転職活動を始めようとするうえで、一般的な転職活動の期間はどのくらいなのか、転職活動の流れはどうなっているのかは気になるところですよね。
できることなら、短期間で転職活動を成功させたいと考えている人が多いのではないでしょうか。短期間で転職活動を終える人もいれば、だらだらと転職活動が長引いてしまう人もいます。その違いは一体何なのか。
当記事では、転職活動の期間の目安をお伝えしたうえで、一般的な転職活動のスケジュールを解説します。また、短期間で転職活動を成功させるポイントや転職活動が長引く原因もご紹介。
現在離職中の人は、再就職までの期間が空いている場合のリカバリー方法を公開していますので、参考にしていただければ幸いです。
転職活動の期間の目安と始めるタイミング
一般的な転職活動の期間の目安と、実際に転職活動を始めるタイミングについて見ていきましょう。
転職活動の期間は最短で3ヶ月
一般的な転職活動の期間の目安について、ビズリーチの調査結果をご紹介します。
転職活動期間 | 割合 |
3ヶ月未満 | 40.3% |
3ヶ月以上~半年未満 | 32.9% |
半年以上 | 26.8% |
データ引用:ビズリーチ
3ヶ月未満で転職活動を終えている人が、およそ4割という結果になっていますね。転職活動の期間の目安は、最短で3ヶ月ということが分かります。
ただし、転職活動の期間は人によって異なるため、あくまでもひとつの目安であるということを認識しておきましょう。
転職活動を始める時期
転職活動はどのタイミングで始めるべきなのか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。あなたの置かれている状況や年齢などによって、転職活動を始めるベストな時期は変わります。
以下の記事にて、あなたにとってベストな転職時期やその見極め方などをご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
>>転職活動を始めるベストな時期をチェックしてみる
在職中もしくは退職後どちらで転職活動を始めるべき?
転職活動を始めるとしたら、在職中もしくは退職後のどちらがいいのか決めかねている人もいるかもしれません。結論を言うと、よほどの事情がない限りは在職中に転職活動を始めることをおすすめします。
以下の記事にて、在職中および退職後それぞれのメリットやデメリット、働きながら転職活動を始めるべき理由などを解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
>>働きながら転職活動を進める秘訣をチェックしてみる
一般的な転職活動のスケジュール
続いて、一般的な転職活動のスケジュールをお伝えします。転職活動を成功させるためには、転職活動の流れをきちんと理解し、自分でしっかりスケジュールを立てることが重要です。
転職活動の準備期間:約2週間~1ヶ月
本格的に転職活動を始める前に、転職することで何を実現したいのかきちんと整理する準備期間です。なぜ転職したいのか、転職の目的は何かということをハッキリさせましょう。
また、今までの仕事の経験を振り返り、キャリアの棚卸しをすることが大切です。自分の強みや足りないスキルも明確になるため、自分に合う転職先が見つけやすくなるでしょう。
転職活動開始~内定:約2ヶ月
転職の準備が整ったら、書類作成から内定獲得までの転職活動期間です。
履歴書および職務経歴書を作成します。ほとんどの企業がまずは書類選考を設けているため、履歴書と職務経歴書の作成は丁寧に取り組みましょう。
求人に応募し、書類選考に通過したら面接という流れになります。ただし、内定をもらったからといって即承諾してはいけません。労働条件通知書には給与や仕事内容などが書かれているため、きちんと確認して納得したうえで内定を承諾してくださいね。
退職手続き:約1~2ヶ月
晴れて転職先が決まったら、退職の交渉や退職の手続き、業務の引継ぎを行う期間です。短期間で一度にこれらのことを行うと、精神的にも肉体的にも疲弊してしまいますよね。
退職の交渉をする際は、上司に様々な方法で引き止められて進展しない可能性も考えられます。揺るがない強い覚悟を持って、自分の意思を伝えることが大切です。
退職が決定したら速やかに退職手続きを行ってください。業務の引継ぎ資料に関しては、転職活動中にコツコツと作成しておくといいでしょう。
辞めるからといって現職の仕事をおざなりにせず、きちんと完遂させて気持ちよく退職しましょう。
ゴールから逆算して転職活動のスケジュールを立てよう
具体的にいつまでに転職をしたいのかというゴールの時期を決め、そのゴールから逆算して転職活動のスケジュールを立てましょう。
もちろん、全てが計画通りに進むとは限りません。しかし、何もスケジュールを立てないまま転職活動を始めてしまうと、転職するためにやるべきことさえまともにできず、効率の悪い転職活動に陥る可能性が高いです。
転職に成功するためには、自分の目指すべきゴールを明確にし、計画的に転職活動を進めましょう。
転職活動を短期間で成功させるポイント
できる限り、短期間で転職を成功させたいと思う人が多いのではないでしょうか。短期間で転職活動を成功させるためのポイントが7つありますので、じっくり見ていきましょう。
徹底的に下準備をする
下準備なしに転職に成功することは、ほぼ不可能だと言っても過言ではありません。下準備は想像以上に時間がかかりますが、面倒臭がらず真面目に取り組むことが大切です。
自己分析
自己分析をすることで、あなたが将来なりたい姿を明確にしましょう。自己分析をすると今後の方向性が見えてくるため、転職活動の軸が定まるはずです。
自分の性質や価値観、長所や短所、得意なことや不得意なことなどを整理してみてください。また、仕事だけではなくプライベートの体験からも印象に残っていることをあぶり出し、あなたがどう感じたのか、なぜそのような行動をしたのか深堀りしましょう。
この自己分析は一度で終わらせず、何度もとことん自分と向き合うことが重要です。自己分析をしっかり行えば、転職理由と志望動機に一貫性を持たせることができ、書類や面接の対策にもつながるでしょう。
他己分析
職場の先輩や同僚、後輩、気心の知れた友人、家族に自分の印象や性格、強みや弱みなどを聞き他己分析を行いましょう。自分では気づかなかった強みや弱みを知ることができます。
他己分析の結果は、必ず自己分析と照らし合わせることが大切です。自分と他者の評価がズレているのであれば、足りない部分を改善する必要があることが分かります。
自分自身を客観的にとらえるのは、どうしても難しいものです。自己分析だけではなく他己分析を取り入れることで、自分自身を客観視できるようになり自己理解が深まるでしょう。
企業・業界研究
あなたが志望する企業とその業界について研究しましょう。
企業のホームページやIR情報、OpenWorkや転職会議などの口コミサイト、新聞、四季報、業界紙などを駆使し情報収集を行ってください。併せて、企業のブログやTwitterなどのSNSも抜かりなくチェックすることが大切です。
企業および業界研究は、入社後のミスマッチの防止になります。研究する中で、「思っていた企業と違った」「同じ業界でも違う企業が自分には合っている」「この企業なら自分の夢を叶えられる」といった気づきがたくさんあるはずです。
転職エージェントを利用する
転職のプロから直接手厚いサポートが受けられる転職エージェントを利用しましょう。
転職エージェントを利用すると、面接日時の調整や企業との条件交渉などを代行してくれます。仕事と両立しながら1人で転職活動を進めるのは労力がいるため、転職エージェントを利用し効率のいい転職活動を行ってはいかがでしょうか。
転職エージェントには様々な種類があり、人によってどの転職エージェントに登録したほうがいいか異なります。以下の記事にて、あなたに合う転職エージェントをご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
職務経歴書の作成
具体的な数字や固有名詞を使用して職務経歴書を完成させることが大切です。あれもこれもと欲張り、長文になってしまうことは避けましょう。内容だけではなく、改行や表を挿入するなど見た目の読みやすさも重要です。
情報量が多くなり過ぎてしまうと、結局何が言いたいのか分からない文章になってしまいます。絶対に伝えたいポイントを整理し、要約して簡潔に記載しましょう。
また、曖昧な表現をやめて数字や固有名詞を盛り込むことで、企業の目に留まり印象に残りやすくなります。今までの経験、実績、スキルなどについては積極的に数字や固有名詞を記載しましょう。
複数社へ同時に応募する
1社応募し不採用になったらまた1社応募するという進め方をするのではなく、複数の会社へ同時に応募して転職活動を進めていくことをおすすめします。
前者のやり方だと他社との比較検討ができませんが、後者のやり方だと並行して他社との比較検討ができるので、より客観的に転職先を判断できるはずです。
積極的に複数社へ応募することで、自分の可能性が広がり面接の練習にもなります。ただし、むやみやたらに応募するのではなく、求人情報を見て興味を持った企業があれば積極的に応募しましょう。
企業・業界研究や面接対策の時間を、きちんと確保できる範囲で応募してくださいね。
事前に引継ぎの準備をする
引継ぎがスムーズに進まず時間に追われて焦ってしまうケースは多いため、事前に引継ぎの準備は進めておきましょう。
せっかく転職先が決定したにもかかわらず、引継ぎが上手くいかずに入社日がずれ込む事態に発展したら水の泡です。短期間での引継ぎは、トラブルにつながることも。
今あなたが担当している業務を途中で投げ出すことは言語道断です。時間に追われて焦ってしまうと心に余裕がなくなります。そうならないために、可能な限り引継ぎの準備をしておきましょう。
転職活動が長引く主な原因
転職活動が思うように進まず長引いてしまう人がいることも事実です。ここでは、なぜ転職活動が長引いてしまうのか、その原因を紐解いていきます。
転職の目的を設定していない
何のために転職をするのか、その目的を設定していなければ転職活動は泥沼にはまるでしょう。
転職することでどんな未来を手に入れたいのか、何を実現したいのかハッキリさせておかなければ、あなたに合う企業は見つかりません。転職の目的がないということは、自分の中に確固たる軸がないということです。
転職の目的を明確にしない限り、だらだらと転職活動を続けるだけで時間が無駄になります。これからどんなキャリアを築いていきたいのか、今一度転職の目的について考え直しましょう。
理想だけで転職活動を進める
現実逃避の気持ちが強く、自分の理想だけを追い求めて転職活動を進めているのであれば、転職活動の幕が閉じることはないでしょう。そもそも転職の考え方を見つめ直す必要があります。
「今より良い企業に勤めたい」「もっとやりがいのある仕事がしたい」「今の職場では自分の能力が活かせない」などの理由で転職活動を進めていても、あなたの理想は手に入りません。
どの環境に身を置いても、あなた自身が変わらなければ何も変わりません。もし内定をもらい入社したところで、やがては同じことを繰り返すことになるでしょう。
転職の考え方が分からずに悩んでいる人は、転職活動を成功させるための転職の考え方を以下の記事にて解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
企業に求める条件の優先順位が曖昧
転職先の企業に何を求めるのか、絶対に譲れない条件と譲ってもいい条件それぞれに優先順位をつけていないと、ずるずると転職活動を続けることになるでしょう。
年収や業務内容、勤務地、休日、福利厚生など人によって絶対に譲れない条件と譲ってもいい条件は異なります。あなたにとって、最も大切な価値観をハッキリさせることが重要です。
優先順位が曖昧だと、求人情報に振り回されることに。「年収が高いからこの企業がいいな」「土日祝日休みだからこっちの企業のほうがいいかも」という感じで常に揺れ動いてしまいます。
絶対に譲れない条件と譲ってもいい条件をしっかり整理したうえで、優先順位をつけましょう。
離職期間が長引き焦って空回りする
在職中ではなく退職後に転職活動を進めている人は、転職先が決まらないと離職期間が長引いてしまうので、「内定をもらいたい」「早く転職先を決めなくちゃ」と焦ってしまい空回りします。
その焦りから冷静な判断力が欠如し、最終的には妥協して転職するケースが多いです。幸せな人生を歩む手段として転職するにもかかわらず、これでは意味がありません。
なぜ今まで内定をもらえなかったのか見つめ直しましょう。必ず何かしらの原因があるはずです。間違っても「企業の見る目がない」という考え方に陥らないように気をつけてください。
今までの転職活動を振り返り、書類の書き方や面接での受け答えを見直してみましょう。
面接日程や合否結果の連絡待ち期間が空く
思いのほか、面接日程や合否結果の連絡を待つ期間が空くことがあります。働きながら転職活動を進めていると、企業となかなか日程が合わずに何度か調整のやり取りをすることも多いです。
また、合否結果に関しても3日以内に連絡してくる企業もあれば、1週間ほど経って連絡してくる企業もあるため、連絡待ちの期間が発生します。
面接日程に関しては、有休を使用できそうなのであれば活用しましょう。午前休や午後休というように半休制度を設けている企業も多いので、確認してみてはいかがでしょうか。
合否結果の連絡待ちの期間でも、求人情報は欠かさずにチェックし、気になる企業があれば応募することが大切です。
退職交渉が難航する
退職の交渉が難航し、退職するまでに予想以上の時間がかかるケースは多いものです。慰留を求められても、次の会社の入社予定日が既に決まっていることを伝えてください。
大事なことは、転職先の会社名は伝えないことです。世間は狭いですから、今の会社の社員と転職先の社員が繋がっていても何ら不思議ではありません。その場合、あなたに関する噂を流されるリスクがあります。
あなたは今の会社を去っていきます。今の会社の社員の中で、そのことを快く思わない人がいる可能性も。その人が、あなたのことを悪く言ったりあなたに関する情報を流すことは否めないので用心しましょう。
再就職までの期間が空いている場合のリカバリー方法
もし、現在あなたが離職中で再就職するまでの期間が空いている場合、企業からマイナスなイメージを持たれるのではないかと不安に感じているのではないでしょうか。
再就職するまでに空白期間があっても、リカバリーすることは可能です。ブランク期間を払拭させるリカバリー方法をお伝えします。
ブランクが長い人に企業が感じること
ブランクが長い人に対して、多くの企業が感じていることは下記の通りです。
・仕事への勘およびスキルの勘が鈍っていないだろうか
・業界の動向や情報をキャッチアップできているのだろうか
・魅力がない人材なのではないだろうか
・転職に計画性が足りないのではないだろうか
・自己評価が正しくできていないのではないだろうか
空白期間が長ければ長いほど、仕事に対するモチベーションの維持はもちろんのこと、仕事やスキルの勘が鈍っていないかについても懸念されるところです。
ブランクがあることを気にしない企業も存在しますが、ブランクが長い人に対して企業からこのように思われているということは、念頭に置いておきましょう。
企業が納得するブランク期間の理由を述べる
ブランクの期間をリカバリーするためには、企業が納得する理由を述べることです。
例えば、退職後は仕事に関する資格を取得するために勉強をしていたのであれば、空白期間が長くても悪い印象を与えることはありません。資格を取得したことが証明できれば、口先だけではないことを納得してもらえるでしょう。
他にも、家庭の事情(家族の介護など)で再就職までの期間が空いてしまった場合や、語学留学をしていた場合、フリーランスで単発の仕事をしていた場合なども、企業は納得するはずです。
退職後から再就職までの空白期間に何をしていたのか、具体的に説明することで企業に納得感を与えられるでしょう。また、入社後にどのような取り組みをするのか、何ができるのかをアピールすることが大切です。
転職活動の期間を短くするためには徹底的に下準備をしよう
転職活動の期間は最短で3ヶ月です。ただ単に転職活動の期間は短ければいいというものではありませんが、ずるずると長引いてしまうと精神的にきつくなり、心に余裕がなくなってしまいます。
例えば受験に合格するために、受験日まで一生懸命勉強し備えますよね。同じように、転職活動を成功させたいのであれば、準備を疎かにしないことです。そして、転職を決意した初心を忘れないでくださいね。