いざ転職を決意しても、転職先の選び方が分からない人も多いのではないでしょうか。「転職を後悔する結末になったらどうしよう」と誰しも不安を感じるでしょう。
転職は、あなたの心が満たされる人生を突き進むための手段です。しかし、間違った転職先の選び方をすることで失敗に終わることもあります。
当記事では、失敗しない転職先の選び方を解説しています。実際に転職先の選び方で失敗した事例に加えて、入社後のミスマッチを防ぐためのポイントや注意点も併せてご紹介します。
正しい転職先の選び方を知ったうえで、転職活動をスタートしましょう。
失敗しない転職先の選び方
早速、失敗しない転職先の選び方をご紹介します。いずれも転職に成功するための大切な考え方ですので、しっかりインプットおよびアウトプットしていきましょう。
転職理由をハッキリさせる
なぜ今の会社に入社したのか、退職したいと思い始めたきっかけは何だったのかを整理し、転職理由をハッキリさせましょう。転職理由が明確でないと、転職すること自体が目的となり失敗します。
転職によって何を実現したいのか、今の会社では自分の目標や夢を叶えられないのか多角的に考えましょう。面接でも必ずと言っていいほど転職理由は聞かれますので、内定を獲得するためにも転職理由は重要になります。
MUST条件とWANT条件を精査する
転職するうえで絶対に譲れないMUST条件と譲歩してもいいWANT条件をしっかり検討し、精査することが大切です。
仕事内容や社風、給与や年収、休日休暇や残業時間など、あなたにとって何が大事なのか優先順位をつけましょう。優先順位が明確になると、転職活動を進めるうえで自分の中の軸がブレません。
求人情報に振り回されないためにも、MUST条件とWANT条件を確立させましょう。
転職によるリスクを考える
転職することであなたが被るかもしれないリスクを考えておく必要があります。
「思っていた仕事と違った」「スキルが通用しない」「給与が上がらない」「社風に馴染めない」「労働環境が悪化した」などはよくあることです。リスクをゼロにするのは不可能だと心に留めておきましょう。
特に、人間関係をあらかじめ把握するのは困難です。ただし、あらかじめリスクを減らすことはできます。例えば、年収や残業時間などはインターネットの口コミデータや転職エージェントで情報収集しておくことが大切です。
縦と横を意識する(1つのキャリアしか経験していない場合)
1つのキャリアしか経験していないのであれば、縦と横を意識しましょう。
縦の軸は、ビジネスの上流・下流を意識することです。例えば広告代理店で営業をしていた人が、その経験を活かしテレビ局で編成業務に携わるなど、下流から上流へ目を向けることが大切です。
横の軸は、大手企業・中小企業、日系企業・外資系企業というように企業規模や業界を意識することです。
縦と横に留意することで、転職後に年収やスキルがアップする可能性が高くなるでしょう。
立ち位置を変える(充分なキャリアを積んでいる場合)
充分なキャリアを積んでいる場合は、立ち位置を変えてみることをおすすめします。つまり、同じ職種のまま業界だけ変える、もしくは同じ業界のまま職種だけ変えるということです。
オンライン化やデジタル化が加速する現代において、今後ますますITや通販はニーズが高まるでしょう。広告や金融、不動産業界は動くお金が大きく利益を生み出せるため、年収が高くなる傾向があります。
また、特定の業界で経験や実績を積み上げているのであれば、その業界に精通したコンサルタントを目指すことも有効です。外側から経営・現場をサポートする戦略系コンサルタントや金融コンサルタントなどを検討してみるといいでしょう。
転職に失敗しないための心構え
何よりも、転職を成功させるためには覚悟と強い信念が必要です。そのうえで、転職に失敗しないための心構えを5つお伝えします。自分の中できちんと吸収し、転職活動を始めましょう。
転職が決まるまでのスケジュールを立てる
3ヶ月もしくは半年~1年以内など、いつまでに転職を成し遂げたいか目標を定め、スケジュールをしっかり立てましょう。事前にスケジュールを立てることで、効率よく転職活動を進めることができます。
転職活動を始める前段階として、自己分析やキャリアの棚卸しを行う必要があります。そして転職活動をスタートさせたら企業研究・情報収集や応募書類の作成、面接対策とやるべきことが山積みです。
退職に伴う引継ぎも考慮して、体力的にも精神的にも余裕のあるスケジュールを組むことが大切です。
在職中に転職活動を進める
退職してから転職活動を始めるのではなく、よほどの事情がない限り在職中に転職活動を進めることをおすすめします。
退職後に転職活動を始めると、収入が途絶えるので経済的に不安定になります。また、すぐに転職先が決まる保証はどこにもありません。なかなか転職先が決まらず焦ってしまい、妥協してしまう可能性も高いです。
転職活動と仕事の両立が大変なことは否めませんが、在職中に転職活動を進めるほうが精神的負担が軽減されるでしょう。
キャリアプランを立てる
自分が将来なりたい姿を明確にし、その理想の姿を実現するためにこれからどうするべきかキャリアプランを立てましょう。
今までの自分のキャリアと今後目指すキャリアとの接点は何か、今後どのような働き方をしていきたいか、具体的にイメージすることが重要です。そうすることで、今の自分とのギャップが明らかになるはずです。
キャリアプランが明確になると、仕事へのモチベーションがアップし、キャリアの選択に迷いがなくなるでしょう。
自分を過大評価・過小評価しない
あなたの勝手な思い込みで、自分を過大評価・過小評価することはやめましょう。
例えば、転職サイトで企業からオファーやスカウトがたくさん届くことで、自分は市場価値の高い人間だと勘違いしてしまうケースはよくあること。しかし、あなたと同じようにライバルにもオファーやスカウトは届いています。
反対に、自分にはたいしたスキルも実績も何もない人間だとネガティブ思考にとらわれるのも危険です。結果として、ブラック企業にしか転職できなくなる可能性が高いでしょう。
冷静に考えれば、今までの職業経験を通して得たものがあるはずです。今まで自分が経験したことを思い出し、客観的に見つめ直すことが大切です。
捨てることになるキャリアが出てくる
転職することで捨てることになるキャリアが出てくる可能性があります。
今の会社で働き続けることで、経験値が高まり得られるスキルもあるはずです。今の会社で役職を与えられていたとしても、長く勤めて実績を上げていたとしても、あなたはあくまでも転職先では新人です。
ましてや、未経験の業界や職種に転職する場合はゼロからのスタートになります。それでも転職する覚悟を決めたのであれば、捨てることになるキャリアが出てくる可能性があることを念頭に置いて、転職活動を進めていきましょう。
転職先の選び方で失敗した事例とミスマッチを防ぐポイント
「転職しなければよかった」という結果になることは、絶対に避けたいですよね。ここでは、実際に転職先の選び方で失敗した事例とミスマッチを防ぐ7つのポイントをご紹介します。
転職先の選び方で失敗した事例
転職先の選び方で失敗した事例は下記のとおりです。
・給与や待遇が想定と違った
・会社の雰囲気がイメージと違った
・収入への不満から勢いで転職した
・やりがいを求めたら過労になった
・夢だった仕事へ転職したのに挫折した
ミスマッチを防ぐためにやるべきこと
転職は、今よりも良い方向に進むためにするものです。今より悪くなってしまうことはあってはなりません。ミスマッチを防ぐためにやるべきことを、じっくり見ていきましょう。
自己分析
徹底的に自己分析することが大切です。自己分析は時間がかかるため、つい後回しにしたくなるかもしれません。しかし、転職することを決意したのであれば何よりもまず自己分析を最優先してください。
自己分析は、自分の強みや真の価値観を知るための手段として有効です。あなたにとっての幸せは何かが分かるだけではなく、人生の方向性が明確になり転職の軸がハッキリするでしょう。
企業・業界研究
求人企業についてはもちろんですが、その企業の業界全体についてもしっかり研究しましょう。
求人広告だけでは情報が浅いため、OpenWorkや転職会議などの口コミサイトもくまなく目を通してください。業界研究をすると、競合企業についての知識や情報が得られるので理解が深まります。
また、面接の際に一歩踏み込んだ内容を質問することができるため、求人企業に好印象を与えることもできるはずです。
先輩や友人から情報収集
自分で調べることは大事ですが、先輩や友人からも可能な限り情報収集を行いましょう。
仮に、先輩や友人が求人企業や業界について知らなかったとしても、その人たちの人脈で知っている人を紹介してもらえたり、思わぬ情報が飛び込んでくることもあります。
世間は広いようで案外狭いものです。求人企業に勤めている社員を紹介してもらえる可能性もゼロではないため、積極的に情報収集することが大切です。
リアルな会社の姿を知る
企業のホームページやインターネットの口コミサイトではなく、求人企業のリアルな会社の姿を知ることが大切です。なぜなら、職場を理解していないまま転職するのはリスクが大きいからです。
求人企業の組織文化や風土、社風を知るためには会社見学をするのがおすすめです。ただし、会社見学を申し出る際には、「何を知りたいのか」を明確にしたうえで打診してください。
また、転職先の社員に直接話を聞く機会を設けてもらえるのであれば、ぜひ活用するといいでしょう。
面接で仕事の内容や進め方を具体的に聞く
面接では、ほとんどの企業が逆質問の時間を確保してくれているので、仕事の内容や進め方を具体的に聞きましょう。
入社後、自分の役職や役割をしっかり聞いておくことで、イメージと大きくかけ離れることは防げるはずです。同じ職種でも、今の会社と転職先とでは仕事のやり方や進め方が全く違うこともあります。
求人企業で自分が働く姿を想像できるようになることが重要です。
しっかり条件交渉をする
自分が納得できるまで企業としっかり条件交渉をしましょう。一般的には、面接で企業から希望年収額を聞かれることが多いので、そのタイミングで自分の希望年収を伝えてください。
ただし採用が決定したとしても、面接で話していた条件と違っていたり、あなたが伝えた希望年収ではないケースも多々あります。内定後に交付される労働条件通知書を必ず確認しましょう。
納得できなければ、年収をアップさせたい根拠を明確にすることが大切です。今までの実績や具体的な数字を提示し、希望年収に見合う人材であることをアピールしましょう。
転職エージェントを活用する
自分1人で転職活動を進めると大変なことが多いため、転職エージェントを活用するといいでしょう。一般には公開されていない未公開求人にも応募できるので、選択肢が増えます。
転職のノウハウがあるため有益な情報をもらえることも多いです。さらに、履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策について教えてもらえるので、転職エージェントに登録してみてはいかがでしょうか。
数多くの転職エージェントの中から、自分に合う転職エージェントの選び方が分からない人のために、おすすめの転職エージェントをご紹介しています。以下の記事にてまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
転職先を選ぶ際の注意点
転職先を選ぶ際には、注意しなければならない点がいくつかあります。つい惑わされてしまい、誤った選択をすることが多いので気をつけましょう。
有給消化率
求人票に記載されている年間休日よりも、有給消化率に注目しましょう。
例えば、年間休日数が多いと記載されているにもかかわらず、有給消化率が低い会社には注意したほうがいいです。また、有給消化率についての記載がない求人についても注意すべきです。
有給消化率は見落としがちな項目ですので、特にワークライフバランスを重視している方はチェックしておきましょう。
固定残業代の有無
求人票に記載されている給与欄に、固定残業代が有るのか無いのか確認しておきましょう。
例えば基本給に固定残業代が30時間含まれていると記載がある場合、残業が30時間に達しなければ得したように思えますよね。しかし一方で、固定残業代を上乗せすることで基本給を高く見せようとする企業が存在するため注意してください。
残業時間により毎月の給与額は大なり小なり変わるので固定残業代の有無に留意し、実質支払われる基本給に着目することが大切です。
求人広告
当然ですが、求人広告は求職者を惹きつけるために様々な工夫を凝らしています。そのため、求職者が魅力的に感じるように良い面しか載っていないことのほうが多いのです。
以下に紹介する文言や写真などには、特に注意しましょう。
「やりがい」「アットホーム」の文言
「やりがいが大きい仕事です」「アットホームな職場です」という謳い文句を目にしたことのある人が多いのではないでしょうか。これらの文言は、他にアピールすることがない時の常套句であることがほとんどです。
魅力が少なくブラックな求人企業である可能性が高いため、注意しましょう。
掲載写真
求人票に掲載されている写真がイメージ画像ばかりなら、注意したほうがいいでしょう。
転職サイトの広告担当者が求人企業へ取材した際に、社内の様子を撮影したものを求人票に掲載することが一般的です。しかし、実際に働いている社員や職場環境など、リアルな社内の写真がほとんどないのであれば要注意。
全てイメージ画像で補わなければならないということは、何か問題があるかもしれないと考えたほうがいいでしょう。
誇張表現
求職者の目に留まりやすいように誇張表現を使用していることが多いため、注意しましょう。
例えば、平均年収や平均年齢といった「平均」という表現はよく使われます。平均年収で言えば、突出して高い年収を稼いでいる人が1人でもいると同じ年収をもらえるとは限りません。
他にも「出向」や「常駐」といった記載がある場合は、出向先やどこに常駐するのかをきちんと調べることが大切です。
正しい転職先の選び方を心得て転職を成功させよう
転職は、あなたが豊かな人生を歩むための手段です。だからこそ、誤った転職先の選び方をしてはいけません。転職を成功させるためには、正しい転職先の選び方を心得ておくことが大切です。
世の中には数えきれないほどの企業が存在しています。その中であなたが心から納得する企業に出会うためにも、転職に失敗しないための心構えを大事にしてくださいね。