試用期間での退職が転職で不利になるケースは確かにあり、再就職がなかなか難しい場合があります。
当記事では、なぜ試用期間での退職が転職で不利になるのか深掘りしてお伝えしていく他、試用期間での退職であっても不利にならないケースも併せてご紹介していきます。
また転職で不利にならないようにするために、面接での退職理由の伝え方など、対策方法もまとめて解説します。
当記事をお読みいただければ、試用期間中の退職であっても転職で不利にならない方法がきっと見つかります。是非最後までご覧ください。
試用期間の退職は転職しにくくなる?
はじめに、試用期間の退職が転職で不利になる理由を詳しくご紹介します。
また実際に試用期間で退職する人がどのくらいの割合いるのかや、転職活動に及ぼす影響を数字を交えてわかりやすく解説していきます。
短期退職なので転職活動で不利になる可能性あり
試用期間は一般的に3~6ヶ月となっており、試用期間中の退職であれば短期での退職となるため心証は悪くなるでしょう。
短期退職の心証が悪くなる要因は、以下のような人だと思われがちだからです。
・コミュニケーション力が低く職場に馴染めない
それぞれ解説していきます。
忍耐力や我慢が足りない
試用期間中で退職するのは、「ちょっとしたことが我慢できない性格」「飽きっぽい性格」「嫌なことがあるとすぐ投げ出してしまう人」などと思われる可能性が高いと言えます。
採用する側の企業は、忍耐力や我慢が足りない人を採用しても、前職同様、試用期間中に退職してしまうのではないかと考えます。
試用期間とはいえ、研修費用や給料の支払い、各種保険の加入などは行わなければなりません。
高額の費用をかけて採用しても、試用期間で辞められてしまっては元も子もないため、企業側は長く勤められる人材を求めるのが当然です。
コミュニケーション力が低く職場に馴染めない
試用期間で辞めた原因は「上司や同僚と良い関係が築けなかったのではないか」「周りに頼れず一人で抱え込み孤立してしまったのかな」と、人間関係が上手くいかない人だと判断されてしまいがちです。
コミュニケーション力が低く職場に馴染めない人だと、職場全体の雰囲気を壊してしまう可能性もあるため、出来れば採用を避けたい人材です。
入社してからは学ばなければならないことも多いため、上司や先輩と上手くコミュニケーションを取る必要があります。
極度にコミュニケーション力が低い人が人間関係を築くのは難しいです。企業側としては、自ら上司や先輩に気軽に相談や質問を投げかけられるような、コミュニケーション力の高い人材を求めています。
試用期間中1~3%の人が退職している
とある転職エージェントの話によれば、試用期間中に退職する人の割合は1~3%程度とのことなので、かなりの少数派であるのは間違いありません。
ただし試用期間中に退職する人は少なからずいて、以下のようにその中には転職に成功している人もいるのは確かです。
近況報告 高校卒業後に入った会社を4年ほど勤めて転職し一度入社したけども身体的に合わず試用期間で辞めて再度転職活動しとある会社の内定をもらい複数あるうちの一つに決めました。そして今日からその会社に勤務することになりました!今度は辞めたりしないよう頑張ります!
— 遠藤尚樹 (@enblack2) August 5, 2019
ぼくもこれまでの転職数えたら5回でした。半年で辞めたり試用期間が終わると同時に辞めたり…
それがあったからこそ今があって、ぼくは今の状況環境はそんなに悪くないと思っています❗️色んな生き方があってそれぞれおもしろいなーと思います⭐️
— トモクサ/グラフィックデザイン (@tomokusa_design) April 22, 2019
ふぅ〜本命企業の内定もらえた\( ˆoˆ)/\(ˆoˆ )/試用期間での退職って言う爆弾抱えての面接だったけど正直にブラック具合を説明したのが良かった!とのことwww
— ばらこ (@rosexkkk) October 19, 2020
試用期間で退職しても、辞めてよかったと思えている人、転職に成功している人も多くいますので、再就職できないと卑屈に考えすぎる必要はありません。
転職時に書類選考通過率で2倍以上の差がつく
試用期間中の退職が転職活動にどのくらい影響があるかというと、書類選考の通過率で2倍以上の差がつくと考えてよいでしょう。
採用担当者は履歴書と職務経歴書をまず見て判断するため、応募者数が多い求人であればあるほど、職歴を確認した時点で選考から外す場合もあります。
試用期間中の退職であるとわかった上で面接にて判断しようという寛容な企業も多くありますが、転職で不利になるのは否めません。
ただし試用期間中の退職であっても転職で不利になりにくいケースもありますので、続いて確認していきましょう。
試用期間中の退職でも転職で不利になりにくいケース
試用期間中の退職でも転職で不利になりにくいケースは、以下の3つです。
・会社側に非がある場合
・やむを得ない事由がある場合
それぞれ解説していきます。
ブラック企業に勤めていた場合
労働基準法に違反している会社や違法な行為を行っているようなブラック企業に勤めていた場合は、転職で不利になる可能性は低いと言えます。
ブラック企業に勤めていた場合は心身共に負担が大きく、退職して当然であると採用する企業側も理解を示してくれるでしょう。
会社側に非がある場合
求人票と違う業務内容をさせられたり、入社前に聞いていた条件と異なる待遇で働かさせるなど、会社側に非があり退職した場合にも転職で不利になる可能性は低いでしょう。
会社側に非があり改善が見込めないような場合には、退職するのは仕方がないことだと判断してもらえます。
やむを得ない事由がある場合
結婚や出産、家族の介護など、試用期間中にやむを得ない事由を抱え退職した場合は、転職に与える影響は少ないと言えます。
やむを得ない事由が転職活動を行っている段階で解決しているようなら、採用担当としても前職と同様に退職してしまうのではないかという心配をせずに済みます。
ここまでご紹介した3つのケースに該当する場合は、転職で不利になる可能性は低く、試用期間中の退職を進めて問題ないでしょう。
試用期間中に退職する注意点
試用期間中に退職する場合には、以下の注意点を確認しておきましょう。
・離職期間ができる
・試用期間中の退職でも履歴書に記載しなくてはならない
それぞれ解説していきます。
転職期間中に経済的・金銭的に厳しい
転職活動は長期化する場合もあり、貯金が少なければ金銭的に行き詰ってしまう可能性もあります。
再就職がすぐに決まれば問題ありませんが、転職で不利になることも考えると余裕を持って転職活動を行った方が良いと言えます。
退職前のなるべく早い段階で転職活動を始め、転職先が決定してから退職するというのも1つの選択肢として持っておきましょう。
離職期間ができる
離職期間が長ければ長くなるほど、仕事への復帰がすんなりできるのか不安に思われるので、なるべく職歴に空白期間を作らないことが大切です。
また自主退職である場合、退職後3ヶ月間は失業保険も受け取れず、さらに過去2年の勤続年数が12ヶ月以上でなければ、失業保険の支給対象ではないので、前述でご紹介した通り転職活動をなるべく早めに始めておくようにしましょう。
試用期間中の退職でも履歴書に記載しなくてはならない
履歴書や職務経歴書に書かなければ、試用期間中の退職とバレないし、転職で不利になることはないと考えるのは大間違いです。
経歴を詐称し再就職しても、雇用保険の被保険者証などから前職が判明し嘘がバレる可能性がありますので、正直に記載するようにしましょう。
試用期間中の退職理由を面接でどう話す?
試用期間で退職理由を伝える際のポイントは以下の通りです。
・改善を目指し努力したことを伝える
・前向きでポジティブな内容を話す
・やむを得ない事由は正直に答える
・試用期間中に合わないと判断して辞めたと正直に話す
・やわらかく職場に原因があり辞めたという方向性にする
例文も含めそれぞれ解説していきます。
会社の悪口にならないように気をつける
会社側に非があったとしても、会社の批判や悪口にならないように注意が必要です。
会社側に非があったことは正直に伝えつつも、今後どのようにしていきたいのかを併せて伝えられるようにしていきましょう。
「前職では試用期間中から朝8時から夜10時までの勤務が常態化しており、休日出勤も行っていました。出社時に与えられた1日の仕事内容に、計画性を持ち取り組み、効率的に業務を進めて終了させても、「うちの会社は夜9時以降まで帰れないのが当たり前だ。」と業務が終わっていても退勤は認められませんでした。ただ仕事に追われるのではなくプライベートな時間を活用して自己啓発にも取り組み、スキルアップを目指して会社にも貢献していきたいと思い退職しました。」
改善を目指し努力したことを伝える
何の努力もせず、ただ単に気に入らないことがあり、退職したと思われないようにしましょう。
退職したいと考えた要因をどうにか改善しようと努力した経緯を伝えるのが大切です。
「前職は営業職を希望し入社しましたが、女子社員は営業をしなくて良いという風潮があり、営業部事務所の掃除やお茶出しなどを中心に行っておりました。試用期間中で自分自身の能力不足は重々承知しておりましたので、休日や退勤後の時間に外部セミナーなどを利用して自己啓発にも取り組み、業務に関連する資格取得も行いましたが、女子社員は余計なことをしなくて良いと認めてもらえませんでした。正社員登用後も仕事内容は変わらないとのことで退職を決意しました。」
前向きでポジティブな内容を話す
ネガティブなイメージばかり与えてしまわないようにするのも大切なポイントです。
前向きでポジティブな内容を中心に話せば、試用期間に退職したという悪いイメージも払拭されるでしょう。
「前職は売上ノルマが高いレベルで設定されており、試用期間中の目標達成は致しましたが、売上重視で強引な勧誘を行う販売商法はお客様ファーストではないと感じ退職しました。私は顧客満足度のアップが更なる売上アップにも繋がると考えており、提案力と親身な接客を重視している御社でなら、前職で培った販売力を活かしながらもお客様に寄り添った接客ができると考えております。」
やむを得ない事由は正直に答える
やむを得ない事由で退職した場合には、退職理由を正直に伝えましょう。
ただし、やむを得ない事由は既に解決されていると伝えることが大切です。
「前職は祖母の介護のため退職しました。入社して間もなく祖母の認知症が悪化したためですが、現在は祖母の介護施設への入居が決まり、母も退職をいたしましたので、業務に支障はありません。今後は仕事に集中し、少しでも早く御社の戦力となれるよう力を尽くしたいと考えております。」
試用期間中に合わないと判断して辞めたと正直に話す
試用期間中に会社や仕事が合わないと感じた点は、正直に伝えてもかまいません。
仕事が合わないと感じた点を伝えた上で、どういった仕事をしていきたいのか目標を明確に語れるようにしておきましょう。
「前職は製造職に就きましたが、営業職に就きたいという思いに諦めがつかず、前職では異動が認められないため退職するに至りました。自分自身のやりたいことを再度見直し、将来をよく考えた結果、持ち前のコミュニケーション力の高さと物怖じしない性格を活かし、営業成績が成果報酬として評価される御社で是非挑戦したいと考えております。」
やわらかく職場に原因があり辞めたという方向性にする
直接的な退職理由をそのまま伝えるのではなく、やわらかく濁して伝えるのも大切です。
職場に原因があったとそれとなく伝え、面接官に辞めるのは致し方無いと思ってもらえるようにしましょう。
「仕事に打ち込むあまり長時間労働や休日出勤が続き、体調管理が上手くいかず退職に至りました。何とか続けたいと思っておりましたが、しばらく療養が必要とのことで退職せざるを得ませんでした。現在は通院も終了し、業務に支障はありません。療養中に健康管理の大切さを改めて実感すると共に悔しさを痛感いたしました。今後は体調管理に十分に配慮し、前職の営業経験も活かしながら、営業職の皆様の事務サポートを行っていきたいと考えております。」
試用期間中の退職であっても、退職理由を伝える際に面接官へネガティブなイメージや採用して大丈夫かという不安を与えないよう、ポジティブな表現に置き換えたり、今後のビジョンや前向きなやる気を見せれば、転職で不利になる可能性は低くなります。
ただし面接まで至らなければ面接対策を行っていても意味がありませんので、あなたの転職活動をトータルにバックアップしてくれる転職エージェントについてご紹介していきます。
転職を成功させるためには転職エージェントを利用
転職エージェントとは人材紹介サービスの1つであり、求職者と採用する側の企業の橋渡しをしてくれて、転職成功を後押ししてくれます。
求職者の利用料は無料です。キャリアアドバイザーが面談した上で、あなたに合った企業をプロの視点から紹介してくれます。
取り扱う求人数も多く一般には公開されていない非公開求人もあるので、転職活動を行うにあたり、まず転職エージェントに登録しておきましょう。
また転職エージェントを通すことで、自己応募に比べると書類選考の通過率も高まるでしょう。
また不安な点や面接対策などの相談にも乗ってくれるので、転職に関する悩みを一挙に解決してくれます。
おすすめの転職エージェントは別記事にて詳しくまとめていますので、気になる方は参考にしてみてください。
試用期間中の退職で転職は不利になるから十分注意しよう
試用期間中の退職が転職で不利になるのは仕方がありません。
もちろん折角入った会社だから、何かしらの努力をして会社に勤め続けられれば良いのですが、そうはいかない理由もあるでしょう。
やむを得ず退職を決意したならすぐに転職活動を始めましょう。
衝動的に退職せず、慎重に次の人生のスタートが切れるように動くことで、採用側の企業もしっかり順序を追って行動できる常識的な人間だと判断してくれるでしょう。