既卒の就活は、新卒の就活よりも一般的に不利な状況にあるのは間違いありません。
そのため新卒の就職活動以上にしっかりと準備をし、面接において想定される質問に対しても回答を用意しておく必要があります。
既卒者が就活の面接を受ける際にどんな質問をされるか、それに対してどのように回答すればいいか、よくある質問に対する考え方と回答例をお知らせしていきます。
嘘をついて内定をもらっても入社後に苦しむだけですので、こちらの解説を踏まえたうえで自己分析を行い、適切な答えができるようになっておきましょう。
既卒就活の面接でも、当然のことながら外見(清潔感などの第一印象)や振る舞いはチェックされています。
当記事では面接における質問および回答例だけでなく、回答内容以外に面接官がチェックしている内容もあわせてお知らせします。
もし想定問答も含め面接に自信がない場合は、無料で利用できる既卒者向けの就職エージェントに登録して相談してみてはいかがでしょうか?
就職エージェントを利用すれば内定をもらえる確率もグンとあがるのでおすすめです。
企業が就活面接で本当に知りたいことについて
就活面接では、あなたが入社した後に本当に活躍してくれるのか、長く働いてくれるのかを知りたくて質問をしてきます。
極端に言うと、あなたが今何をしているかは重要ではありません。
あなたが過去直面した様々な場面でどう考えどう行動してきたか、将来どうしていきたいのか、これらを知ることで、入社後の姿と重ね合わせ、仕事をうまくこなして会社に貢献してくれるだろうとイメージできれば、企業も内定を出してくれます。
変に格好つけずに自分と向き合った結果導き出した答えを伝えられると良いでしょう。
既卒の就活面接における質問と回答例
既卒就活の面接時に聞かれるであろう想定質問をまず列挙して、その後、それらに対してどう準備をすればいいかを解説していきます。
面接における質問
こちらでは、既卒者が面接でよく聞かれるであろう質問をピックアップしました。
個々の事情によってこれら以外の質問も当然されますので、自己分析は怠らないようにしましょう。
- なぜ新卒で就職しなかったのですか?
- 卒業から今まで何をしていましたか?
- 既卒から正社員になろうとした理由
- 自己紹介・自己PR
- 自分の長所・短所
- 成功経験・失敗経験
- 志望動機
- 今まで経験してきたことを通じて当社にどのように貢献できますか?
- キャリアプラン
- 当社以外に受けている企業はありますか?
- 逆質問(最後に何かありますか?)
各質問への考え方と回答例
ここからは、上記質問を似た質問ごとにグルーピングし、どう考えて回答を作ったらいいかを解説していきます。
- なぜ新卒で就職しなかったのですか?
- 卒業から今まで何をしていましたか?
- 既卒から正社員になろうとした理由
これら3つは既卒者に特有の質問ですが、一連の会話の中で聞かれるので、セットで回答を用意して、質問内容に応じて切り出して答えられるようにすると良いでしょう。
既卒で就活する人は
この4つのパターンのどれかに当てはまるのではないでしょうか?
それぞれのパターンごとに詳しく解説していきます。
怪我や家庭の事情などで就活できなかった場合
怪我や家庭の事情の場合は、物理的に就活ができなったこと、現在は全く問題なく就業できること、この2点をしっかり伝えられれば十分です。
回答例
〇〇が原因で就職活動の時期にあまり動くことができず、就職と卒業どちらも中途半端になりそうだったので、大学4年時は卒論などの学業に専念することを決め、就活は1年見送ることにしました。
現在は〇〇も大丈夫になりましたので、就職後は支障なく働くことができます。
別の目的があり就活しなかった場合
公務員や士業の試験勉強、語学留学、ワーホリ、起業準備、その他独自の活動をして就活しなかった場合、その動機について説明できるようにしておきましょう。
★目的が達成された場合
その目的が達成されたのであれば、その目標達成により企業にどのようなメリットがあるのかまで伝えられると完璧です。
新卒で就活する学生よりも専門的知識があったり、異種環境での経験を経ていることは、多様な人材やスペシャリストを採用したいと考えている企業が欲しい人材であることは間違いありません。
回答例①
経理財務のスペシャリストとして企業経営に携わりたいと考え公認会計士の資格取得を優先した結果、在学中に就職活動をしませんでした。
直近の試験で全科目合格できましたので、就職活動を開始しています。現在はインターン(アルバイト)で〇〇にて経理・財務の実務経験を積んでいます。
回答例②
今後日本の人口が少なくなっていくなかで、海外の市場に目を向けたビジネスに関わる機会が増えていくと考える一方で、自分自身の語学力がビジネスで通用するレベルではないと痛感していたので、1年間語学留学をしてきました。
その結果TOEIC〇点を取得しているだけでなく、実践的なコミュニケーション能力も身につけることができたと自信を持っていますし、現在も語学力の維持および向上のために〇〇を日常的に実践するようにしています。
★活動を途中で断念した場合
すでに活動を断念している場合には、なぜ断念したのかを説明できるようにしておきましょう。
企業としては断念したと言いつつ継続されるのが一番困りますし、コロコロ気が変わる性格なのであれば、就職しても続かないのではないかと不安になりますので、その不安を打ち消す説明ができるようになっておきましょう。
回答例
親の了解と支援のもと、卒業後もう1年頑張ってみると決めて始めて、それでも目的を達成できなかったのであきらめました。
働きながらチャレンジするという選択肢は、かかる時間と労力を考えると、就業とチャレンジでどちらも中途半端になる可能性が高いので、組織の中で働くことに専念することで社会の役に立っていきたいと思います。
★活動を継続する場合
就職活動と並行してこれまでの活動を継続する場合、それが会社にとってプラスに働くことが伝えられると企業は採用しやすくなります。
逆に活動を継続して、その目的が達成されたときに内定辞退、もしくは入社後に退職されてしまう可能性が高いと予測できる場合、企業側は積極的に採用しづらいので、活動継続と会社勤めのつじつまが合わないならば、あえて続けると言わないほうが良いでしょう。
就活したが失敗してしまった場合
前年までの就活がうまくいかなかったことを正直に伝えましょう。
その上でどうして失敗してしまったのか、大学4年時に就職が決まらなかった後にどのようなアクションを起こして失敗した部分を埋めようとしてきたのか、大学4年時の就活よりも今回の就活がどう改善されているのかを説明できるとよいでしょう。
ここでのポイントは、就活がうまくいかなかった理由を他人や環境のせいにしたり、取り繕ったりすると、言い訳じみて聞こえてしまい、それがかえってマイナスの印象を与えてしまうということです。
そのため、それまでの就活で自身に足らなかった点を分析して、しっかりかつ手短に反省しつつも、その後の自己分析やOB訪問、業界分析、企業研究などを通じて自分のやりたいことが明確になったということを伝えられるといいでしょう。
回答例
昨年は就活しているなかで私が入社を希望している企業から内定をもらえなかったため、今年も就活することにしました。
内定をもらえなかった理由は、業界を絞りすぎて視野が狭くなり、幅広くアプローチできなかったことに加え、自己分析と情報収集が不足して、自分のやりたいことが明確でなかったこと、と考えています。
そのため昨年の就活後、数社のインターンを経験し、OB訪問を数多く行いながら自分の長所や短所、適性などを深堀りし、企業研究・職種調査などを実施しました。そのうえでどのようなキャリアを築いていきたいかを明確にしたうえで、今年の就活に臨んでいます。
新卒時の就活失敗が例え本当に他人や環境のせいだとしても、面接時の回答は自分の至らなかった点に焦点を当てるべきです。
その理由は、仕事をしていくうえで自分がコントロールできないものがあるのはよくある状況であり、企業は様々な制約のもと、目の前の状況をどう改善したらうまくいくのかを考え、行動できる人を求めているからです。
なんとなく就職しなかった場合
就活する目的を見いだせず、なんとなくフリーターになってしまった人は、今までの行動を反省し、なぜ就職をしようと思ったのかを説明しましょう。「就職しないとまずいなと思って」、「周囲の目が気になって(親に言われて)」、「就職して何かを成し遂げたいという理由が浮かばない」など、就職する意義が見つからないという人は、既卒者向けの就職エージェントに相談して自己分析から徹底的にやっていくことをおすすめします。
自己紹介では、高校・大学で何を勉強し、どのような課外活動に関わっているかを説明します。
ゼミ、資格試験、部活、サークル、アルバイト、インターンなどがあるでしょう。
自己PRは、高校・大学での学校生活、課外活動を通じて、どのようなことを学び、どのようなことを実現してきたのか、複数人での活動に関わっていた場合は、どのような役割を果たしていたのかを説明します。
説明する際には、あなたが入社後にどのように活躍してくれるのかを面接官がイメージしやすくなるような視点で語ることが必要です。
※個人によって回答内容が異なるため回答例は控えます。
過去のエピソードを交えつつ伝えます。
自分を採用したら、こういう良い点がありますよ、こういう悪い点がありますが、このようにカバーできますよ、とアピールして、その企業があなたを採用したときにメリットがあることを理解してもらうために話すものです。
長所は仕事の場でも役立ちそうなポイントを披露するのが良いでしょう。
短所はあるものの、それがあるためにこういう良い点もあると言えるものを用意しておきましょう。
回答例
×「性格が明るい」
〇「社交的で接点のない二人の共通点を見つけてよく紹介したりしています」
×「動きが遅い」
〇「コツコツ慎重にやるタイプなのでスピードは遅いですが、仕事の正確さはアピールできます」
あなたがコツコツ仕事をするタイプなのか、コミュニケーションを取ってチームを和ませるタイプなのか、何かを企画して形を作っていくのが好きなのか、リーダーをサポートするタイプなのか、リードしてチームをまとめるタイプなのか、などなど、あなたが入社後にどのように活躍してくれるか、面接官がイメージするためにある質問です。
この質問において、過去のエピソードが成功したか失敗したかは関係なく、例え失敗してもそこから何を学んであなたがどう変わったのかが言えれば問題ありません。
あなたが今まで生きてきた中で、どのような問題に直面し、それに対してどのように対処してきたか、状況を改善するためにどのような行動を起こしてきたかが問われています。
学校生活、サークル・部活動、家庭環境など、どんな状況でも良いので、自身が状況を打開し改善、目的達成に一役買ったエピソードがあるといいでしょう。
決して派手な成果でなくてよいので、なるべく直近で自分に良い変化が起きた、もしくは教訓が得られたエピソードが述べられると良いでしょう。
※個人によって回答内容が異なるため回答例は控えます。
志望動機を作る際には徹底的な自己分析と業界研究・企業研究が必要となってきます。
それらを実施して、自分自身と業界・企業との接点を多く見つけられれば良い志望動機につながります。
その企業は同じ業界の他社と比べて何が得意で、何に力を入れようとしているのか、その企業がどう魅力的であるのか、自分がそれらのポイントにどのように共感して興味を持ったのかを、過去の自分の経験と重ね合わせて述べられるようにしましょう。
逆に「給料がいいから」「福利厚生がいいから」「休みが多いから」「残業が少ないから」など、働く目的とは全く関係ないことを志望動機にあげると高い確率で内定をもらえないので十分注意しましょう。
※個人によって回答内容が異なるため回答例は控えます。
あなたが得意とするもの、他の人とのかかわりにおいて喜んでもらった経験、グループの中で果たしてきた役割を、エピソードを交えて話し、あなたを採用するメリットがあることを理解してもらいましょう。
自分の強みや経験が、入社後にどう活きるのか、どう貢献できるのかを言えることができれば満点の志望動機と言えますが、これはOB訪問をして、実際の仕事がどう動いているのかを詳しく聞いたうえで、どの会社にも当てはまるような形でいくつか回答のパターンを用意しておくのが良いでしょう。
※個人によって回答内容が異なるため回答例は控えます。
5年後10年後のキャリアプランまでイメージして志望動機が言える人は、先を見通して行動を起こせる人材と考えられるので、面接官の印象は非常に良くなります。
もちろん5年後10年後が必ずそうなっている確率は高くはないでしょう。
しかしOB訪問や企業研究を通じて、自身がどのように成長していくのかを自分なりにイメージできる力は、企業の業績をどのように伸ばしていくのかを考えることにも通じるものがあります。
キャリアプランと企業の目指すものが一致するようであれば面接においてもプラス評価が得られるはずです。
※個人によって回答内容が異なるため回答例は控えます。
他に受けている企業があれば正直に答えて良いでしょう。
ただし「当社の志望順位は何位ですか?」という質問に対しては、「御社が第一志望です」と答えるようにしましょう。
もし他社から内定が出て他社に行くことになった時にその点を突かれたら、「面接を受けた時には御社が第一志望だったのですが、他社の面接も受けていく中でそれぞれの会社の内容がわかってきて、就職を決めた会社に勤めることが自分にとって最善の選択になると考えた」と伝えれば何も問題はありません。
回答例①
他社の求人にも応募しています。書類審査中が○社と面接予定が〇社です。
御社が第一志望のため、内定をいただいた際には御社に入社するつもりです。
回答例②:内定が出た時に、他にまだ希望する会社の面接などが進行中の場合
内定をいただきありがとうございます。
家族とも相談をして最終的に決定したいと思いますので、2、3日(もしくは週明けまで)お待ちいただけますか?
⇒基本的に社内で内定を出すと決定した後に、求職者側に何か事件・事故などのトラブルがない限り、会社側から内定を取り消すことはありえないので、上記回答を伝えてOKです。
逆質問では良い質問をすると面接官に入社意向が強い印象を与え、同じレベルの求人応募者よりも内定が出やすくなります。
こちらでは面接官の印象が良くなる一方で、ご自身がより入社後の働き方をイメージするのに役立つ2つの逆質問を例に挙げます。
回答例①
入社後はどのような部署に配属されるのでしょうか?
あなたが入社したらどのような部署に配属されることになるのかを聞くと良いでしょう。
会社によっては現場や営業など、新入社員が担当する職種があらかじめ決まっている場合がありますし、全く決まっていない場合もあります。
希望する部署で働ける可能性なども聞いておくと、入社後の配属部署と自身のキャリアプランとのアンマッチへの納得感、他社での実現可能性などとも比較できるので内定を受けるかどうかの材料にできます。
回答例②
〇〇さんがどのようなキャリアを歩んできたのか、今後どのようなキャリアプランをお持ちなのかお聞かせ頂けますでしょうか?
面接官がどのようなキャリアを歩んできたのか、今後どのようなキャリアプランを持っているのかを聞いてみるのも良いでしょう。
その時の回答からその会社に入社後の自身の姿や将来の姿を重ねることができれば、より入社の意志を強くすることができるでしょう。
面接で既卒者がチェックされるポイント
面接で想定される質問に対する回答の内容だけでなく、ビジネスマナーがしっかりしているかも同じくらい重要なポイントです。
身だしなみ
- 清潔感のある髪型(地毛が好ましい)
- プレスのかかったスーツとシャツ
- スーツの色は紺に近い色
- シャツは下地が白、太めのストライプはNG
- 靴下は紺に近い色
- 靴はしっかり磨いておく
>>既卒面接におけるスーツを初めとした身だしなみの整え方をイラスト付きで紹介
言葉づかい
- 面接官と対面したときに元気にハキハキとあいさつする
- 丁寧語を使い、馴れ馴れしい言葉遣いは使わない
- 常に謙虚に、上から目線でモノを言わない
>>ビジネスシーンで使うべき敬語表現・言葉遣いのまとめ
※現在記事作成中です。公開までしばらくお待ちください。
態度
- 椅子には半分くらい腰かけて背筋を伸ばしアゴを引く
- 目線は面接官の眼を見るのが好ましいが、鼻あたりを見ると緊張しない
- 自分という商品を使ってもらうために営業をかけていると思うとちょうどよい
面接時のビジネスマナーは入社後も社外の方とやり取りをする際に必要とされるもの。
社外の人に会わせられないような人は採用できないと考えるのは当然です。
どういう人をイメージしたらいいの?と思う人は、銀行の窓口にいる女性をイメージしてみてください。
落ち着いた服装で、表情が柔らか、言葉遣いを初めとした対応も丁寧、と、すべてを参考にできます。
既卒の就活面接の質問対策は万全を期して
既卒で就活することになった理由は人それぞれですし、それまでの人生の道のりも千差万別。
就活面接の質問に対して誰にでも当てはまる回答というのはありません。
ノートに書き込みながら一人で自己分析するのも大切ですが、限られた時間で最高の準備をして希望企業から内定をもらいたいなら、無料で利用できる就職エージェントを最大限活用するのが効率的でおすすめです。
自分の過去の経験と志望動機とどう結びつけるのか、企業に貢献できる自分の長所は何かを就職エージェントと対話しながら浮き彫りにすることで、応募企業の面接官にも納得してもらえる回答を準備することができるでしょう。