育休後の退職は可能?ママが育休中に退職を考える理由と転職する際の注意点

女性の働き方

育休後の退職はできる限り避けたいものです。

しかし復職を前提に育休取得したものの、実際に育児を経験することで「復帰は難しい」と退職を検討することも多いのではないでしょうか。

また、やむを得ない理由により、育休中に転職活動をする人もいらっしゃるかと思います。

当記事では、育休明けの退職理由や退職前の検討事項、育休中に転職する際の注意点を解説します。

育児休業給付金・退職金などのお金にまつわる疑問も解消していくので、現在の仕事を続けることに不安を感じているママさんは、ぜひ最後までご覧ください。

 

育休後の退職は可能だが一旦復帰するのがベスト

育休後の退職は法律上可能ですが、「保育所に預けられない」「育休中に異動があり、育児しながら働くには難しい部署に配置されてしまった」などの事情がない限り、一度復職するのが望ましいでしょう。

以下では、育休明けの復帰について解説していきます。

「育休後すぐに退職したい」と考えている人は、ぜひ目を通してみてください。

 

育児休業は復帰が前提

育休は復職を前提とした制度なので、やむを得ない事情がある場合を除き、育休明け直後の退職は避けたいものです。

法的に問題ないからといって「育休や手当だけ取得して、職場復帰せずに退職する」「復職してすぐにやめる」という選択をすると、マナーに反する行為だと捉えられてしまいます。

会社もあなたの復帰を見据えて人員配置などの計画を進めているため、復職せずに退職してしまうと、会社側に迷惑をかけてしまうでしょう。

「育休を取得しても戻ってこない」というイメージが強まり、これから育休に入る社員への風当たりが強くなってしまう場合もあるため、会社に与える影響を理解することも大切です。

 

育休後の復帰状況について

続いて育休後に復職したママさんは、どのくらいいるか見ていきましょう。

厚生労働省の調査によると育休明けに復帰した女性の割合は89.5%にのぼり、退職者は10.5%という結果でした。

平成 29 年4月1日から平成 30 年3月 31 日までの1年間に育児休業を終了し、復職予
定であった女性のうち、実際に復職した者の割合は 89.5%(平成 27 年 92.8%)、退職し
た者の割合は 10.5%(同 7.2%)であった。

引用:平成30年度雇用均等基本調査(確報)(厚生労働省)

約9割のママさんは育休後に職場復帰し、ワーキングマザーとして働き続けていることがわかります。

 

育休明けに退職するなら半年が目安

約9割の女性が育休後に復職していますが、約1割のママさんは育休後に退職しています。

前述したように、やむを得ない事情があれば育休直後に退職するのも仕方ありませんが、退職を急ぐ大きな理由がない場合は、一度復職してから退職を検討するのがおすすめです。

半年程度働けば仕事と育児のバランス・生活パターンが掴めるようになります。

まずは半年を目安に働いてみて、それでも「この会社で働き続けるのは難しい」と感じる場合は、退職や転職を考えるといいでしょう。

 

育休後の退職を検討するママさんの10の理由

育休中は慣れない子育て・生活の変化など、さまざまな理由により、育休後の退職を検討するママさんは多いようです。

ママさんが育休明けに「退職したい」と感じる理由は、主に10個あります。

  1. 育児と仕事を両立する自信がない
  2. 復帰後の仕事についていけるか自信がない
  3. 子供との生活を優先したい
  4. 赤ちゃんが想像より手のかかる子だった
  5. 赤ちゃんや自分の体調に不安がある
  6. 保育園の空きが見つからない・落ちてしまった
  7. 身内が遠方で子供の預け先がない
  8. 勤務先が遠く通勤するのに大変
  9. 産休・育休前とは違う未経験業務の部署に配属された
  10. 職場の理解がない

ひとつずつ見ていきましょう。

 

1.育児と仕事を両立する自信がない

育児と仕事を両立するのは大変なことです。

はじめての子育てに戸惑っている人、過去に仕事と育児の両立を経験して大変さを知っている人などは、育児と仕事の両立ができるか自信を持てず「退職して育児に専念したほうがいいのでは」と育休後の退職を検討するようになります。

復職前提で育休を取得したとしても、「子供が産まれて子育てを経験したことで、仕事と育児の両立は難しいと考えるようになった」という人も多いようです。

 

2.復帰後の仕事についていけるか自信がない

子供を授かると、1年程度仕事をしない期間が続きます。

育休中は育児と家事に追われることで仕事の感覚を失い、「育休後に復帰しても、以前のように業務をこなせるのだろうか」と不安になるママも少なくありません。

産前は仕事で高い評価を得ていた人でも、育休後に同じような働き方ができるか疑問を抱くようです。

 

3.子供との生活を優先したい

「小さいうちは子供と一緒にいる時間を確保したい」「仕事よりも子供を優先したい」と感じるママさんはたくさんいます。

https://twitter.com/40w5d5/status/1289983110700871682

育休後ワーキングマザーとして働くつもりであっても、「近くで我が子の成長を見守りたい」という思いから育休明けの退職を検討しはじめることは、ママさんなら誰もが経験する心境の変化でしょう。

 

4.赤ちゃんが想像より手のかかる子だった

もともと子供が好きな人でも、いざ自分の赤ちゃんが生まれると想像以上に手がかかり、「こんなはずじゃなかった」と苦労するママさんも多いようです。

https://twitter.com/CE_taiwan/status/1086102802504376320

中でも「なかなか寝てくれない赤ちゃん」は母親の負担も大きく、仕事復帰をためらう声も少なくありません。

 

5.赤ちゃんや自分の体調に不安がある

出産後は、赤ちゃん・ママさんともに体調が不安定になりがちです。

特に子供が体調を崩しやすい場合は、保育園に子供を預けたとしても、お迎えのため仕事を早退しなければならないケースも増えるでしょう。

自分や子供の体調面に加えて、会社の同僚への負担を考える必要があるため、退職を検討するママさんも多いようです。

 

6.保育園の空きが見つからない・落ちてしまった

「保育園に入れない」「申請したが落ちてしまった」などの理由により、退職を余儀なくされるケースは多く存在します。

厚生労働省の調査によると、平成30年10月時点での待機児童数は47,198人にのぼるようです。(「平成30年10月時点の保育所等の待機児童数の状況について」より)

「子供を預けて仕事がしたいのに、預ける先がない」という待機児童問題は、社会的にも大きな問題になっています。

 

7.身内が遠方で子供の預け先がない

保育園に子供を預けられない場合、次に頼る先は祖父母や親族になるかと思います。

しかし近くに身内がいないと、子供の預け先が見つからず職場復帰は難しくなるでしょう。

子供を預ける場所がないと安心して働けないため、育休後の退職を考えるのも無理はないのではないでしょうか。

 

8.勤務先が遠く通勤するのに大変

勤務先が自宅から遠いと、通勤に時間がかかります。

出産前は問題なく通勤していたとしても、育児や家事にはまとまった時間が必要になるため、長時間の通勤はママさんにとって大きな負担になるでしょう。

「家事が追い付かない」「保育園のお迎えに間に合わない」など、遠方の職場は退職を考えるきっかけになりやすいようです。

 

9.産休・育休前とは違う未経験業務の部署に配属された

産休・育休中に「以前とは違う部署へ異動になってしまった」というママさんの声も多いです。

配属先が今まで経験したことのない業務が発生する部署である場合、慣れない育児に加えて仕事もいちから覚える必要があるため、「負担が大きすぎる」と退職を検討する人もいます。

 

10.職場の理解がない

会社に子育てを経験している同僚が少ない場合、仕事と育児の両立について理解を得られないことが少なくありません。

育休明けに復職して働きはじめるためには、周りの協力が不可欠です。

あまり協力的ではない職場だと、ストレスを抱えやすくなってしまうため、復職後まもなく退職を考えるようになるでしょう。

 

育休明け退職のデメリット:後悔しないための4つの検討事項

上記で解説した理由により、「育休後は退職したい」と考えるママさんは多くいらっしゃいます。

しかし「退職したい」という気持ちが強まり決断を急いでしまうと、あとになって「退職しなければよかった」と後悔するケースも少なくありません。

以下では育休明けの退職を決める前に、検討しておきたいポイントを4つご紹介します。

  1. 金銭面を確認する
  2. 会社に育休の延長などの制度がないか相談する
  3. 民間の託児所・ファミリーサポート及びベビーシッターなどを活用する
  4. 退職後は保育園を辞退しないといけない

それぞれ確認することで、本当に退職するべきなのか考えてみましょう。

 

1.金銭面を確認する

まずは育休後の退職による金銭面への影響について、もう一度確認する必要があります。

退職すると生涯年収が下がる

「正社員は大変だから、子供が成長するまではパートで働こう」と考えるママさんもいるのではないでしょうか。

しかし正社員から非正社員になってしまうと、生涯収入が大幅に下がってしまいます。

下記の表は、平成30年における女性の正規・非正規の収入状況をまとめたものです。

平成30年 正規 非正規 年収差
年収 503.5万円 179.0万円 324.5万円

平成30年分民間給与実態統計調査(国税庁)より

正規は年収平均が503.5万円なのに対し、非正規は179.0万円と324.5万円の年収差があります。

 

続いて正規・非正規別に生涯年収・生涯賃金を見てみましょう。

平成30年 正規 非正規 生涯年収差
生涯年収・生涯賃金 1億105万8000円 7011万3000円
3094万5000円

平成30年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)正規・非正規データの23歳から59歳までを加算算出

正規と非正規の生涯年収差は約3100万円にのぼり、格差がはっきりと確認できます。

非正社員は昇給や賞与制度がない場合も多く、年収アップは見込めません。

 

生涯の教育費は子供ひとりにつき1000万円

正規・非正規の生涯年収差を確認したところで、続いては子供の教育費を見てみましょう。

幼稚園から高校まで全て公立学校に進学した場合でも、子供ひとりあたりにかかる教育費は、約540万円かかると言われています。(平成30年度子供の学習費調査(文部科学省)より)

一般的な私立大学に進学すると、大学の教育費は約430万円。(平成30年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(文部科学省)より)

幼稚園から大学までの教育費を合計すると、子供ひとりあたり約1000万円はかかるでしょう。

育児が落ち着き子供の進学を考えはじめるとき、「自分の収入があるか」は重要なポイントになります。

子育ては教育費以外でも何かとお金がかかるものなので、現在正社員として働いでいるママさんは、よく考えてから育休後の退職を検討しましょう。

 

2.会社に育休の延長などの制度がないか相談する

退職を決める前に、育児支援の制度がないか会社へ相談しましょう。

例えば「育児の負担が大きく、フルタイムで働くのに不安を感じている」「保育園のお迎えに間に合わないので困っている」という場合は、時短勤務を申し出るのもひとつの手です。

状況によっては育休を延長してくれるケースもあるかもしれません。

会社の制度を利用しながら、育児と仕事を両立できないか考えてみましょう。

 

3.民間の託児所・ファミリーサポート及びベビーシッターなどを活用する

ファミリーサポートやベビーシッター、民間の託児所などの利用を検討するのもおすすめです。

ベビーシッターについては国や自治体から補助金が出ているため、割引価格で利用できます。

近年はワーキングマザーに向けたサービス支援が充実しているので、積極的に活用するといいでしょう。

>>企業主導型ベビーシッター利用者支援事業における「ベビーシッター派遣事業」の令和2年度の取扱いについて(内閣府)

>>ベビーシッター派遣事業のご案内 [令和2年度版](公益社団法人全国保育サービス協会)

 

2歳まではお金で時間を買うのも良い選択

子供が2歳になるまでは、お金で時間を買うのもひとつの手段です。

子育てと仕事の大変さは、育休明けの職場復帰後がピークで、次第に負担が軽くなると言われています。

子供が3歳になるころには保育料は安くなるため、懐も温まるでしょう。

0歳から2歳の時期を乗り越えるまでの辛抱なので、子供が3歳になるまでは、お金を使って家事・育児の負担を減らす工夫をしてみてください。

ママがお金で時間を買う方法は下記の記事「パターン別!女性が活躍し続けるキャリアプラン」の「家事や育児の時間を短縮して仕事の時間を確保する」でご紹介しているので、ぜひご確認ください。

>>女性のキャリアはどう築けば正解なの?女性が活躍し続けるために必要なこと

 

4.退職後は保育園を辞退しないといけない

すでに保育園の入園が決まっている場合は、保育園を辞退することになるでしょう。

保育園は子供を預ける必要がある世帯を優先させるために、家族ごとの状況を点数化して、点数が高い世帯から入園を認めています。

保育園の入園指数は退職及び転職をすると「育休後まもなく復職して働く人より、子供の面倒を見る時間はあるはずだ」とみなされ、点数が低くなる傾向にあるようです。

https://twitter.com/kacca_mm/status/1175969726662471682

保育園の入園が決まっている人は、子供の預け先を失う可能性も視野に入れて、育休後の退職を検討しましょう。

 

先輩ママたちからは「退職を選ぶ」というアドバイスもある

育休明けの退職は失うものが多いため、可能な限り復職したいものですが、先輩ママさんからは「無理せずに退職を選んでもいいのでは」という声も聞こえてきます。

「状況が変われば考え方も変わるので、退職したいと思うのは仕方ない」という意見は、実際に子育てと仕事の大変さを知っている、先輩ママさんだからこそわかるもの。

育休後の退職によって会社に迷惑をかけてしまうのは避けられないので、「お詫びの気持ちはきちんと伝えるなどの配慮はするように」とのアドバイスもありました。

前述した退職前に検討しておきたい事項と、自分の状況を照らし合わせながら、育休後に退職するかどうか決断するといいですね。

 

育休後に円満退職するための意識するべき5つのポイント

「育休後に退職するデメリットは理解したけど、どうしても仕事を続けられる状況ではない」というママさんは、退職を選ぶのも仕方ないことかと思います。

以下からは育休後に退職する際に、意識しておきたいポイントを5つ解説します。

  1. 繁忙期を避ける
  2. 退職理由と伝え方
  3. 退職届を出すタイミング
  4. 仕事の引継ぎを行う
  5. 育休後に有給休暇消化で退職する場合

ひとつずつ見ていきましょう。

 

1.繁忙期を避ける

職場に迷惑をかけないためにも、繁忙期の退職は避けましょう。

育休明けが繁忙期に当たる場合、職場復帰するあなたを頼りにしているケースも少なくありません。

会社側が欠員を埋め、繁忙期に備えられるよう、退職を決意したらできるだけ早い段階で「育休後は退職したい」旨を会社へ伝えると親切です。

 

2.退職理由と伝え方

退職理由は取り繕わず正直に伝えましょう。

「子供との時間を大切にしたいから退職を決意した」というママさんの場合、会社に伝えにくい退職理由であるため、言い訳やウソの退職理由を考えてしまうこともあるかと思います。

しかし退職理由は正直に会社へ伝えるのが、社会人としての誠実な対応です。

後ろめたい気持ちはあるかもしれませんが、お詫びと今までお世話になったお礼を添えて、口頭で会社へ伝えましょう。

 

3.退職届を出すタイミング

退職届は、会社から退職の了解が得られたあとに提出しましょう。

育休中であってもできる限り出社して、直接上司に退職届を提出するのが望ましいです。

退職届についてのマナー・書き方に関しては下記の記事で解説しているので、不安な人はご覧ください。

>>退職届は郵送でもいい?退職届や封筒、添え状の書き方なども詳しく解説

>>退職届の書き方についてチェック
※こちらの記事は現在執筆中です。公開までお待ちください。

 

4.仕事の引継ぎを行う

育休は復職前提で取得しているため、引継ぎしきれていない業務が残っている場合もあるでしょう。

あなたにしかわからないような仕事があれば、退職前に引継ぎをしておくと親切です。

「育児で手が離せない」「子供を預けられない」という場合は、引継ぎ方法について上司や会社に相談してみましょう。

現在はリモートワークが広がりつつあるので、出社日数を抑えて引継ぎできる良い方法が見つかるかもしれません。

 

5.育休後に有休消化で退職する場合

有給休暇がたまっているママさんは、「可能なら有給休暇を消化して退職したい」と感じますよね。

育休期間も有給休暇付与の対象になるので、育休明け有給休暇がたまっているママさんも多いかと思います。

育休後に出社せず有給休暇を消化して退職する流れは、法的には可能です。

育休後に有休消化で退職する場合、下記のスケジュールで手続きを進めます。

  1. 復職日=有給休暇消化開始日
  2. 有給休暇消化期間
  3. 退職日

育休後の復職日は必ずしも出勤する必要はないため、復職日に有給休暇を当てることで、そのまま退職することも可能です。

しかし育休後に復職することなく、いきなり有休消化して退職する場合、会社に良い印象を与えないことも多いでしょう。

退職の流れについては、退職の意向を会社に伝える際に、しっかり話し合うのが重要です。

 

育休後に退職したら育児休業給付金や失業保険はどうなる?

育休後に退職する場合、育児休業給付金や失業保険など、お金についての疑問も浮かんでくるかと思います。

以下からは育休明けに退職する際、各手当がどのような扱いになるのか解説していきます。

それぞれ見ていきましょう。

 

育児休業給付金

育児休業給付金は、育休期間中に雇用保険から支給される手当金です。

育児休業給付金については下記の記事で詳しくご紹介しているので、今回は「育休後に退職した場合、育児休業給付金はもらえるのか」「もらっている人は返金の必要があるのか」などに焦点を当てて解説していきます。

>>育児休業給付金はもらえない人もいる?給付条件や金額・期間を徹底解説

 

育休後に退職しても育児休業給付金はもらえるのか

育休明けに退職すると、育児休業給付金はもらえないのでしょうか。

それぞれ3つのケース別で、育児休業給付金をもらえる人・もらえない人をご紹介します。

 

1.産休・育休前から復職しないつもりだった場合

産休・育休を取得する前から復職の意思がなかった場合、育児休業給付金はもらえません。

育児休業給付金は、出産・育児後も働き続けられるように支援する目的で設けられた制度です。

復職の予定がない人は、育児休業給付金の受給条件から外れるため注意しましょう。

 

2.復帰するつもりだったが育休中に退職・転職した場合

「復職前提で育休を取得したが、諸事情で育休中に退職・転職することになった」という人もいるでしょう。

この場合は復帰するつもりで育休を取得しているため、在職期間中は育児休業給付金をもらえます。

 

3.復帰せずに育休終了と同時に退職・転職した場合

育休終了と同時に、やむを得ず退職または転職する場合もあるかと思います。

こちらも上記のケースと同様に、育児休業給付金はもらえます。

 

退職日によって育児休業給付金の金額が変わる

前述した「2.復帰するつもりだったが育休中に退職・転職した場合」のケースに当てはまる場合は、退職日によって育児休業給付金の金額が変わります。

育児休業給付金は、育休開始日から1ヶ月ごとに区切られた期間(支給単位期間)ごとに支給される制度です。

下記のように育休開始日が9月5日の場合、月の5日から翌月4日までが支給単位期間になります。

育休中に退職する場合、退職日が含まれる支給単位期間のひとつ前の支給単位期間分で、育児休業給付金の支給は終わります。

ただし退職日が支給単位期間の末日である場合は、退職日が属する支給単位期間まで育児休業給付金はもらえます。

【上記図の例】
11月20日に退職した場合:9月5日~11月4日の支給単位期間まで支給
12月4日に退職した場合:9月5日~12月4日の支給単位期間まで支給

 

育休後に退職しても育児休業給付金は返金しなくていい

育休中または育休後すぐに退職したとしても、それまでもらった育児休業給付金を返金する必要はありません。

退職後は育児休業給付金の支給はなくなりますが、すでに支給された育児休業給付金の返還を求められることはないのでご安心ください。

 

退職後の失業保険(失業手当)は条件を満たせばもらえる

育休明けに退職しても、下記の条件を満たしていれば失業保険はもらえます。

  • ハローワークへ来職の申し込みができること
  • いつでも就職できる能力があること
  • 離職日以前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上あること

しかし「退職後すぐに就職活動ができない」「専業主婦を希望していて就職する意思がない」などの場合は、「受給資格なし」とみなされ失業保険はもらえません。

妊娠・出産・育児のために就職活動が難しいママさんは、失業保険の受給期間延長を申し出るといいでしょう。

失業保険の受給期間は原則として「退職した翌日から1年間」と定められていますが、妊娠・出産・育児・病気などですぐに働けない場合、受給期間を最長3年まで延長できます。

「育児が落ち着いたら働きたい」という意思がある人は、ぜひ失業保険受給の延長制度を利用するといいでしょう。

>>妊娠・出産・育児・疾病等のため、すぐに就職できないとき(千葉労働局)

 

出産手当金について

出産手当金は、産休期間に勤め先で加入している健康保険制度から支給される手当金です。

産休中における支援制度なので、育休後の退職については支給の有無に影響を与えないでしょう。

ただし産休中に退職する場合、出産手当金をもらうためには一定の条件を満たす必要があります。

下記の記事「妊娠後の経済的支援の種類と育児休業給付金の位置づけ」の「出産を理由に退職したら出産手当金はどうなるの?」で詳しく解説しているので、産休中の退職を検討している人はご確認ください。

>>育児休業給付金はもらえない人もいる?給付条件や金額・期間を徹底解説

 

出産育児一時金について

出産育児一時金は、出産費用の負担軽減を目的に、健康保険から支給される制度です。

出産時の支援制度なので、出産手当金と同様、支給は育休後の退職有無に左右されません。

出産育児一時金の詳細については、下記の記事「妊娠後の経済的支援の種類と育児休業給付金の位置づけ」の「出産育児一時金」をご覧ください。

>>育児休業給付金はもらえない人もいる?給付条件や金額・期間を徹底解説

 

健康保険料などの社会保険について

産休・育休中は、「産前産後休業保険料免除制度」により社会保険料(健康保険・厚生年金保険)が免除されます。

しかし育休中に退職した場合、免除は適用されなくなるため「夫の扶養に入る」「任意継続被保険者制度の利用する」などの手続きが必要です。

産休・育休中の社会保険料の免除ついては、下記の記事「妊娠後の経済的支援の種類と育児休業給付金の位置づけ」の「産前産後休業保険料免除制度」をご覧ください。

>>育児休業給付金はもらえない人もいる?給付条件や金額・期間を徹底解説

 

育休中や時短勤務中の退職における退職金3つの疑問

育休中や時短勤務中でも、退職金はもらえます。

退職金が支給される会社に勤めていて、あなたが支給対象者であれば、育休明けの退職だとしても規定通り退職金はもらえるはずです。

以下では育休中や育休後の退職における、退職金にまつわる疑問点を解消していきます。

  1. 時短勤務中はフルタイムより退職金が減るのか?
  2. 産休・育休期間は勤続年数としてカウントできる?
  3. 退職所得は保育料の計算に影響するのか?

ひとつずつ見ていきましょう。

 

疑問1.時短勤務中はフルタイムより退職金が減るのか?

育休明け時短勤務で働いているママさんも多いでしょう。

育休後の時短勤務中に退職する場合でも、一般的にフルタイム勤務時よりも退職金が減ることはありません。

時短勤務中の退職金計算方法は会社の規則によりますが、退職金は一般的に下記計算式で算出します。

基本給×勤続年数に応じた支給乗率

時短勤務中は基本給が減少するケースもありますが、退職金の算出はフルタイム時の基本給を用いる場合が多いでしょう。

ただし就業規則や退職金規定において、「時短勤務期間の基本給は通常時の○%として退職金を算定する」など取り決められている可能性もあります。

時短勤務中の退職金の算定方法に関しては法律で定められておらず、会社の規定によるため、退職前に就業規則を確認しておくと安心です。

 

疑問2.産休・育休期間は勤続年数としてカウントできる?

前述の時短勤務中と同様に、退職金算定における産休・育休中の取り扱いについては、法律で定められていません。

産休・育休期間を勤続年数としてカウントするかどうかは、会社の就業規則や退職金規定に左右されます。

会社によっては「産休は継続年数に含めるが、育休は含めない」など取り決められているケースもあるため、退職金の見積もり時には注意が必要です。

 

疑問3.退職所得は保育料の計算に影響するのか?

退職金は税控除があるため、保育料の計算に影響しないケースがほとんどでしょう。

保育料は世帯年収による住民税が算定基準になっていますが、退職金は「退職所得控除」「1/2課税」で退職所得を求めるため、支払う税金が非常に少なくなります。

一般的な退職金の支給額であれば、保育料の計算に影響しない人が多いようです。

>>保育料の決定方法、お支払い(大田区)

>>退職金を受け取ったとき(国税庁)

 

育休中の転職:タイミングや採用企業にどう伝えるか

育児は何かとお金がかかるため、「現在の会社は退職したいけど、良い転職先があれば働きたい」と考えるママさんもいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし育休中の転職は、通常の転職活動と比べて難しいのも事実です。

以下からは育休中の転職活動について、詳しく解説していきます。

  • 育休中の転職は難しい
  • 育休中の転職で考えるべきこと
  • 応募先の企業からはどう見られるのか
  • 応募先の企業には正直に育休中であると伝える
  • 会社から妊娠・出産・育児を理由に退職させられた場合

順番に見ていきましょう。

 

育休中の転職は難しい

育休中の転職活動は、身体的・精神的に厳しいものがあります。

子育てしながら転職活動を進めることになるので、落ち着いて転職先を検討するのも難しくなります。

応募先の企業によっては子供がいるだけで面接を断られる場合もあり、面接にこぎつけたとしても子供を預ける必要があるため、面接の日程調整ひとつ行うだけでも大変でしょう。

育休中に転職活動をするためには、相当な労力と覚悟が必要です。

 

育休中の転職で考えるべきこと

覚悟を決めて育休中に転職活動をはじめる場合、まずは以下の2点について考える必要があります。

  • 子どもの預け先を考える
  • 転職のタイミングを考える

転職して働きはじめるのであれば、転職活動の前に保育所探しをしておくと安心です。

子供の預け先が決まらないまま転職先だけ決まっても、働き続けるのは難しくなります。

また転職のタイミングは、可能な限り育休後が望ましいでしょう。

育休期間中は育児休業給付金を受給するママさんが多いかと思いますが、「育休後に退職しても育児休業給付金はもらえるのか」で解説した通り、育休期間中に退職すると支給が止まってしまいます。

ひと区切りついてからのほうが転職先の印象も良くなるケースも多いため、育休中に転職活動をして転職先が決まった場合でも、育休後に退職・入社をするのがおすすめです。

 

応募先の企業からはどう見られるのか

育休後にそのまま退職するのは、応募先の企業からあまり良い目で見られません。

場合によっては「採用してもすぐに退職しそうだ」と捉えられてしまいます。

やむを得ない事情で育休後に退職する際は、その事情を企業側に説明し、理解してもらうことが重要です。

「自身やパートナーの異動・転勤」「親の介護」など現在の職場を退職する正当な理由があれば、面接時に企業側へ伝えましょう。

 

応募先の企業には正直に育休中であると伝える

転職活動の際は、育休中である旨を応募先の企業に伝えましょう。

育休中を隠して入社したとしても、子供が小さいうちは早退・欠勤しなければならない状況が多いため、入社後まもなく会社へ説明する必要があります。

会社によっては「騙された」と受け取ることもあるため、信頼関係を築くのが難しくなってしまうでしょう。

長く働き続けられる会社に出会うためにも、育休中に転職活動をしていることは正直に伝えるのが大切です。

 

育休中の転職については下記の記事でも詳しく解説しているので、「育休後すぐに転職したい」と考えているママさんはぜひご一読ください。

>>育休明け復職せずに転職できるの?育休後の転職タイミングと転職成功のコツ

 

会社から妊娠・出産・育児を理由に退職させられた場合

「会社に育休後復帰したい旨を相談したら、退職をすすめられた」というママさんもいらっしゃるでしょう。

残念ながら妊娠・出産・育児を理由に女性を退職させようとする会社は、現在も存在します。

しかし妊娠・出産・育児などを理由に、解雇したり賞与や人事評価において不利益な査定をするのは、法律上禁止されている行為です。(育児・介護休業法第10条、第16条、第16条の4より)

詳しくは下記の記事で解説しているので、会社から育児を理由に退職を迫られている人は、ぜひ一度ご覧ください。

>>転職活動中に妊娠が発覚したらどうする?注意点と転職を成功させるポイント
※こちらの記事は現在執筆中です。公開までお待ちください。

 

育休後の退職はよく考えてから決めるのがおすすめ

育休後の退職はできる限り避けて、現在の会社で働き続ける方法がないか検討するのがおすすめです。

「異動や転勤」「職場環境が悪い」など育休明けに退職するやむを得ない理由がある場合は、子供の預け先やタイミングを考えながら、計画的に転職活動をはじめましょう。

育休後の退職はその後の生活を左右する可能性があるため、自分のなかでじっくり検討したうえで、後悔しないよう決断してくださいね。

 

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