初めての転職に不安はつきもの。
どうやって転職活動を進めていけばいいのか、初めての転職は右も左も分からず途方に暮れますよね。正しい転職活動の進め方を知らないまま転職活動をすると失敗するかもしれません。
当記事では、初めての転職を成功させる正しい転職活動の進め方をご紹介します。転職に失敗しない方法を理解し、初めての転職を成功に導くための一歩を踏み出しましょう。
初めての転職前に考え直すこと
転職活動の進め方を見る前に、初めての転職前に考え直したほうがいいポイントが３つあります。本当に転職の必要があるのか、転職がベストな手段なのか焦らずしっかり見つめ直しましょう。
自分の現状を再確認する
自分の現状をきちんと把握しましょう。そう言われても「どういう意味？」「どうやって把握するの？」と思いますよね。言い換えれば、自分の現状を把握する＝自分の市場価値を知るということ。
自分が社会からどれほど求められているか、必要とされているかを再確認することが大切です。自分が持っているスキルの価値を知ることは、初めての転職に大いに役立つでしょう。
では一体、どうやって自分の市場価値を確認できるのか。「難しそう」「大変そうで自分にはできない」と思ったかもしれませんが、そんな心配はいりません。
自分の市場価値を知る方法は２つあります。
１つが【ミイダス】という転職アプリ。およそ５分もあれば調べられます。ミイダスの注意点と活用方法を以下の記事にてまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
もう１つはリクナビNEXTの【グッドポイント診断】です。注意点はリクナビNEXT会員登録が必要なこと、所要時間が約30分と長いことです。しかし、18種類の中から自分に当てはまる強みを５つ詳しく教えてくれるので書類作成や面接時にも活かせます。
転職の目的を明確にする
なぜ転職するのかという目的をハッキリさせることが重要です。
転職を考え始めたきっかけがありますよね。例えば給与や労働環境に不満がある場合、人間関係や仕事内容に不満がある場合など人によって様々。なぜ不満に感じたのか気持ちを整理しましょう。
転職が目標になっていないか、転職することで何を実現したいのか明確にすることが大切です。転職の目的をうやむやにしたまま転職活動をしても上手くいきません。
転職できたとしても、また同じように転職したいと思う可能性が高いでしょう。転職は、あくまでも自分が人生で実現したいことを掴むための手段ということを忘れないでください。
キャリアプランを見直す
いまや有名企業や大きな会社だからと言って安泰ではありません。だからこそ、キャリアプランを見直すことは必要不可欠です。５年後、10年後、20年後どういう自分で在りたいかしっかり考えましょう。
キャリアプランを見直すことで、今の自分とのギャップを認識できます。そのギャップを理解すれば、将来自分が理想とする姿を手に入れるために今からどうすればいいのか、自分ができることに気づくきっかけにもなります。
キャリアプランを描いたうえで、これからどうやって経歴を積み上げていくか考えましょう。
転職活動の進め方・流れ
初めての転職前に考え直すポイントが分かりましたね。それでは早速、本題である転職活動の進め方・流れを見ていきましょう。
平均的な転職活動期間は？
画像引用：doda(デューダ)
転職活動期間は、人によって変わるため一概には言えません。しかしながら、一般的に転職活動にかかる期間は３ヶ月程度と言われています。
もちろん３ヶ月より早く決まる人もいれば、半年～１年かかる人も。そのため、転職はすぐに決まると安易に考えず転職活動のスケジュールを考える必要があります。
転職活動は現職を辞める前？辞めた後？
実際に転職活動するとなった場合、転職活動は今の職場を辞める前から始めたほうがいいのか、辞めた後で始めるほうがいいのか迷う人もいるでしょう。それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
在職中に転職するメリット・デメリット
在職中に転職するメリットは、下記の通りです。
・妥協せず希望条件に合う求人をじっくり探せる
・もし転職先が決まらなかったら現職に勤め続けることもできる
・退職を伝えるときに、転職先が決まっているので退職を阻止されにくい
・転職に伴う保険や税金などの手続きを自分でしなくていい
在職中に転職するデメリットは、下記の通りです。
・面接対策や情報収集の時間が限られ、面接時間の調整もしづらい
・転職に役立つ資格やスキルを習得する時間を作るのが難しい
・早期入社を望む企業に応募する場合は不利になることもある
・退職の手続きや引継ぎを短期間で行うと心身ともに疲労する
在職中に転職活動をすれば、収入が途切れないので経済的な不安がありません。これは、とても大きなメリットだと言えるでしょう。
一方で、仕事をしながらの転職活動がハードなことは否めません。勤めている会社の仕事もきちんとこなし転職活動にも注力するためには、強い精神力と体力が必要です。
退職後に転職するメリット・デメリット
退職後に転職するメリットは、下記の通りです。
・同時進行によるストレスがないので転職活動に集中できる
・企業や業界の情報収集を行う時間がたっぷりある
・転職で有利になる資格やスキルを習得する時間がある
・失業手当や早期再就職支援などを受けることも可能
退職後に転職するデメリットは、下記の通りです。
・転職活動が思うように進まないと焦って妥協しやすい
・不採用になった時の精神的ストレスが大きい
・離職期間が長くなると企業から不審に思われる
・前職がよかったと思っても戻ることは難しい
仕事の探し方は？
ここでは、仕事の探し方について見ていきましょう。
応募企業を選ぶ基準
学生時代に行った就職活動では、「知名度が高い」「何となく興味がある」といった理由で企業を選んだ人が多いかもしれません。
しかし、転職活動は就職活動とは全く異なります。今の職場環境で実現できないことを実現するために行うもの。今の環境で自分の力だけでは手に入らないものが手に入る企業に応募することを忘れないでください。
例えばワーク・ライフバランスを手に入れたいのであれば、福利厚生や育児休暇、夏季休暇などの休暇制度、リモートワークの可否など詳しく調べましょう。
また、企業がどのような人材を求めているのか把握する必要があります。自分のスキルは求人内容と合っているのか、足りなくても応募することは可能なのか確認しましょう。
求人情報の見方・読み方
初めての転職の場合、求人情報の見方や読み方が難しく感じるかもしれません。求人情報を正しく理解することが大切です。
求人情報の見方・読み方について以下の記事にてまとめていますので、参考にしてください。
＞＞求人情報の見方・読み方の記事はこちら
履歴書作成のポイント
履歴書は、選考過程で最初に見られる資料。名前や住所、学歴や職歴など自身の状況を記したもので選考において非常に重要です。履歴書を作成するにあたりポイントが３つあります。
学歴と職歴について
学歴欄の義務教育は、卒業年次のみを記載しましょう。高等学校以上に関しては、入学・卒業年次を記載します。その際、学校名や学部・学科は正式名称で記載してください。
職歴は、今まで働いたことのある会社の入退社歴を記載します。たとえ１ヶ月や半年といった短い期間しか働いていない会社があったとしても、全て記載してください。職歴の最後には、右下に「以上」を記載することを忘れないようにしましょう。
志望動機について
志望動機は、企業が履歴書で最も重要視する項目と言えるでしょう。面接で直接話を聞きたいと思ってもらえる志望動機を記載する必要があります。
企業としては、会社に適する人材なのかという観点で応募者を見ています。入社への想いの強さはもちろんのこと、なぜその会社なのか、長く働く意思の強さを具体的に記載するといいでしょう。
自己PRについて
自分の強みや自信のあることを記載するのが自己PRですが、単純にそれらを記載すればいいわけではありません。自分が強みだと思っていることが、その会社にとっては関係ないこともあります。
その会社で必要とされるスキルや知識などを徹底的に分析し、それに合った自分の強みを導き出しましょう。自分の強みをどう活かせるか、過去の実績や自分の強みに関する体験・経験を積極的かつ具体的に記載しましょう。
職務経歴書作成のポイント
職務経歴書は、今まで携わってきた仕事について紹介するとともに自分に何ができるのかをアピールする資料。職務経歴書も履歴書と同じくらい重要です。職務経歴書を作成するにあたり、ポイントが３つあります。
職務経歴
会社名・在籍期間・会社概要・所属部署や役職・職務内容・実績を記載しましょう。職務内容と実績については詳しく記載し、希望する企業に今までやってきたことや実績がどう活かせるかアピールすることが大切です。
知識・スキルのPR
今まで経験してきた仕事や勉強を振り返り、希望する企業で活かせそうな知識やスキルをピックアップし記載しましょう。長文になると読みづらいので簡潔に記載することがポイントです。
もしも知識やスキルが複数ある場合には、最もアピールしたいもの、自信があるものを最初に記載しましょう。最初に記載することで目に留まりやすくなります。
資格・免許
求人内容に必要な資格や免許についての記載が特になかったとしても、保有している資格や免許は積極的に記載するようにしましょう。
持っている資格や免許は希望する企業にあまり関係がないと自分では思っていても、企業にとっては好印象となることもあります。
求人に応募
少しでも興味・関心を持った求人があれば、悩まずに応募しましょう。応募した後で、違うなと感じたらやめることもできます。「あの時、あの求人に応募しておけばよかった」と後悔しないように、積極的に応募してください。
面接
応募書類通過後、ついに面接です。企業によって面接回数は異なりますが、２～３回ほど行われます。やはり面接は緊張するもの。事前に面接対策をしてから挑みましょう。
内定
最終面接に合格すれば、晴れて内定となります。しかし、そのまま内定を承諾するのは待ってください。内定承諾の前に踏むべき段階があります。
「労働条件通知書」の確認
労働条件通知書とは、企業と労働者が契約を結ぶときに、企業が労働者に必ず提示しなければならない書類です。入社手続きの際に受け取ることになります。
どういう条件で採用されるのか確認する書面であり、求人情報に書かれている条件と違うこともありえます。相違がないか必ず確認し、疑問点があれば企業に質問しましょう。
選考中の他社と比較
もし他にも内定をもらっている企業があるなら、比較検討しましょう。どの企業なら人生で自分が実現したいことが叶うのか、自分にとってベストであるのか、とことん向き合いましょう。
まだ内定が出ていないけれど選考中で入社したいと思う企業があるなら、併せて比較検討してください。内定を蹴ってでも選考中の企業を選択する場合は、リスクがあることもわきまえておきましょう。
比較検討できるのはこれが最終段階です。冷静に判断し、自分を信じて取捨選択をしてください。
内定承諾・辞退
最後に、内定を承諾するか辞退するか答えを出します。内定承諾もしくは辞退の回答期限は、会社によって異なります。平均すると、内定通知から１週間が回答期限になります。
会社によっては回答期限を設けていなかったり、回答期限が極端に長かったりすることもありえます。ただし、マナーとして１週間以内に回答するようにしましょう。
退職～円満退職に向けた手続き～
内定承諾後、退職手続きとなります。立つ鳥跡を濁さずという言葉があるように、円満退職をしたいですよね。
退職手続きの正しい流れを以下の記事にてまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
初めての転職で失敗するポイントと事前対策
初めての転職にあたり、つい失敗しがちなポイントがあります。失敗するポイントと併せて、初めての転職で失敗しないための事前対策をご紹介します。
退職後に転職活動を行い離職期間が長くなる
すぐに転職先が決まると思い込み退職後に転職活動を開始したものの、なかなか転職先が決まらないパターン。何が起こるか分からないのが転職活動です。
離職期間が長くなればなるほど、選考で不利になることもあります。転職活動のスケジュールを念入りに計画することが大切です。
就活時の会社選びの失敗を活かさない
現職に不満を抱き転職に踏み切るということは、就活時の会社選びに失敗していると言えます。にもかかわらず、何が失敗だったのか、どうすればよかったのか多角的に考え反省することを怠ればまた失敗するでしょう。
会社や上司といった周りの環境のせいにする他責思考では、転職先でも上手くいきません。自責思考で物事をとらえ、失敗の要因を分析し改善する努力を忘れないでください。
書類作成に時間をかけすぎる
履歴書や職務経歴書の作成に時間をかけすぎて、企業研究や情報収集、自己分析や面接対策が疎かになってしまうパターンです。
応募書類を丁寧に作成する心がけは素晴らしいことです。しかし、履歴書や職務経歴書には簡潔かつ必要最低限のことだけを書きましょう。また、職務経歴書に関しては１つ作成すれば同じ書面で他の企業にも使用できます。
物理的に無理な求人に応募する
20代では未経験でもポテンシャル採用がありえます。しかし30代を過ぎてくると中途採用に求められるのは「即戦力」です。
もちろん、未経験でも応募可能な企業もあります。しかし、転職を希望する企業に見合うスキルや知識、実績がなければ転職が難しいことも事実です。
そうとは知らず、物理的に無理な求人にどんどん応募し内定をもらえず落ち込む人も多いようです。今の自分にできることを理解したうえで求人に応募しましょう。
たくさんの求人に応募・応募企業を絞り込みすぎる
がむしゃらにたくさんの求人に応募すればいいというものではありません。短期間で大量に面接を詰め込んだ場合、どの企業に対しても準備不足となり最高のパフォーマンスが発揮できないでしょう。
反対に応募する企業を絞り込みすぎてしまうと、選考に通過する確率も低くなり転職が難しくなります。視野を広げて応募する企業を増やすことも大切です。
何事も「過ぎる」のはよくありません。働きながら転職活動をする場合は時間が足りないため、一度に求人へ応募する数は５社程度にしておきましょう。
書類選考で通らずに落ち込む
初めての転職にあたり、つまずく人が多い書類選考。書類選考で何度も落とされてしまうと不安になり落ち込みますよね。
応募者が多くて埋もれてしまったり、応募書類のアピールが足りていないこともあります。どうすれば企業にプラスになることを提示できるか、相手に伝わるのかを考え書類を都度修正しましょう。
内定の回答期限が短いことを知らない
初めての転職の場合、内定通知に対する回答に期限があることを知らない人も多いようです。内定をもらったら回答期限を必ず確認しましょう。
一般的に、回答期限は１週間以内に設定している企業が多いようです。回答期限が過ぎて後の祭りにならないこと、そして内定通知をくれた企業に対して誠意ある対応を心がけましょう。
初めての転職を成功させる方法
初めての転職に失敗するポイントと事前対策が分かりましたね。ここでは、初めての転職を成功させる方法を見ていきましょう。
転職活動前の徹底的な事前準備
転職活動において、何よりも大切なこと。それは、転職活動前の徹底的な事前準備に外なりません。どんな事前準備が必要なのか。初めての転職を成功させるための事前準備を４つご紹介します。
自己分析・キャリアの棚卸し
自己分析により、今の自分を形成している思考や価値観、強みや弱み、能力や性質を理解することが大切です。しっかり自己分析ができていれば、自己PRや志望動機の質を上げることにつながります。また、面接を突破し内定をもらうためにも必要になります。
キャリアの棚卸しとは、社会人になってから現在までの経験や実績を振り返り、自分が評価されてきたポイントをあぶりだすこと。そうすることで自分に何ができるのか分かり、夢や目標を叶えるためにするべきことも見えてきます。
転職活動のスケジュールを立てる
転職活動のスケジューリングは重要です。仕事をしながら転職活動を進めるのであれば、なおさらのこと。面接日時の調整ができずにチャンスを棒に振ることになったら後悔しますよね。
中途採用は常に募集がありますが、人気のある企業が求人サイトに掲載されるとすぐに募集が締め切られることも。スピード感をもって転職活動に取り組まなければなりません。
転職活動を始める前に退職する時期の目途を立て、そこから逆算してスケジュールを組み立てます。今の業務に繁忙期がある場合、その時期は避けたほうがいいです。もし引き受けた任務がある場合は区切りがつきそうな時期を選び調整しましょう。
業界・企業の情報収集
転職を志望する業界や企業の情報収集を徹底的に行いましょう。業界を調査することで、転職を志望する企業の競合他社についても知ることができ理解が深まります。
企業の情報を収集し研究することは、転職後のミスマッチを防ぐことにつながります。「こんなはずじゃなかった」と初めての転職が失敗に終わらないように、徹底的に業界・企業の情報収集をしましょう。
転職サービスに登録
様々な種類の転職サービスがありますね。ひとくくりに転職サービスといっても、転職エージェントと転職サイトでは内容が異なります。
初めての転職の場合は「どの転職サービスに登録すればいいの？」「自分に合う転職エージェント・転職サイトはどこ？」と混乱するかもしれません。
適切な転職サービスを利用して、効率よく転職活動を始めたいですよね。おすすめの転職エージェントと転職サイトを以下の記事にてまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
転職活動を始める前から備えるべきポイント
転職活動を今すぐに始める予定がない人も「ステップアップしたい」「キャリアチェンジしたい」と頭に浮かぶようになったら、着実に準備しておくことが大切。
今後、どこかのタイミングで転職するにあたり備えるべきポイントを５つご紹介します。
毎日求人情報を集める時間をつくる
毎日、５～10分は求人情報を見る時間を確保しましょう。求人情報を集めて気になる求人のリサーチをしてください。その会社のHPを穴が開くほど見ることが大切です。
多くの求人情報を見るうちに必要な能力が分かるようになります。すると今の仕事のやり方を見直すことができ、結果として現職の評価も上がるというわけです。
毎日少しの時間でも求人情報にアンテナを張っておけば、「この会社に転職して自分の目標を実現したい」と思う会社に巡り合う確率が上がるでしょう。
転職に役立つ仕事は率先して引き受ける
転職の二文字が頭に浮かぶと、今勤めている会社の仕事にやる気が出なくなってしまうもの。しかし、いずれ転職するかもしれないからこそ現職の業務に最大限の力を注ぐ必要があります。
転職に役立つと感じる仕事は、自ら積極的に引き受けましょう。転職活動を始めたときに「あの時、頑張ってよかった」と思う瞬間があるはずです。
スキルを磨く
どのような企業からも求められる人材になるためにスキルを磨きましょう。転職の選考過程では、どんなスキルを持っているかが重要になります。
日々の仕事だけではなく、研修や講習会に参加し勉強することでもスキルは磨けます。他には、読書や資格取得の勉強によってもスキルは磨かれます。
人脈づくり
人脈は転職活動をするうえで役立つことがあります。仕事関係者やプライベートでの知り合いが転職のアドバイスをくれたり、転職に関する貴重な情報を教えてくれたりすることも。
また、希望する転職先の社員やその会社自体を紹介してくれることもありえます。このように、思わぬチャンスが舞い込んでくることもあるため人脈を広げておくことは大切です。
転職活動の資金を貯める
転職活動は予想以上にお金がかかります。その人の状況により転職活動にかかる費用は変わりますが、スーツやシャツ・ブラウス代、交通費、応募書類や写真代、書籍代や引っ越し費用など出ていくお金の多さに驚きますよね。
もし退職後に転職活動を行うのであれば、これらに加えて生活費も必要になります。「転職活動の資金がない」と苦い思いをしないように、転職活動の資金をコツコツ貯めましょう。
転職活動で最も力を入れるポイント
初めての転職に失敗しないためにも、転職活動を始める前から着々と準備することがどれほど大切かが分かりましたね。
ここでは、転職活動で最も力を入れるポイントを２つご紹介します。
客観的な意見を第三者に求める
自分のことは自分が一番分かっている。一方で、自分のことは客観的に判断できないから他人が一番分かっている。どちらも真理を突いていますよね。
転職先を決めるのは、他人ではなく自分です。しかし自分の強みや弱みが分からなかったり、自分はどういう人間なのか分からなくなってしまった時は、客観的な意見を第三者に求めましょう。
家族や信頼する友人、先輩や後輩の意見を素直に聞いてください。客観的な意見を第三者に求めることで、自分では今まで分からなかった本質に気づくきかっけにもなります。
また、実際に転職を経験したことのある人が身近にいる場合は転職のきっかけや転職活動全般、転職後の感想を聞くことで今後の転職活動に役立ちます。
情報収集の入手先は複数持つ
情報収集の入手先を１つに絞ることはおすすめしません。例えば、１つの転職サービスだけを利用していたら他の求人情報が分からないですよね。他にも、企業のHPだけを見ていても得られる情報はほんのわずかです。
インターネットで検索し様々なサイトを隅から隅まで見る、口コミサイトを確認する、業界地図や四季報に目を通すなど情報収集の入手先は複数持つようにしましょう。
そうすることで情報の質が向上し、偏りもなくなります。転職活動をするうえで正しい判断をするためにも、多方面から情報を収集することが大切です。
20代で初めての転職について
ここでは、20代で初めての転職をするうえで押さえておくべきポイントをご紹介します。
第二新卒での転職
第二新卒という言葉には法的かつ明確な定義はありません。一般的には、高校や専門学校、大学を卒業し社会人になってから３年以内と言われています。
企業によっては、20代であれば４年目で離職した人も第二新卒として扱います。例えば、四年制大学を22歳で卒業し就職後１～３年以内に転職する場合、年齢で言うと25～26歳までが第二新卒です。
第二新卒は新卒と違って就業経験があるため、基本的なビジネスマナーは備わっていると企業は考えます。初歩的な教育をする必要がないためコストを抑えつつ、若手人材として育てられるので新卒よりも第二新卒を歓迎する企業も多いです。
年齢が上がると転職しづらくなることも事実。初めての転職を考えるのであれば、第二新卒のうちに転職活動を始めることを意識してみてはいかがでしょうか。
最適な転職のタイミングは？
石の上にも三年と言われるように、学校を卒業して就職後３年以内に離職するのは自分に甘いのではないか、企業からの印象も悪くなるのではないかと不安に感じますよね。
一体、どのタイミングで転職するのがベストなのか分からず足踏みしている人が多いかもしれません。それでは早速、20代で最適な転職のタイミングを見ていきましょう。
20代前半
20代前半で転職する場合に企業が重視するポイント、それはポテンシャル面です。20代前半は社会人としての最低限のマナーは身についているものの、経験値が浅く成果や実績、スキルはまだありません。
20代前半は即戦力にはならない反面、企業は20代前半を採用することでこれから会社を引っ張っていく人材を育てるという視点を持っています。そのため、ほとんどの企業がポテンシャル採用です。
人物重視の採用になるわけですから、未経験の業界や職種にも積極的に挑戦できます。やってみたいと思う職種や興味を持っている業界にチャンレンジしましょう。20代前半の転職活動は、自分の可能性と転職のフィールドが広がります。
反対に職務経験が２～３年しかないことは企業からの評価があまり良くないとも言えます。職務経験を活かしたいと考えるなら、転職する際に高い評価を得られるだけの経験や実績を現職で地道に積みましょう。
20代後半
20代後半で転職する場合に企業が重視するポイント、それは即戦力です。20代前半とは違い、20代後半になると未経験の業界や職種への転職が厳しくなります。
今までの経験をどうやって転職を希望する企業で活かせるかが重要です。つまり、キャリアアップのための転職が大前提になります。
20代前半と比べ20代後半になると社会人経験も長いので、面接では今まで積んできた経験や実績、スキルを問われることが多いです。自分が今までやってきたことを、自分の言葉で企業に伝わるように伝える力が必要になります。
もちろん、未経験の業界や職種には全く手も足も出ないわけではありません。20代後半は社会人として十分に若いです。30代に突入すると、未経験の業界や職種へ転職するのはさらに難しくなります。キャリアチェンジを図りたいのであれば、20代後半が最後のチャンスだと言えるでしょう。
初めての転職でよくある不安・疑問とは？
初めての転職となると不安や疑問が生まれるもの。今感じている不安や疑問を解決して、すっきりした気持ちで転職活動を始めたいですよね。
ここでは、初めての転職をするうえでよくある質問をまとめてご紹介します。初めての転職に伴う不安や疑問が解消すれば幸いです。
転職活動全般
まずは、転職活動全般に関する不安と疑問をご紹介します。
仕事をしながら転職活動ができるか不安
仕事と転職活動の両立は可能です。大半の人が働きながら転職活動をしています。休日に書類作成や面接対策、企業研究もできます。また、選考を臨機応変に対応してくれる企業も多いです。
例えば、面接日時の希望日を求職者が企業に複数提示し、企業がその希望日時に合わせることもあります。オンラインでの面接も多いためスケジュールが調整しやすくなっています。
働きながら転職活動をするか、退職後に転職活動をするか迷うのであれば、まず働きながら転職活動することをおすすめします。転職活動を始めて仕事との両立がどうしても難しい場合は、退職して転職活動に集中するほうがいいでしょう。
会社に転職活動をしていることがバレないか不安
職場の同僚や先輩に相談したことで会社にバレたケースがあります。人の口には戸が立てられませんから、職場で口外するのはやめましょう。
また、自分では普段通りに仕事に取り組んでいると思っていても周りは少しの変化に気づくもの。仕事に身が入らないようではいけません。現職の仕事にも全力で対応しましょう。
もう１つ気を付けたいのが、勤務終了後に面接が入っている場合の服装です。普段オフィスカジュアルで勤務しているのであれば、面接が入っていても普段通りの服装で出勤しましょう。
私服で勤務している人がスーツで出社すれば、周りは勘づきます。勤務終了後に会社を出てデパートなどのトイレで着替えるようにしましょう。
女性と男性の転職の違いは？
女性と男性の転職に大きな違いはありません。しかし、女性の場合は出産が大きく影響します。女性の健康状態などによりますが、出産となれば産前休業・産後休業で最大14週間休めます。
女性で転職を考えている場合は、出産の予定の有無が重要です。出産前もしくは出産後どちらで転職するかによってキャリアプランが大きく変わります。企業によって産休や育休制度、子育てに関する福利厚生の充実度が変わってくるため確認しておいたほうがいいでしょう。
女性が転職するにあたり、今後のキャリアを築いていくうえで見直したいポイントを「女性のキャリア」の記事で紹介していますので、一度立ち止まって考えてみることをおすすめします。
転職活動にかかる費用は？
画像引用：マイナビ転職
マイナビ転職が行った調査では、転職活動にかかった費用は８万円が最も多い結果になりました。転職活動はお金が飛んでいきます。最低でも10万円はみておいたほうがいいでしょう。
転職活動のスケジュール管理のコツは？
在職中に行う転職活動はスケジュール管理が難しいこともあります。中でもやはり面接日時の調整が課題になるでしょう。
そこで活用するのが「有休」です。複数の企業を同時に受ける場合、同日に面接を組むようにします。転職を希望する企業と面接日時の交渉をしたうえで、午前中と午後に分けて複数企業の面接を組みましょう。
日にちを分けずに面接を組めば、何度も会社を休む必要がなく業務に支障をきたしません。同日に複数企業の面接を受ければ、ほとんど同じタイミングで選考結果が分かるため効率よく転職活動を進められます。
退職の報告・引継ぎが不安
転職先が決定すれば、すぐにやるべきことは退職の報告と引継ぎですね。短期間での引継ぎは双方にとって負担が大きくなるため、退職日まで１～２ヶ月程の余裕を持たせたほうがいいでしょう。
退職の報告をしたときに気を付けたいのが上司からの慰留です。何度も面談しあの手この手を使って引き留められることも。新しい門出がすぐ目の前にあるわけですから、強い意志をもって退職することを伝えましょう。
社会人としてのマナーはもとより、今までお世話になった会社に対して最後まで手を抜いてはいけません。自分が抱えている業務と引継ぎは、途中で投げ出さずにしっかりと終わらせてください。
自己分析
続いては、自己分析です。
自分の強みが分からない
自分の強みは面接で聞かれる定番の質問です。普段、自分の強みをじっくり考える機会はなかなかありませんよね。強みは何もないと思ってしまう人もいるかもしれません。
例えば「コミュニケーション能力がある」「決断力がある」「協調性が高い」など色々あります。しかしこれだけでは、何の説得力もなければ根拠もないため企業に伝わりません。
ここからさらに一歩踏み込む必要があります。これらのことが仕事でどう役立ったのか、どんな成果をもたらしたのか説明できるようにしましょう。もしくは、仕事でどういう経験を積んでその強みを身に着けたのか説明できることが大切です。
自分の強みがどうしても分からない時には、気の置けない仲間に聞いてみましょう。自分だけで考えると視野が狭くなりがちですが、周りの人たちに教えてもらうことで新たな発見につながることもあります。
経験が浅く、スキルや成果がない時の自己アピール方法は？
社会人経験が浅い場合、成果や実績、スキルがまだないため転職を希望する企業にアピールすることがなく困りますよね。だからと言って諦めてはいけません。このような場合には、仕事に対する姿勢や取り組み方を伝えましょう。
例えば、取引先から何かしてもらったときにお礼をメールだけで終わらせるのではなく、電話をしたり会ってコミュニケーションを取ることを心がけたというように、仕事をするうえで大切な誠実さをアピールできるようにしましょう。
第二新卒ならば、学生時代に心を燃やした経験をアピールしてください。ただし、新卒で行った就活とは違い、学生時代の経験を社会人としてどのように活かしたかを説明できるようにしましょう。
転職のタイミング
続いて、転職のタイミングを見ていきましょう。
転職活動はいつ行うのがベスト？
可能な限り、会社に勤めながら転職活動をするほうがいいでしょう。当然ですが、退職すれば収入がゼロになります。すぐに次の転職先が決まれば問題ありませんが、決まらなかった時のリスクが大きいです。
どうしても退職後にしか転職活動ができない場合は、貯蓄を忘れずに。転職を意識し始めたら、毎日コツコツ転職の準備をすることが大切です。
１社目は３年間勤めるべき？
「入社したら最低でも３年間は勤めたほうがいい」という言葉を聞いたことがある人がほとんどではないでしょうか。１～２年程度では、その仕事の面白さが分からないのは事実です。
それでも、今勤めている会社がどうしても辛いと感じていたり精神的に追い込まれているのであれば、３年間無理をして働き続けるのはやめたほうがいいでしょう。
お金はなくなりますが一生懸命働いて稼げば取り戻せます。しかし、一度失った時間は二度と戻ってきません。若さは大きな武器になります。３年以内に辞める場合は、面接時に転職を決意した理由を説明できるようにしましょう。
前の会社を短期間で辞めたらマイナス評価？
入社後１年以内に退職すると、企業から「またすぐに辞めるのではないか？」と懸念されてしまうことも事実です。だからと言って、前の会社を短期間で辞めることは必ずしも不利になりません。
マイナス評価を受けないためにどうすればいいかというと、相手が納得する退職理由を説明することが鍵になります。説明する際は、事実をありのまま述べればいいというわけではありません。
例えば、「給料が安すぎた」「残業が多くてうんざりした」「人間関係がしんどかった」などが転職を決意した理由だとしても、これでは単なる悪口になってしまいます。
だからと言って嘘を述べる必要もありません。プラス要素とマイナス要素をうまく紐づけてください。その際に、「本当は長く働きたかった」「短期間で退職したくなかった」と短期間の退職が不本意なことを伝えましょう。
30代・40代は転職しづらい？
30代・40代でも転職はできます。しかし、30代・40代になるとマネジメントスキルが求められることが多いです。今まで仕事で培ってきた能力、成果や実績が大きく影響します。
チームリーダーや管理職の経験があれば転職に有利になりますが、そういった経験がない場合、仕事に関係する資格やスキルを持っていなければ転職は険しい道のりになると思っていいでしょう。
また、年齢が上がるごとに自分が希望する求人が少なくなっていくことも否めません。それでも転職を決意したなら、多少年収が下がることも覚悟したうえで、年齢を言い訳にせず今までの経験をどう活かせるか考えましょう。
求人の選び方
続いては、求人の選び方に関する不安と疑問をご紹介します。
数ある求人の中から希望する求人を見つけるコツは？
転職エージェントや転職サイトといった転職サービスに登録して求人の情報を集めますよね。しかし、あまりの求人情報の多さにどうやって自分が希望する求人を見つけ出せばいいのか困惑するでしょう。
雇用形態・勤務地・給与・会社規模など詳しい条件を指定したうえで検索できるようになっているので、自分の希望条件を記入しましょう。そうすることで、希望する求人を見つけやすくなります。
未経験の業界や職種に転職できる？
マイナビ転職が行った調査結果を参考までにご紹介します。
画像引用：マイナビ転職
保育士や看護師といった特定の職種は資格取得の必要がありますが、資格を持っていなくてもチャレンジできる職種はこのようにたくさんあります。
公務員へ転職できる？
結論から言うと、公務員へ転職はできます。しかし公務員になるためには、乗り越えなければならない壁があります。ご存じのとおり、公務員試験に合格することです。
基本的に公務員試験は年１回です。公務員試験に合格するためには、それなりの時間を確保して勉強を継続する相当な覚悟が必要です。勉強期間は少なくとも半年～１年はかかるでしょう。
公務員は人気があり倍率も高いため、中途半端な気持ちでは合格できません。公務員へ転職を決意したら、勉強のスケジュールと公務員になるまでの計画をしっかりと立てたうえで取り組みましょう。
転職後の給料
続いては、気になる転職後の給料を見ていきましょう。
年収アップのためにするべき準備は？
年収をアップさせたいのであれば、自分の能力やスキルを高めることが大切です。経験も実績も、何も持っていない人が転職して年収がアップすることはありえません。アピールできるスキルや資格を手に入れましょう。
実は、業界と職種を変えるだけで年収が一段上がる場合があります。金融業界やコンサル業界、IT業界がその良い例です。それぞれの職種に必要なスキルを身に着け、必要に応じて資格も取得しましょう。
年収アップに近道はありません。自分が望む年収に釣り合うように、日々たゆみない努力を重ねるのみです。
転職したら給与は下がるの？
未経験の業界や職種へ転職した場合、給与は下がることが多いです。前職と全く違う世界に飛び込むわけですから、ゼロからのスタートになります。また、即戦力での採用の場合は給与や年収の交渉ができることもあります。
給与が下がることに対して、大きなマイナスイメージを持っている人が多いでしょう。生活するためにはお金が必要です。しかし、給与が下がってでもやりたいと思える業種・職種に転職できるなら給与以上に大きな財産となるでしょう。
書類選考・面接
それでは最後に、選考にかかわる不安と疑問をご紹介します。
職務経歴書のフォーマットに指定はあるの？
ほとんどの企業が、職務経歴書のフォーマットを指定していません。ちなみに、職務経歴書のフォーマットはネットで検索すればすぐに出てきます。
書き方としては３つあります。１つが編年体式です。入社順に会社名や所属部署での職務内容をまとめる形式になります。
２つ目が逆編年体式。編年体式を逆にしたものです。直近の勤務先から時間をさかのぼる形で記入します。３つ目はキャリア式です。年次ではなく、職務内容・職種プロジェクトごとに分けてまとめます。
書きやすい形式は人によって異なりますので、自分に合う形式に沿って今までの職務経歴を企業にアピールしましょう。
面接を受ける際のポイントは？
自分を採用することで企業が得られるメリットを説明できるようにしましょう。そのためにも企業研究を念入りに行うことは必要不可欠です。
面接は自分にとっても企業を見極める絶好の機会です。百聞は一見に如かずというように、企業のHPや求人内容、ネットの口コミだけでは分からないため、自分の目で企業の雰囲気や採用担当者の人柄などをしっかり見て検討しましょう。
企業に希望条件を伝える自信がない
企業から提示された給与や雇用形態、入社日などの条件面を確認して自分の希望と相違があり、どうしても納得できない場合は交渉する必要があります。
「自分の希望条件を伝えるのは企業に失礼にならないの？」「内定が取り消されるかもしれない」と不安に感じる人も多いでしょう。しかし、納得できないまま入社をすると遅かれ早かれ不満が爆発し転職したことを後悔することになります。
誠意をもって自分が希望する条件を企業に伝えましょう。双方でしっかり話し合い、落としどころを見つけることが大切です。
転職活動の進め方を理解し初めての転職を成功させよう
蒔かない種は生えませんよね。初めての転職に挑戦する際に転職活動の進め方で最も大切なことは、事前準備。転職の計画から自己分析、情報収集や企業研究を徹底的に行いましょう。
準備を怠る人に、決してチャンスは訪れません。初めての転職に失敗しないために、人生で実現したいことを叶えるために、正しい転職活動のやり方で未来を切り開いていきましょう。