試用期間中であれ、退職の意思は面と向かって伝える方が常識的のような気がするものの、本音では「電話1本で済ませたい」という方も多いのではないでしょうか。
当記事では、試用期間中の退職を電話1本でできるのか気になっている方へ向けて、「退職の意思を電話で伝えて良いのか」「電話で伝える場合の注意点」などをご紹介します。
記事の後半では電話以外の退職方法にも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。
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試用期間中の退職の意思を電話で伝えて良い?
試用期間中の退職の意思を電話で伝えて良いのでしょうか。
退職の意思は直接伝えるのが一般的
退職などの大事な話は直接会って伝えるのがマナーです。
「退職の意思を面と向かって話したくない」という方もいるかもしれませんが、電話1本で退職しようとするのはやはり印象が悪いです。
「短い期間とはいえお世話になったこと」や「退職手続をスムーズに進める」という点も踏まえると、電話ではなく直接伝えた方が円満かつスムーズな退職を実現しやすいと言えるでしょう。
無断欠勤するよりは電話やメールで伝えた方がマシ
退職の意思は直接伝えるのがマナーとお伝えしましたが、「どうしても話したくない」「出社したくない」などの理由で無断欠勤をするくらいなら、電話やメールで伝えた方がマシです。
無断欠勤をしてしまうと、以下のようなトラブルに繋がる可能性があります。
- 警察沙汰になる(捜索願を出される)
- 損害賠償を請求される
- 懲戒解雇される
このようなトラブルに巻き込まれると、その後の生活や転職にも支障が出てくるので、無断欠勤をするよりも電話やメールで退職の意思を伝えた方がまだマシと言えるでしょう。
やむを得ない事情の場合は電話やメールでもOK
やむを得ない事情の場合、会社側は電話やメールでの退職を認めざるを得ません。
「心身の不調で出社できない場合」や「家族の介護や看護で出社できない場合」はやむを得ませんよね。
このような事情がある場合は、現状をきちんと説明できれば電話やメールで退職の意思を伝えても受け入れてもらえるでしょう。
試用期間中の退職を電話で伝えても良いケース
試用期間中の退職は基本的に直接会って伝えるのがマナーですが、場合によっては電話で伝えても良いとお伝えしてきました。
それでは、どのようなケースであれば電話で退職を伝えても良いのでしょうか。
心身ともに不調で出社できない
心身ともに不調をきたしていると、以下のような症状が出てきて出社できない場合があります。
- 腹痛
- 吐き気
- 動機
- 冷や汗
- めまい など
これらはうつ病の初期症状と同様で、体が会社に行くのを拒否しているサインです。
このような状態では出社できないので、電話で退職の意思を伝えざるを得ないでしょう。
ケガや入院で出社できない
ケガや入院で出社できない場合も、電話で退職の意思を伝えるしかありません。
退職の意思は直接会って伝えるのがマナーとはいえ、忙しい上司にわざわざ来てもらうのは迷惑をかけてしまうので良くありません。
ケガや入院であれば「何が何でも出社しなさい」と言われることはないので、電話で退職の意思を伝えても問題ないでしょう。
家族の介護や看護で出社できない
「家族の介護や看護に付きっきりで出社できない」のもやむを得ないケースです。
そもそも家族の介護や看護を理由に退職できるのか不安に感じる方もいるかもしれませんが、厚生労働省が調査した「転職入職者が前職を辞めた理由別割合」によると、家族の介護や看護を理由に退職している人が一定数いることが見受けられます。
このように家族の介護や看護で退職している人はいますし、付きっきりであれば出社できないのも仕方ないので、電話で退職の意思を伝えても受け入れてもらえるでしょう。
これらの3つのケースに該当する場合、試用期間中の退職を電話で伝えても「仕方ない」と思ってくれる可能性が高いですが、心身に問題がなく、「仕事がつまらない」「他にやりたいことがある」などの理由で退職したい場合は、引き止められたり出社するように言われる可能性が高いです。
3つのケースに該当しない場合は、嘘の退職理由を伝えたり退職代行サービスに頼るなど、工夫する必要があるでしょう。
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試用期間中の退職を電話で伝える際の注意点
ここからは、以下のカテゴリに分けて試用期間中の退職を電話で伝える際の注意点をご紹介します。
- 事前準備
- 伝える方法
- 伝える内容
トラブルを避けて円満退職するためにも、ぜひ気を付けていきましょう。
事前準備
私物を持ち帰る
電話で退職の意思を伝えた後に私物を取りに行くのは気まずいですよね。
このように気まずい思いをしないためにも、退職前に少しずつ私物を持ち帰るようにしましょう。
「会社に処分してもらえばいい」という考えは絶対NG。
会社側にも迷惑がかかりますし、大抵の場合は「出社して持ち帰ってほしい」と言われてしまうので、事前に持ち帰るようにしましょう。
引継ぎ書を作成しておく
試用期間中の退職を電話で伝える前に、引継ぎ書を作成しておきましょう。
法律上では引継ぎの義務はありませんが、就業規則で引継ぎが義務付けられている場合もあります。
また、引継ぎ書を用意しておけば後任にも迷惑がかかりませんし、「出社して教えてほしい」といった事態を避けることができます。
退職後のトラブルを避けるためにも、事前に引継ぎ書を作成して、デスクに置いておくか、電話で退職を伝えた後に郵送するようにしましょう。
色々聞かれることを想定しておく
試用期間中に限らず、「退職したい」という申し出をすれば以下のように色々聞かれる可能性があります。
- なぜ退職したいのか
- 退職しなければならない状況なのか
- いつまでに退職したいのか
- 転職先が決まっているのか など
これらに対して明確に答えられないと退職を引き止められる可能性があるので、退職の意思を電話で伝える前によく考えておきましょう。
電話の内容を録音できるようする(アプリ・ICレコーダー)
試用期間中の退職を電話で伝えると証拠が残らないので、場合によっては以下のようにトラブルになるケースもあるようです。
- 退職を認めない
- 出社を強要する
- 退職は認めるが有給休暇は取得させない
- 懲戒解雇や損害賠償請求するなどと脅す
このようなトラブルを避けるためにも、スマホの録音アプリやICレコーダーを使用して退職のやり取りを録音するようにしましょう。
伝える方法
電話する時間帯に配慮する
退職の電話をする時間帯にルールはありませんが、就業時間内で上司が忙しい時間帯を避けて電話しましょう。
特に以下の時間帯は忙しいのでNG。
- 始業前
- 始業直後
- 休憩時間の前後
退職の話であれば上司も落ち着いてじっくり話したいはずなので、なるべく上司が忙しくない時間帯を見計らって電話しましょう。
直属の上司に電話する
退職の意思は必ず直属の上司に伝えましょう。
直属の上司に電話せずに人事部や上司の上司に電話してしまうと、上司の管理能力が疑われて余計なトラブルになりかねません。
しかしながら、直属の上司から嫌がらせやハラスメントを受けている場合はこれに限らないので、人事部や上司の上司などに電話をしても構いません。
気まずくても勇気をもって切り出す
試用期間中の退職を電話で伝えるのは気まずいかもしれませんが、勇気をもって切り出すしかありません。
冒頭でもお伝えしたように、気まずさのあまりに無断欠勤をするのは懲戒解雇されるなどのリスクがあるので良くありません。
上司によってはあっさりと送り出してくれる場合もあるので、勇気をもって退職の話を切り出しましょう。
退職の意思をはっきり伝える
試用期間中の退職を電話で伝える場合は、はっきりと意思を伝えることが大切です。
曖昧な伝え方をすると、「もう少し考えた方が良い」「少し休んだら考えが変わるかもしれない」などと上司から引き止められる可能性があります。
引き止めによって退職が長引くのはあなたにとっても会社にとっても良くないので、退職の意思をはっきりと伝え、引き止められたら「もう決めたことですので」などと決意が揺らがないことを伝えるようにしましょう。
伝える内容
退職理由は「一身上の都合」で通す
退職理由がやむを得ない事情の場合はそのまま伝えても問題ありませんが、「社風があわない」「仕事があわない」「人間関係のトラブル」などが退職理由の場合は「一身上の都合」で通しましょう。
試用期間とはいえ退職は会社や組織にとって痛手なので、やむを得ない退職理由でない限りは引き止められるものです。
執拗に退職理由を聞かれる可能性もありますが、あくまでも一身上の都合で貫き通しましょう。
会社を批判するなどネガティブな内容を伝えない
人間関係で嫌なことがあった場合やブラック企業の場合は不平不満をぶつけたくなるかもしれませんが、会社に残る上司からしたら聞いていて嫌な気持ちになるものです。
おとなしく自己都合とするのは不本意かもしれませんが、トラブルを避けるためにも大人の対応を心がけましょう。
電話で退職の意思を伝えることに関してはきちんと謝罪する
冒頭でもお伝えしたように退職は直接会って伝えるのがマナーなので、電話で退職しようとすると失礼な態度とみなされる可能性があります。
どんな事情であれ直接会って話せないのは事実なので、出社できない現状を説明した上で、電話で退職の意思を伝えることについてきちんと謝罪しましょう。
「出社してほしい」と言われたら出社できない理由を説明する
試用期間中に限らず電話で退職の意思を伝えると、「直接会って話したい」「書類を渡すから出社してほしい」などと、様々な理由を付けて呼び出される可能性があります。
そもそも「出社できない or どうしても出社したくない」から電話で伝えているので、ここで折れずに出社できない理由を丁寧に説明しましょう。
どれだけ伝えても理解し合えない場合は、労働基準監督署や弁護士に相談したり、退職代行に依頼すると良いでしょう。
試用期間中の退職を電話で伝える時の例文
ここからは、前述の注意点を踏まえて、試用期間中の退職を電話で伝える場合の例文を3つご紹介します。
お疲れ様です、○○です。
お忙しいところ恐縮ですが、少しお時間頂けますでしょうか。
急なご連絡で誠に申し訳ありませんが、一身上の都合により退職させていただきたく存じます。
本来であれば出社してお伝えすべきところですが、諸事情により電話でのお伝えとなりました。
誠に申し訳ございません。
退職届や返却物に関しては早急にお送り致しますので、よろしくお願い致します。
お疲れ様です、○○です。
お忙しいところ恐縮ですが、少しだけお時間ください。
急なご連絡となり誠に申し訳ございませんが、かねてから体調不良が続いていて出社もままならない状況になってしまったため、退職させて頂きたく存じます。
本来出社してお伝えすべきところですが、体調不良によりどうしても出社できず、お電話でお伝えいたしました。
大変申し訳ございません。
退職届や返却物に関してはあらためてお送り致しますので、よろしくお願い致します。
お疲れ様です、○○です。
お忙しいところ恐縮ですが、少しお話させて頂けますでしょうか。
急なご連絡となり申し訳ありませんが、急遽父の介護で帰省することになり実家から通勤することも難しいため、退職させていただきたく存じます。
本来であれば出社してお伝えすべきところですが、現在他に介護できる人がいないため電話でのお伝えとなりました。
こちらの都合で誠に申し訳ありません。
退職届や返却物に関しては後日あらためて送付しますので、よろしくお願い致します。
これらはあくまでも一例なので、自分なりにカスタマイズしてみてください。
また、伝えた際には上司に色々と質問される可能性が高いですが、注意点でも触れたように色々と聞かれることを想定して対策をしておけば問題ないでしょう。
試用期間中の退職を電話で伝えた後に行うこと
試用期間中の退職は電話で伝えれば終了というわけではありません。
以下の対応をする必要があるので、それぞれ押さえておきましょう。
- 会社に書類や返却物を送付する
- 会社から各種証明書などを送付してもらう
- 社外の方へ挨拶(可能であれば)
会社に書類や返却物を送付する
電話で退職の意思を伝えたら、以下のような書類や返却物を会社へ送付する必要があります。
- 退職届
- 健康保険証
- 経費精算の書類
- 社員証
- 入館カード
- 制服 など
書類の書き方やフォーマット、詳細な手続きについては会社の規定がある場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
また、退職後も一定期間会社の保険に加入できる「任意継続被保険者制度」を利用する場合は健康保険証の番号が必要になるので、念のためコピーしておくことをおすすめします。
退職届の郵送に関しては以下で詳しく解説しているので、こちらもあわせてご覧ください。
会社から各種証明書などを送付してもらう
自分から会社へ送付するだけでなく、以下のように会社から送付してもらうものもあります。
- 健康保険被保険者資格喪失証明書
- 厚生年金基金加入証明書
- 源泉徴収票
- 年金手帳
- 離職票
- 退職証明書(申請した場合のみ)
基本的にはまとめて送付される場合が多いですが、企業によっては担当する部署毎に送付される場合もあるので頭に入れておきましょう。
企業によっては、各種証明書を送ってもらえなかったり発行してもらえないケースもあるようです。
基本的には会社に送付や発行を求めることとなりますが、対応が見込めない場合は以下のように然るべきところへ相談することをおすすめします。
- 健康保険、厚生年金の証明書:社会保険事務所
- 源泉徴収票:税務署
- 離職票:会社所在地を管轄するハローワーク
社外の方へ挨拶できるとなお良し
必須ではありませんが、仕事で関わりのあった社外の方へ挨拶できるとなお良いです。
何の挨拶もなくいきなり担当者が変わるのは、あまり良い気がしませんよね。
後任の方がスムーズに仕事に取り組めるようにするためにも、社外の方に退職の挨拶をしておきましょう。
本来であれば新しい担当者とともに直接伺って挨拶するのがマナーですが、電話で退職する場合にはそうはいかないと思うので、メールだけでも送るようにしましょう。
■ ■ ■ ■ ■
ここまでは、試用期間中に電話で退職する場合にフォーカスしてお伝えしてきましたが、「電話で退職の話をするのが気まずい」「引き止められそうで電話をかけられない」という方もいるかと思います。
次のセクションでは、そのような方へ向けて「試用期間中の退職を電話以外で行う方法」をご紹介します。
どうしても電話できない時の退職方法
試用期間中の退職をどうしても電話で伝えられない場合には、以下の退職方法があります。
- 退職代行を利用する
- 内容証明郵便を利用する
- メールで退職の意思を伝える
それぞれ解説します。
退職代行を利用する
退職代行とは、依頼者に代わって退職の交渉や手続きなどを行ってくれるサービス。
最近では退職代行を利用して退職する人が増えており、特に以下のような状況の方が利用しているようです。
- 上司が怖くて話せない
- 上司が取り合ってくれない
- もう会社に行きたくない
- 強引に引き止められている
- 気まずいので代わりに対応してほしい
- 退職の仕方が分からない
費用はかかってしまいますが、確実に試用期間中に退職したい方におすすめです。
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内容証明郵便を利用する
退職届を内容証明郵便で送ることにより、退職の意思を伝えることもできます。
ただし、内容証明郵便を利用する際には以下に気を付けましょう。
- 内容証明郵便で配送の履歴を残す
- 権限がある人に送付する(上司や人事)
- 退職願ではなく退職届を送付する
- 退職届には退職日を明記する
メールで退職の意思を伝える
メールで退職の意思を伝えることも可能です。
ただし、電話で退職の意思を伝えるよりもさらに印象が悪いので、メールで伝えることになった理由や謝罪を伝えるようにしましょう。
試用期間中に退職すると転職が不利になるデメリットも
試用期間中に退職した方の多くは転職するかと思いますが、試用期間中の退職は「早期退職」とみなされるため、転職活動が不利になってしまう場合が多いです。
これまでに華やかな経歴がある場合や資格やスキルを保有していれば問題ない可能性もありますが、やはり早期退職はあまり良い印象がないので、面接などの選考対策を十分に行っていく必要があります。
自力でも選考対策は可能ですが、より確実に効率的に結果につなげたいなら「転職エージェント」の活用をおすすめします。
転職エージェントは企業と求職者のマッチングをしてくれるサービスで、転職活動の相談や選考対策を無料で行ってくれます。
転職活動に関するノウハウが蓄積されており、試用期間中の退職で転職が不利な状況でも内定へつながるように的確なアドバイスをしてくれるので、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
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試用期間中の退職は電話でできるが伝え方に気を付けよう
当記事では、試用期間中の退職を電話1本でできるのか気になっている方へ向けて、「退職の意思を電話で伝えて良いのか」「電話で伝える場合の注意点」などをご紹介してきました。
基本的に試用期間中の退職は面と向かって伝えるのがマナーですが、以下のようなケースでは例外的に電話で伝えることも可能です。
- 心身ともに不調で出社できない
- ケガや入院で出社できない
- 家族の介護や看護で出社できない
退職の意思を電話で伝える際には相手の立場や状況に気を配り、あくまでも自分に非があるという姿勢で伝えるようにしましょう。
「電話でどれだけ伝えても退職の話が進まない」「電話で伝えるのが辛い」といった場合には、退職代行などの別の方法を活用するのもおすすめ。
いずれの方法にしても、出社できないことに関してはきちんと謝罪し、退職の意思を伝えるようにしましょう。