転職を考えるきっかけは人それぞれ。初めての転職であれば、なかなか踏み切ることができない人も多いでしょう。「今の労働環境より悪くなったら」「やりたい仕事が見つからないかも」など、悩んでしまいますよね。
そもそも、転職に対する考え方が間違っているかもしれないと不安に感じる人もいるかもしれません。転職で後悔しないためには、どのような転職の考え方を身に着ければいいのか。
当記事では、後悔する転職の考え方と比較したうえで、成功するための大切な転職の考え方を紐解いていきます。後悔しない転職の考え方を身に着け、成功をつかむため行動に移しましょう。
転職に後悔・失敗する危険な考え方
なぜ、転職に成功することができなかったのか。どういう転職の考え方をすると、後悔することになるのか。転職に後悔している人の割合を知ったうえで、後悔した転職の考え方と失敗した要因を見ていきましょう。
転職に後悔している人の割合
転職会議の調査結果によると、転職を後悔している人はおよそ４割。
画像引用：転職会議 Report
転職に成功したと思っている人がおよそ７割いるものの、４人に１人が転職に失敗したと思っています。良い方向に進むために転職をしたはずなのに、なぜ転職したことを後悔している人がいるのでしょうか。
転職に失敗し後悔していること
転職した人たちが「転職に失敗した」「転職しなければよかった」と後悔していることを見ていきましょう。
想像していた仕事と違う
企業のホームページや求人内容を見ただけで、仕事内容が分かった気になっているパターンです。面接でも仕事内容についての話はあったはずですが、全てを理解するのは難しいもの。
また、企業に対する思い込みや偏った見方により、良い部分だけしか見えていないこともあります。自分がやりたいと思っていた仕事でも、実際にやってみると想像と違うことはよくあることです。
給与や賞与・昇給が採用時の条件と違う
採用時に企業が提示した条件と実際の給与や昇給が違っていても、法律上は違法ではありません。ただし、条件を変更することにお互いが合意したときのみです。
転職は、今までの経験やスキルによっても給与が変わってきます。企業との相違がないように、求人票に記載してある最低保証金額と、労働条件通知書を確認することが大切です。
Uターン転職などで環境の急変に戸惑う
家族の介護をすることになった、自然の中で穏やかに過ごしたいなど、Uターン転職の理由は様々。地方は都市部に比べ、公共交通機関が少ないため車の所有は必須です。
また、人間関係が濃厚になるので面倒に感じるケースもあります。地方の物価は安いものの、その分給与も下がり生活水準を見直す必要もあるため、安易な気持ちでUターン転職をすると大変なことになります。
前職の良さに気づく
給与に不満があり給与の高い企業へ転職したものの、前職のほうが働きやすかったと感じたり、仕事内容に満足できないから転職したのに、前職の仕事のほうが自分に向いていたと気づいたり。
例えば給与だけに着目してしまうと、福利厚生を見落としがちです。住宅手当や家賃補助、法定外の健康診断や休暇制度、社員食堂や社宅の有無など、企業によって福利厚生は大きく変わるため、給与だけにとらわれず併せてチェックすることが大切です。
社風に馴染めない
給与や勤務時間など希望する条件は満たしているものの、転職先の社風が合わずに困惑するケースです。例えば自由な社風だった前職に比べ、転職先の会社では厳しく管理されるというギャップに悩み、社風に馴染めずストレスを感じてしまうことも。
面接時に、「毎日、社内全体ですることは何がありますか」「昼休憩の時には、皆さんはどのように過ごされていますか」など質問することで、社内の人間関係や雰囲気が少しつかめるでしょう。
転職に失敗し後悔する原因
転職したことで、何に後悔しているかが分かりましたね。それでは、なぜ転職に失敗し後悔する結果になったのか、その原因を見ていきましょう。
企業研究・情報収集不足
しっかりとその業界や企業に関する情報収集ができていないと、企業研究が疎かになります。企業のHPや求人サイトだけを見ても、企業研究にはなりません。
IR情報や企業のサービスについて何となく知っているだけでは、転職後に大きなギャップを感じることに。インターネット上には様々な情報が出てきますが、全てを鵜呑みにするのも危険です。
冷静に情報を見極め、信ぴょう性のある情報をもとに検討しましょう。
目先の給与や年収だけに着目する
給料が低いことに不満を抱き、転職を決意する人は少なくありません。だからといって、給料がいいという理由だけで転職する会社を決定すると、後悔します。
給料が大幅に上がることで、前職より勤務時間が長く残業が多くなり激務になったというケースも。目先の給料が上がったとしても、負担が増える可能性もあります。
仕事や環境を大きく変えすぎる
殺伐とした都会暮らしに嫌気がさし、時の流れがゆっくりに感じられる地方に憧れ、転職に踏み切る人もいます。働き方を変えることで新たなライフスタイルが形成され、人生が良い方向に向かうこともあるでしょう。
しかし雑誌や本、テレビや動画でその地方について見ただけで実際に訪れたことも暮らしたこともないにもかかわらず、自分の思い込みにより転職すると失敗する可能性が大きくなります。
縁もゆかりもない地方で、仕事だけではなく生活環境や人間関係をも最初から築き上げる必要があるため、心が折れるケースも多いです。
転職の機会を逃す、早まる
転職は人生のターニングポイント。転職したいと思いながらも日々仕事に追われ行動できなかったり、気持ちが整理できないまま転職の機会が失われてしまうケースがあります。
思いとどまっている間に、気になっていた会社の募集が終了していることも。そのまま年月が過ぎていけば、年齢によって転職が難しくなる可能性もあります。
だからといって、転職への焦りから早まって転職する会社を決めれば、焦らずにもっと慎重に決めればよかったと後悔することになります。
勢いだけで転職する
勤めている会社への不満が日に日に膨らみ、「今すぐに環境を変えたい」「転職すれば何もかも上手くいくはず」という考え方は後悔します。
ネガティブな感情から勢いで転職しても、転職後も同じような状況に陥るでしょう。例えば、偶然見つけた企業に勢いで応募し、転職を決めることは危険です。
「面接の印象が良かったからこの企業でいい」と判断し、現状から逃げるように転職すると失敗する大きな原因になります。
転職に成功する人の考え方
転職に後悔・失敗する考え方が分かりましたね。それでは早速、転職に成功する人はどのような転職の考え方で転職活動に挑むのかを見ていきましょう。
情報量と情報の使い方が違う
IR情報を熟読し、展開しているサービスを実際に利用しています。さらに、希望する業界の人やその企業に勤める社員から話を聞くこともしています。
企業が求める人材やスキルなどを理解するために、手に入れた多くの情報を多角的に考えることは重要です。また、他人に自分を分析してもらう他己分析を取り入れています。
自己分析と併せて他己分析をすれば、より客観的に自分自身を分析できるでしょう。人事担当者は、転職希望者のSNSをチェックすることもあるため、発信する内容は大切です。
すぐに行動に移すほうが得だと考える
時は金なりと言いますが、失った時間は二度と戻ってきません。成功する人は貴重な時間を大切に活用しています。自分が魅力的だと思う求人は、他者も魅力的に感じるもの。
そういった求人は人気があるため、すぐに募集が締め切られることも多々あります。だからこそ、すぐに行動することが重要です。また、面接の場数を踏めば要領をつかみ面接対策にもなるでしょう。
未経験の求人に対して柔軟に考える
転職活動中、未経験の業界・職種の求人が目に留まることがあります。今まで聞いたことがない業務内容であることも珍しくありません。
そういう仕事を見つけた時に少しでも関心を持ったり興味が沸いたら、転職先候補の一つとして積極的に選択肢に入れます。「経験がないから自分にはどうせ無理だ」というような考え方はしません。
凝り固まった考え方はせず、未経験の仕事に対しても徹底的にリサーチし、常に視野を広く持っているため柔軟な考え方ができます。
自分の見せ方をわきまえ自分本位ではなく相手目線で考える
自分本位に今までの実績や持っているスキル、どういった経験をしてきたかアピールするのではなく、相手が求めている情報は何かを考えたうえで伝えましょう。
自分が強みだと思っているアピールポイントは、企業にとって重要ではないこともあります。企業が求めている人物像を理解し、自分を採用することによる企業のメリットを提示することが大切です。
自分が言いたいことを言うだけでは、転職活動はうまくいきません。相手目線に立ち、何が求められているのか考える癖をつけましょう。
内定をもらえないときに責任の所在を自分に置く
転職活動中に犯したミスを、自分の責任としてとらえます。転職活動がうまくいかないのは、企業や転職エージェントのせいだとは考えません。
何が悪かったのか、これからどうすればいいのかを考えます。転職活動は、なかなか思い通りにいかないもの。だからこそ、毎回振り返り改善する必要があります。
面接に落ち続けてしまっていたら、面接対策に抜け目はないか、失礼な受け答えをしていないか、どうすればうまくいくか前向きにとらえます。
伸びる市場を分析しベストな会社を選ぶ
大企業だからと言って、安心できる世の中ではなくなっています。そのため、大企業に勤めれば安泰という考え方は危険です。安易な考え方で、大企業を選ぶのはやめましょう。
IT業界は伸びていくと予想されています。仕事でも暮らしの中でも、当たり前のようにIT技術を利用していますよね。電車の座席予約、コンビニやスーパーのレジ、通販サイトや就職・転職活動などのWebサイトも、IT技術によって成立しています。
身近にあるものから、どういった市場が伸びていきそうかアンテナを張ることが大切です。
やりたい仕事とできる仕事をわきまえている
自分がやりたい仕事とできる仕事をわきまえています。今まで取り組んできた仕事を振り返り、「これはできるほうだ」「得意だ」と感じた仕事を思い出し整理しましょう。
自分ができることや得意だと感じていることを極めている中で、「あの仕事にも活かしたい」「次はこういう仕事ができるようになりたい」と感じる瞬間が訪れます。
もしも自分にできる仕事が分からなくても、焦る必要はありません。上司や先輩、同僚に褒められたことから深掘りしていくこともできます。
漠然とあの仕事をやりたいと思っていても、実際にやってみると違和感を覚えることもあります。自分ができる仕事を通して、企業や世の中の役に立ちたいという想いが大切です。
転職成功の鍵を握る最も大切な考え方
転職に成功する人と後悔する人は、転職の考え方が真逆であることが分かりましたね。しかし、実は転職成功のキーポイントになる考え方があります。
この考え方は転職成功の鍵となりますので、続いて見ていきましょう。
転職の軸を持つ
転職に成功するためには、自分の中にハッキリとした転職の軸を持つことが大切です。ブレない軸をつくることで、転職活動を効率的に進めることができます。
では一体、転職の軸とは具体的に何なのか、どうやって決めて使えばいいのかを考えてみましょう。
転職の軸とは何？
転職の軸とは、転職する会社を選択するうえで何に重きを置くかという条件になります。転職の軸を形成するにあたり、転職を考えたきっかけや転職を志す動機が源になります。
そして、これからの人生においてどういう働き方をしたいのか、何が最も大切なのかを明確にすることで、転職の軸が定まります。
転職の軸となる条件とは？
転職の軸となる条件とは、先述の通り転職する会社を選択するうえで何に重きを置くかという条件です。年間休日数や残業時間、年収や福利厚生など人によって何に重きを置くかは様々です。
どういう仕事内容を希望するのか、副業できることが重要なのか。賞与や特別手当、勤務地や転勤の有無を重視するのか。
雇用形態や会社の規模、退職金制度や教育環境の充実度など、働くうえで何を重視するかを考えてください。頭に浮かんだ条件は、全て書き出しましょう。
転職の軸の優先順位を考える
転職するうえで何に重きを置いているか分かったら、書き出した条件の中から最優先条件を考えていきましょう。優先順位を考えることで、自覚していなかった潜在意識に気づくきっかけになります。
書き出した複数の条件の中には、他の条件と比較すればさほど重要だと感じていない条件も案外入っていることがあります。それでは、どうやって優先順位を決めるのか見ていきましょう。
MUSTを決める
まず、MUSTを決めます。ここでのMUSTの定義は、「これだけは譲れない条件」とします。書き出した複数の条件から、絶対に譲れない条件をチェックしましょう。
誰しも、これだけは譲れないと思うものがありますよね。譲れないと強く感じる条件を選びましょう。さらにそのMUSTの中で、自分にとって重要だと感じる順番に番号をつけてください。
MUSTの中で１番の項目は、転職活動をするうえで最も大切な転職の軸となります。
WANTを決める
次に、WANTを決めます。ここでのWANTの定義は、「譲歩してもいい・どちらでもいい」とします。必然的に、MUSTを決めた際にチェックがついていない項目がWANTにあたるわけです。
本当に譲歩してもいいのか、どちらでもいいのかを確認し、WANTの中での優先順位を決めていきましょう。転職活動中に同じような条件の会社で選択に迷った際は、WANTの項目を参考にします。
転職の軸の使い方
複数あった条件をMUSTとWANTに仕分けることで、何が一番重要だと感じているのかが分かりますね。この作業は時間がかかり、面倒に感じることは否めません。
しかし転職の軸を自分の中に持つかどうかで、転職後における人生の明暗が別れると言っても過言ではないでしょう。ただし、苦労して作り上げた転職の軸を使うことができなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。
それでは、実際にどうやって活かすのか見ていきましょう。
転職活動中の場合
転職活動の初期段階では、求人を見てどの企業に応募するかを考えますよね。その時に、MUSTの条件におおよそ合いそうなら、積極的に応募しましょう。
応募する段階では、MUSTを完全に満たしているかは分かりません。一方で求人内容には載っていないけれど、本当はMUSTの条件に合致している場合もあります。
応募すればよかったと後悔しないように、少しでも興味を持ったり迷うくらいであれば応募することをおすすめします。面接に進めた場合は、MUSTの条件について企業目線に立ってアピールしましょう。
一方的に自分本位なMUSTの条件を伝えても、失敗します。企業目線に立ち、これから働くうえで大切にしているMUSTの最重要条件を分かりやすく伝えることが大切です。
転職の軸は、転職活動を進める中で変わることもあります。面接を受けたり企業を調べたりするうちに、「こっちのほうが優先順位が高い」「優先順位を下げよう」など、考え方や価値観がアップデートされることもあるでしょう。
そう感じたときは転職の軸を軌道修正して、転職活動に臨むことが大切です。
転職先を決める場合
転職する会社を決めるときに、転職の軸がとても大事になります。内定の連絡をもらったとしても、何も考えずに承諾するのは危険です。
WANTの条件と合致していて魅力的に感じたとしても、MUSTの条件に合致していないのであれば、その会社に転職したら後悔するでしょう。大事なのは、WANTではなくMUSTです。
MUSTの条件が満たされない環境にいるから、自分の力だけでは手に入らないMSUTの条件をつかむために転職するのに、WANTだけが合致している会社に転職するのは本末転倒です。転職したとしても、すぐに不満を感じます。
MUSTの条件は満たさていてWANTの条件が全く満たされていない場合は、今後も満たされないままなのか、中長期的にみれば満たされるのかを考えて、転職先を取捨選択するといいでしょう。
転職で失敗して後悔しないためのプロセス
先ほど紹介した転職成功の鍵を握る考え方を、すぐに実践することが大切です。ここでは、転職で失敗し後悔しないための一連の流れを見ていきましょう。
転職前に考え直すべきこと
転職が頭によぎったら、考え直したほうがいいことが３つあります。早速、転職前にどんなことを考え直するべきなのか見ていきましょう。
自分自身を見つめ直す
どうして転職しようと思ったのか、なぜ転職を意識し始めたのかを考え直してください。これからの人生で何を実現したいのか、どんなふうに働きたいのかを見つめ直しましょう。
10年後になりたい自分の姿を思い描くことも大切です。叶えたい夢は何なのか、じっくり自分と向き合ってください。
転職は、あくまでも手段です。転職することで自分は変われる、うまくいくというように転職が目的になっていないか、視野の狭い考え方をしていないか自分自身を見つめ直しましょう。
自分本位になっていないか考える
今の会社に何かしらの不満があるなら、その不満の元になる根源は全て会社側にあるのか考えてみてください。と言うのも客観的に考えれば、自分の中に原因があるということは少なくないからです。
何もかも環境のせいにしてはいけません。自分が変わればうまくいくパターンもあります。不満を解消するために自分ができることはないか、自分本位な考え方をしていないかを冷静に考えましょう。
転職の覚悟と信念を再確認する
転職は、人生の中で重大な分岐点になります。もちろん、仕事だけで人生のすべてが決まるわけではありません。しかし、家族と過ごすよりも長い時間を仕事に費やすわけですから、納得した働き方をしたいですよね。
転職には、強い覚悟と信念が必要です。「転職する」と決めたはずなのに、実際に転職活動を行うとなると気が重くなってしまうもの。「現状維持で問題ない」「転職はリスクが大きいかもしれない」などと踏みとどまる人も多いです。
そのように考えるのであれば、転職はしないほうがいいでしょう。生半可な気持ちで転職に成功することはできません。
しかし「現状維持よりも、良い方向に変わるなら変わりたい」と転職する覚悟を決めたのであれば、自分を信じ、転職への信念を強く持ってください。
転職の覚悟と信念を大切にし、成功をつかむために自分の人生を切り開いていきましょう。
転職活動を始める前にすべきこと
転職する強い覚悟と信念が再確認できたのであれば、次は転職活動を始める前にするべきことについて見ていきましょう。５つのポイントに絞って紹介します。
キャリアの棚卸しを行う
今まで自分が携わってきた仕事を振り返りキャリアの棚卸しをしましょう。仕事を通して身に着けたスキルや専門性は何があるのか、キャリアの棚卸しをすることをおすすめします。
今、自分にはどんなスキルがあるのか、何に長けているのかを改めて考えることはもちろん、足りないスキルを自覚することで、今後のキャリアプランの作成にも役立ちます。
自己分析をする
自己分析は、転職活動の要と言えます。今までの人生経験を振り返り、強みや弱み、物事の考え方や理想とする姿、能力や性格などを徹底的に分析し理解しましょう。
深く掘り下げていけば、今まで気づかなかった自分の価値観にも気づくことができます。自己分析がきちんとできているかいないかで、転職活動がうまく進むか決まるほどです。
面接時には、過去の実体験からこういう状況の時にはどういう思考でとらえるのか、どう処理するのかなどが問われることが多いため、内定をもらうためにも自己分析はとても重要です。
転職の目的を整理し優先順位をつけ多角的に考える
何のために転職をするのか、目的を明確にしましょう。仕事に対してどのような価値観を持っているのか考えることも大切です。
転職することでワークライフバランスを手に入れたいと考えているのか、何を差し置いても仕事内容が最優先なのか。人それぞれ転職の目的は違います。
ワークライフバランスを重視するのであれば、例えば残業時間が月10時間以下であることが最優先なのか、それとも休暇日数が多いことが最優先なのか、優先順位をつけましょう。
転職することで、どういう未来を手に入れたいのか多角的に考えることがポイントです。
転職活動の計画をしっかり練る
成りゆきで転職活動をすると失敗します。転職活動を行う前に、緻密に計画を立てることが大切です。平日は朝早く起きて転職活動をするか、それとも仕事終わりに転職活動をするか。
転職先はいつまでに決めるか、退職時期をいつにするかなど、入念に計画を練りましょう。限られた時間を有効に使えて、やるべきことが自ずと分かります。その結果、生産性の高い転職活動を行えます。
複数の転職エージェント&転職サイトに登録する
転職活動を開始する前に、転職エージェントおよび転職サイトの両方に登録しましょう。使い勝手も掲載されている企業も違うため、選択肢を広げるためにも複数の転職エージェントと転職サイトに登録することをおすすめします。
同じ求人が２つ以上のエージェントやサイトに掲載されていることもあるため、同一の求人に応募しないように気をつけましょう。
複数登録すると言っても、転職エージェントも転職サイトもたくさんあるので迷いますよね。迷わないために、おすすめの転職エージェントと転職サイトを以下の記事にてまとめていますので参考にしてください。
転職活動中にすべきこと
転職活動を始める前にするべきことが確認できましたね。続いては、転職活動中にするべきことについて４つ紹介します。
徹底的な情報収集・企業研究
情報収集・企業研究は、転職活動をするうえで基本中の基本です。企業のHPはくまなく確認することは言うまでもないこと。競合や顧客、市場を把握することで、同業他社の研究にもつながります。
プレスリリースや新聞、四季報や業界紙も確認しましょう。また、店舗を構える企業ならば訪問しお話できないかお願いしてみましょう。
転職後のミスマッチを防ぐためにも、徹底的に情報を集め企業研究に時間をかけてください。
興味を持った企業に幅広く応募する
少しでも興味や関心を持った場合は、ためらわずに応募しましょう。幅広く応募する中で大切なことは、転職の目的や転職の軸、自分の中の優先順位(MUSTとWANT)を見失わないこと。
ただ、選考過程で企業の事を深く知っていくうちに、転職の考え方が変わることもあります。例えば第一志望ではなかったけれど、その会社に転職したい気持ちが強まることはよくあることです。
自分の視野を広げるという意味でも、気になったら応募しましょう。
面接は企業を見極めるチャンスと捉える
面接に進むことができたなら、大きなチャンスです。最終面接以外はオンライン面接という形をとっている企業もあります。
しかしオンライン面接でも、ほとんどの企業が面接の最後に「何か質問はありますか？」と逆質問の機会を与えてくれるため、疑問に思っていることや気になることは積極的に質問して、疑問を解消してください。
対面面接の場合は、会社の雰囲気が多少はつかめるでしょう。企業にも選ぶ権利があるように、あなたにも選ぶ権利があります。物怖じせず、絶好のチャンスと捉え企業を見極めましょう。
複数の企業から内定をもらう時期を合わせる
転職活動中は複数の企業に応募することが多くなりますが、内定をもらう時期を合わせることがポイント。中途採用では、最終面接が終わり採用の可否の連絡が来るまで約１週間が多いです。
企業によって面接回数は異なるため、応募する際に求人情報で選考の流れを確認しておきましょう。採用の可否の連絡を待っている間に、優先順位から大きく外れていないか、MUSTの条件を満たしているかなどを比較できるため、どの会社を選択するのが自分にとってベストなのか考えられます。
今後は転職が当たり前の時代になる
一昔前、転職する人はほんの一握りでした。現代では、いわゆる大企業に勤めていても今後いつどうなるか分かりません。これからは、転職が当たり前の時代になります。
実際に転職を経験した人の割合と、転職検討中の人が転職に向けてやるべきことを紹介します。
転職経験者の割合
厚生労働省の平成30年雇用動向調査結果によると、１年間の転職率は10%です。つまり、10人に１人が転職している計算になります。
性別と年齢別にみると、20代および30代男性の転職率は、全体の約40%を占めています。20代および30代の女性の転職率は、全体の約57%です。
20代・30代が転職する割合が高いですね。年齢を重ねると転職しづらくなることが多いため、転職するなら20代・30代のうちに行動したほうがいいでしょう。
転職を検討している人が早めに備えるポイント
今すぐに転職するつもりはなくても、そう遠くない未来に転職を検討しているのであれば、早いうちに転職に備えておくべきことがあります。そのポイントを５つ紹介します。
人脈をつくる
人脈は、転職するときに活かせます。志望する業界や会社に知り合いがいれば、リアルな仕事の話を聞けたり、思わぬ情報をつかめることもあります。
また、その会社に紹介してもらえるチャンスが訪れることも。企業側は、全く知らない人物よりも紹介者経由で採用するほうがリスクが低いと考えるため、人脈を広げておいて損はないでしょう。
仕事に関係する資格を取得する
転職を希望する業界や職種に役立つ資格を取得しましょう。まだ分からない場合は、今の仕事に関係する資格を取ることをおすすめします。
実績は大事ですが、知識や教養を身につるという点において、資格を持っていることは役立ちます。例えば外資系企業を志望するのであれば、採用条件にTOIECで850点以上、などと記載されていることが多いです。
どういったスキルや資格を所持すれば転職する際に有利になるのか調べたうえで、仕事に合った資格取得の勉強を始めましょう。
転職で求められるスキルを知り磨く
転職先で求められるスキルを知りましょう。スキルは、ビジネスセミナーや通信講座でも学べます。例えばクリエイティブ系の職種であれば、独創性や企画力が必要になります。
営業であれば、行動力やクライアントへの柔軟性も必要です。コンサルタント系であれば、論理的思考力やコミュニケーション力が必要になります。
このように自分がどんな業種や職種を志望するかによって、必要なスキルが異なります。求められるスキルを正しく把握し、いざ転職する際にスキルがないことで泣きを見ないように磨いていきましょう。
自分の市場価値を知る
企業側は、「より良い人材に来てほしい」と考えます。いずれ転職を考えていのであれば、企業に選ばれるためにも自分の市場価値を知ることは大切です。
自分の市場価値は高いのか低いのか気になりますよね。「自分の市場価値なんて分からないよ」「どうすれば自分の市場価値を知れるの？」と思った人もいるかもしれませんが、簡単に調べられます。
20問程の質問に答えるだけで、市場価値を簡単に知ることができるミイダスを利用してみましょう。ミイダスは、登録しなくても自分の市場価値が分かるので気軽に試せますよ。
ミイダスの注意点と活用方法を以下の記事にてまとめていますので、参考にしてください。
まだ転職を考えていない人も転職を意識すべきタイミング
今の時代は、いつどうなるか分からないですよね。まだ転職とは無縁だと感じている人も、転職を意識するべきタイミングがあります。そのタイミングを５つお伝えします。
企業や業界の先行きに不安を感じる
会社や業界自体が衰退してきたなと感じ始めたら、そのタイミングで転職を意識したほうがいいでしょう。自社製品やサービスの売れ行き、上層部の人材の入れ替わりが激しい場合は注意です。
企業や業界の先行きに少しでも不安を感じたら、転職のタイミングと言っていいでしょう。
給与や残業の未払い・遅延がある
給与や残業の未払いや遅延がある場合には、すぐにでも転職を意識するべきです。給与や残業の未払いなど、あってはなりません。
支払いが滞っているのは、資金繰りが悪くなっているということ。近いうちに倒産する可能性もあります。このような事態に直面したら、まさに転職のタイミングです。
成果を出しても評価されない
成果を出したにもかかわらず正当な評価をしてくれないのであれば、転職を意識しましょう。何よりも、モチベーションを維持することが難しくなります。
社内のしがらみにより待遇や役職に恵まれず、自分が出した成果に見合わないことで不満が蓄積し爆発する前に、転職を検討してみてはいかがでしょうか。
待遇の良い会社から声がかかる
今の会社よりも待遇の良い会社から声がかかったら、転職のタイミングと言っていいでしょう。もちろん、すぐに飛びつかずにしっかり調べて検討する必要があります。
一方で今の会社や仕事内容、働き方や待遇、人間関係などに満足しているのであれば、転職を意識する必要はありません。そうでない場合は待遇の良い会社から声がかかったら、転職を前向きに検討することも選択肢に入れましょう。
勤務地を変更したい
家庭の事情や諸事情で勤務地を変えたい場合には、転職を考えてみましょう。どうしても勤務地を変更せざるを得ないのであれば、転職のタイミングです。
ただし、勤務地を変更することで給与や年収が下がることもあります。例えば、全国転勤ありの会社で転勤なしを選択すると下がる可能性があります。
最初から転勤がない会社を検討することも、視野に入れましょう。そして、希望する勤務地で転職したい会社をピックアップし、比較検討することをおすすめします。
転職回数が多いことは不利にならないの？
いくら転職が当たり前の時代になるとは言っても、「転職回数が多いことは不利にならないの？」と思う人も多いのではないでしょうか。実際はどうなのか、見ていきましょう。
不利になる場合
まずは、転職回数が多いことによって不利になるパターンを紹介します。
在籍期間が短い
転職を短期間で繰り返している場合には、その理由を必ずと言っていいほど聞かれます。もしも、どの会社も１年経っていないのであれば、印象が悪くなる可能性が高いです。
企業側は「またすぐ辞めてしまうかもしれない」と考えるため、書類選考で却下されることもありえます。
キャリアに一貫性がない
企業側に「自分の中に軸を持っていない」「スキルが身につかないから、どんどん職種を変えている」と思われてしまう恐れがあります。
キャリアに一貫性がない場合は、その中でも共通点を見つけて説明できるようにしましょう。
不利にならないための対策
転職回数が多いことで不利にならないためには、どうすればいいのか見ていきましょう。
できることをアピール
経験してきた多数の会社での業務を通して、自分に何ができるかを整理しましょう。その際に気を付けるべきポイントがあります。
自分ができることは、企業が求める人材やスキルとマッチしているのか確認することが大切です。相手目線に立ち、自分を採用することで企業が得られるメリットを説明できるように、自分ができることを整理しましょう。
転職の理由がステップアップであることの説明
面接時には、ほぼ確実に転職理由を聞かれます。その際に、仮に人間関係や待遇に不満があって辞めたとしても、ステップアップのための前向きな転職であることを説明しましょう。
過去の転職の経緯を含め、将来設計をきちんと筋道を立てて説明できれば問題ありません。
転職活動を行う時に気を付けること
転職活動を行う時に、気を付けることが１つあります。意外と盲点ですが、大切なことですので注意しましょう。
転職先が決定するまで、退職の意向は伝えない
退職の意向は、転職先が決定するまで伝えてはいけません。まだ内定が出ていないにもかかわらず退職の意向を伝えると、最悪の場合無職となる可能性があるからです。
ひょっとすると予想外の出来事が起きて、転職活動が長引くこともありえます。自らリスクを取りに行く必要はありません。転職先が決定するまでは、退職の意向は伝えないようにしましょう。
成功をつかむ転職の考え方を身に着けよう
転職で人生のすべてが決まるわけではありません。しかし、今よりも良い方向へ変わるために転職するのに誤った転職の考え方により、余計に悪くなってしまい転職を後悔するのは嫌ですよね。
転職を後悔しないためには、ブレない転職の軸を持つこと、そして転職によって何を実現したいのか、自分自身と徹底的に向き合うことで転職成功への道が開けるでしょう。