで有休の取得により業務に支障をきたす場合に有休取得の時期を変更できる「時季変更権」が与えられています。
引用: 労働基準法
しかし時季変更権は退職日以降への変更は認められないため、退職にあたっての有休取得申請の拒否は認められません。
会社都合の解雇の場合は退職届を書かない
会社都合による解雇の場合に退職届を提出するように求められても、提出しないようにしましょう。
もし退職届を書くのであれば、退職届にも「会社都合による解雇」と明記しておく必要があります。
解雇の場合は解雇通知書や解雇理由証明書を請求しよう
解雇の場合は「解雇通知書」「解雇理由証明書」を会社に対して請求しましょう。
会社側は解雇通知書や解雇理由証明書を請求された場合には、遅滞なく交付しなければいけないと労働基準法でも定められています。
第22条
2.労働者が、第20条第1項の解雇の予告がされた日から退職の日までの間において、当該解雇の理由について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。ただし、解雇の予告がされた日以後に労働者が当該解雇以外の事由により退職した場合においては、使用者は、当該退職の日以後、これを交付することを要しない。
引用: 労働基準法第22条 – Wikibooks – ウィキブックス
勤務先とのやり取りや経過の記録を残しておく
退職する際にトラブルになりそうだと感じたり、勤務先が信頼できないと感じる場合はやり取りや経過の記録を書面化して残しておきましょう。
やり取りや経過の記録は勤務先と言い分が一致しない時や、トラブルに発展してしまった場合に有力な証拠となります。
また会社とやり取りした会話の録音データやメールも証拠となる可能性がありますので、保存しておくのがおすすめです。
退職金を支給してもらえない場合は請求する
就業規則に退職金制度が定められているのに退職金が支給されない場合には、退職金請求を行いましょう。
また就業規則に定めがなくても過去の退職者にこれまで退職金の支払いがなされていたようであれば、同じ条件で退職金の支払いを請求できます。
退職金の請求の仕方はどのような方法で行うのが良いか、まずは弁護士へ相談するのがおすすめです。
労働基準法違反やパワハラ・セクハラは法律相談
労働基準法違反やパワハラ・セクハラがあり、勤務先へ慰謝料の請求をしたい場合には弁護士へ相談すると良いでしょう。
またセクハラやパワハラで、一刻も早く退職したいと思う場合には即時に退職が可能です。
民法第628条により、やむを得ない事由があるときには、直ちに契約の解除ができると定められており、セクハラやパワハラはやむを得ない事由に該当するとされています。
当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
引用:民法第628条 – Wikibooks – ウィキブックス
退職トラブルの解決ができないなど困った時の相談先
退職トラブルで自分で解決できない場合や、どのような対応をしたら良いのかわからない場合は、適切な相談先へ相談するのがおすすめです。
相談先として弁護士が頭に浮かぶ方も多いですが、弁護士への相談や依頼には高額な費用が必要となる場合もあります。
まずは続いてご紹介する無料相談先を参考にしてみてください。
総合労働相談コーナー
総合労働相談コーナーは職場でのトラブルに関する相談や、解決のための情報提供を無料で行ってくれます。
各都道府県の労働局や労働基準監督署内に設置されており、予約不要で利用可能です。
法テラス
法テラスは国により設立された法的トラブル解決のための総合案内所となっています。
相談内容に応じ法制度に関する情報提供や、相談先の案内を行ってくれます。
全国社会保険労務士会連合会
全国社会保険労務士会連合会は、厚生労働大臣の認可を受けた法定団体です。
職場のトラブル相談を行ってくれる他、社労士会労働紛争解決センターでは、あっせんという手続きで経営者と労働者のトラブルの円満解決を図ってくれます。
退職代行サービス
退職代行サービスは本人に代わり勤務先へ退職の意思を伝えてくれるサービスです。
円満退職できるよう導いてくれる他、業者によっては有休消化サポートや転職サポートなども用意されています。
正しい退職手順&流れをチェック
前述でご紹介した退職トラブルに遭わないためには、正しい退職手順を踏むのも大切なポイントです。
正しい退職手順は以下の通りです。
2.辞める時期やタイミングを選ぶ
3.退職意思を直属の上司へ最初に告げる
4.退職届は郵送してもOK
5.引き継ぎをきちんと行う
退職理由や覚悟を退職前に再確認する
退職の意思を伝える前に、退職する理由や覚悟を再確認してみましょう。
退職理由については明確にしておき、上司に伝える際にハッキリ伝えられるようにしておいてください。
そして退職をまだ迷うようであれば、退職の意思を伝えるのは一旦控え、今一度考えを整理してみるのをおすすめします。
辞める時期やタイミングを選ぶ
勤務先の繁忙期は避けるなど、辞める時期やタイミングは選んだ方がトラブルを回避できます。
退職の意向を伝えられた上司からしても、余裕のある時期であれば退職手続きも進めやすく承認しやすくなるでしょう。
また退職の意思を伝える際にも、辞める時期やタイミングを考慮しての退職であると伝えれば心証も良くなります。
退職意思を直属の上司へ最初に告げる
退職意思を伝える際は、直属の上司に最初に告げるようにしましょう。
伝える順番を間違えると直属の上司からすると、あまり良い気はしません。
また同僚に先に話してしまい、自分の口以外から伝わってしまうというケースもありますので注意しましょう。
>>退職意思の伝え方について詳しくはこちらをご覧ください。
※只今、執筆中です。公開までしばらくお待ちください。
退職届は郵送してもOK
退職意思を伝えたら退職届を提出し、受理してもらいましょう。
退職届は直接提出する方が良いと言えますが、受け取ってくれない場合などは郵送をしてもかまいません。
郵送をする場合には内容証明郵便を利用し、退職届を送付した証明を保管しておくようにしましょう。
>>退職届の書き方について詳しくはこちらをご覧ください。
※只今、執筆中です。公開までしばらくお待ちください。
引き継ぎをきちんと行う
退職する際には業務の引き継ぎをきちんと行っておくのがおすすめです。
引き継ぎ書を作成しておくなど、退職前からしっかり準備しておきましょう。
特に自分しか知り得ないような情報は、漏れなく伝えるようにしてください。
>>退職時の引き継ぎについて詳しくはこちらをご覧ください。
※只今、執筆中です。公開までしばらくお待ちください。
退職トラブルでよくある質問
退職トラブルについてよくある質問とその回答をお知らせします。
強引に辞めたらデメリットはある?
A.はい。あります。
正しい退職手続きを行わずバックレて辞めたり強引に退職すると、退職後の手続きもやりずらくなります。
必要書類が届かなかったりしても、勤務先に対し請求もしづらい状況となってしまうでしょう。
強引な引き止めに応じる必要はありませんが、正しい退職の手続きは行うようにしましょう。
退職トラブルは転職に影響する?
A.非がなければ問題ありません。
退職トラブルの原因が会社側にあり、自分自身に非がなければ転職活動でマイナスになる心配はないでしょう。
転職活動で退職理由について聞かれたら、前の会社の批判や悪口にならないよう気をつけながら正直に伝えてください。
ただし退職トラブルついては聞かれなければ、退職時にトラブルがあったとわざわざ伝える必要はありません。
退職トラブルまとめ
退職トラブルにはどんなトラブルがあるのか、またトラブルに対しての対処法や解決方法をお知らせしてきました。
これから退職をしようと考えている方は、当記事でご紹介した退職トラブルに対し事前にできる対策や、正しい退職手続きを参考に退職を進めてみてください。
また退職トラブルに遭った場合には当記事で掲載している相談先へ相談したり、退職代行サービスを利用すると良いでしょう。