就職・転職して働いたものの、試用期間中に社風や仕事内容があわないと感じて辞めたいと思う方も少なくないようです。
特にストレスや疲労が重なっている場合は「試用期間中だけど即日退職したい」と考えてしまうかと思いますが、そもそも試用期間中に即日退職できるのか気になるのではないでしょうか。
当記事では、試用期間中に即日退職できるのか気になっている方へ向けて、以下のような情報をお伝えしていきます。
- 試用期間中に即日退職できるのか
- 試用期間中に即日退職できるケース
- 試用期間中に即日退職する方法 など
記事の後半では体験談や転職を繰り返さないためのポイントもご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
試用期間中に即日退職したいと悩む人は多い
試用期間中に即日退職したいと思うと「甘えなのではないか」「自分に忍耐力がないのではないか」などと考えてしまうかもしれませんが、Twitterを調査したところ、試用期間中に即日退職したいと悩んでいる人が多数見受けられました。
試用期間って、やめる旨を伝えたら即日退職できますか?
— ドラ (@dorayaki_777) September 9, 2019
試用期間2週間過ぎちゃったけど、即日退職できるのかな。うーん
— はなまき。@ADHD (@hanamakiiiii27) November 15, 2017
試用期間内なら即日退職も可能とのことだが、実態はどうなのやら
— れんと (@verren_135) April 23, 2019
試用期間中だと有給ないから即日退職出来んのかな
— #🌹✨ (@chel0ray) March 21, 2019
ふと思ったんだけど、俺ってまだ新入社員で試用期間なんだよな。これって即日退職しても文句言われないと思うんだが?なんで引き継ぎしないといけないの?ひきつぐことなんてないじゃないか。
— たつきち🍎 (@CrimsonCafe_nm7) May 17, 2014
そもそも試用期間は企業と労働者のマッチングを互いに確かめる期間なので、社風や仕事内容、職場環境や労働条件が自分の求めていたものとマッチしなかった場合に、試用期間中の退職を考える方が多いようです。
また、即日退職を希望する方の多くは、ブラック企業に勤めていたり心身ともに疲労が重なり「とにかく出社したくない」と会社への拒絶反応が強い傾向があるようです。
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このように試用期間中に即日退職したい人が少なからずいることが分かりましたが、そもそも試用期間中に即日退職することは可能なのでしょうか。
基本的に試用期間中の即日退職は無理!
結論から言うと、基本的に試用期間中の即日退職は難しいです。
こちらのセクションでは、試用期間中に即日退職できない理由について解説していきます。
法律の定めでは退職は最短でも2週間後
試用期間中であっても一般的な正社員と同様に労働契約が成立しているため、退職するためには法律に従う必要があります。
民法第627条によると、労働者が退職するためには「退職日の2週間前までに意思表示をする」ことになっているので、試用期間中でも退職できるのは最短で2週間後となります。
雇用形態や就業規則により退職日が異なる
前述の「2週間」というのはあくまでも正社員の場合です。
正社員以外の有期雇用は、民法第627条で「契約期間の満了まで退職できない」と定められています。
また、雇用形態にかかわらず、会社の就業規則に「退職の1ヶ月前までに申し出ること」などの決まりがある時はそれに従う必要があるので、退職まで2週間以上かかるケースも少なくありません。
労働契約書を締結していなくても即日退職できるわけではない
試用期間中に労働契約書の締結をしていない場合は、労働契約が成立していないので「即日退職することも可能」とおっしゃっている方もいます。
しかしながら、「口頭でも労働契約は成立する」「働いていた事実は残る」といった観点から、正式に労働契約書を締結していなくても労働契約が成立してるとみなされるケースもあるので、必ずしも即日退職できるとは限りません。
これらの3点を踏まえると、基本的に試用期間中の即日退職は難しいと言えるでしょう。
試用期間中の退職についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
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基本的に試用期間中の即日退職は難しいですが、例外的に即日退職可能なケースもあります。
次のセクションでは試用期間中に即日退職できるケースについてご紹介します。
試用期間中に即日退職できるケースとは
試用期間中に即日退職できるケースには以下があります。
- 会社の合意が得られた場合(健康面や家庭の事情など)
- 労働条件や労働環境が悪い場合(給与や勤務時間など)
- 入社14日以内に解雇を言い渡された場合
それぞれ触れていきます。
会社の合意が得られた場合(健康面や家庭の事情など)
上司に即日退職したい旨を伝え、合意を得られれば即日退職可能です。
社内手続きや引継ぎの都合上、会社が合意してくれるケースは少ないかもしれませんが、以下のようにやむを得ない事情とみなされた場合は即日退職できる可能性があるでしょう。
- 体調不良や怪我で出社できない
- 介護や育児で出社できない
- 家業を今すぐ継がなければいけなくなった
- しばらく実家に帰省する必要がある
労働条件が労働環境が悪い場合(給与や勤務時間など)
以下のように労働条件や労働環境に問題がある場合も、試用期間中に即日退職できる可能性があります。
- 求人情報の労働条件が実態と異なっている
- サービス残業を強要されている
- パワハラやモラハラ、セクハラなどが横行している
- 違法行為をしている
この場合は上司に相談しても即日退職するのは難しいので、まずは労働基準監督署に相談してみましょう。
違法性があるとみなされれば、適切な処理を行ってくれるはずです。
入社14日以内に解雇を言い渡された場合
企業側は以下のように正当な理由があれば、試用期間14日以内に即日解雇できます。
- 出勤率が90%以下
- 無断欠勤が多い
- 勤務態度が著しく悪い
- 経歴詐称があった
試用期間が始まって14日以内に解雇を言い渡されれば、即日退職できます。
ただし、「あくまでも会社側から退職を言い渡された場合」の話なので、こちらから退職の意思を伝えて一方的に辞めることはできません。
基本的に試用期間中の即日退職は難しいですが、場合によっては可能ということがお分かり頂けたでしょうか?
これらのケースに該当する方は即日退職できる可能性が高いので、諦めずに即日退職を目指していきましょう。
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ここからは、実際に退職する時に備えて以下の情報をお伝えしていきます。
- 試用期間中に退職する方法
- 試用期間中の即日退職で気になる質問Q&A
試用期間中に退職する方法とは
試用期間中に退職するにはどうしたら良いのでしょうか。
一般的な退職方法
試用期間中に限らず、一般的な退職方法では以下のようなステップを辿ります。
- 直属の上司に退職の意思を伝える
- 退職日程を上司と決める
- 退職届を作成して提出する
- 人事などに各種手続きを確認する
- 引継ぎを行う
以下の記事で詳しく解説しているので、こちらもあわせてご覧ください。
出社せずに即日退職する方法
試用期間中に即日退職したいと思う方は、できれば出社したくないという方も多いかもしれません。
一度も出社せずに即日退職したい場合には、以下の条件を満たしていれば可能です。
- 正社員(契約社員や派遣社員は不可)
- 有給休暇が十分にある(退職の申し出の日から退職日までの日数分)
- 上司の連絡先を知っている(電話やメールなど)
条件を満たしている方は、引き続き以下を参考にしてみてください。
必要書類を準備する
まずは、即日退職に必要な書類を準備します。
退職日は入社後15日以上先で、公休と有給休暇を使い切った日にちを指定します。
月末日にしておくと、その後の手続きが楽になります。
会社で指定している書類がある場合は記入します。
指定書類がない場合は自分で作成し、直筆の署名と印鑑を押印します。
出社せずに済むように、会社から貰っておかなければならない必要書類や返却物のリストを用意します。
必要書類:離職票①、離職票②、健康保険資格喪失証明書
返却物:年金手帳、免許および資格証書など預けているもの
現在行っている業務内容と進捗の要点をまとめて記載します。
引継ぎは必須ではありませんが、引継ぎをしておけばトラブルになりにくいので作成するようにしましょう。
電話やメールで上司へ連絡する
書類の準備ができたら、直属の上司へ連絡し以下の内容を伝えます。
- 退職の意思
- 希望の退職日
- 退職理由
- 二度と出社しないということ
- 必要な書類は郵送するということ
電話で伝える方が望ましいですが、「即日退職したい」と思うほど追い込まれているのであれば「電話で話したくない」と思う方も多いかと思います。
また、電話で退職の意思を話すと途中で話を遮られたり説得される可能性も高いので、メールで連絡するのもアリでしょう。
いずれにしても、試用期間中に即日退職することで会社に迷惑がかかってしまうので、「あくまでも自分に非がある」といった姿勢で伝えることが大切です。
試用期間中に即日退職できるケースでも少し触れましたが、以下のようにやむを得ない事情だと引き止められにくい傾向にあります。
- 病気や怪我
- 介護や育児
- 引っ越しの必要がある
給与や待遇、環境や人間関係に不満があって即日退職したいという人もいるかもしれませんが、こういった不満を前面に出すとトラブルになるリスクがあります。
自分の身を守るためにも、やむを得ない事情がない場合には、嘘の退職理由を伝えるのも手です。
試用期間中の即日退職ここが気になるQ&A
ここからは、試用期間中の即日退職で気になる質問をQ&A形式でご紹介します。
退職届を提出したら出社しなくても良いですか?
退職日までの有給休暇があり、社内手続きや引継ぎなどが終わっているのであれば出社しなくても構いませんが、きちんと連絡するようにしましょう。
連絡無しで無断欠勤をすると以下のようなリスクを背負う可能性があります。
- 警察沙汰になる(捜索願を出される)
- 損害賠償を請求される
- 懲戒解雇される
試用期間中であれば損害賠償請求の恐れは少ないと言われていますが、懲戒解雇の可能性は十分にあり、懲戒解雇されると転職活動が不利になってしまいます。
なるべく出社したくないかもしれませんが、今後の転職活動のためにもきちんと連絡をした上で休みましょう。
退職手続きは郵送でやり取りできますか?
試用期間中に退職する方法のセクションで少し触れましたが、やむを得ない事情がある場合は郵送で退職届を送付したり、必要書類や返却物を受け取ることも可能です。
詳細は以下の記事で解説しているので、あわせてご覧ください。
試用期間中に即日退職すると転職で不利になりますか?
試用期間中に即日退職したかどうかは、基本的にはバレません。
しかしながら、試用期間中に退職したことは事実なので、通常の転職よりは不利になる可能性が高いでしょう。
試用期間中の退職でトラブルはないですか?
試用期間中の退職時には、以下のようにさまざまなトラブルに見舞われることもあるようです。
- 退職届を受け取ってくれない
- 上司に引き止められる
- 損害賠償や罰金を請求すると言われる
- 有給消化が認められない
- 診断書を求められた(健康が退職理由の場合)
- 引継ぎが終わらない
詳細は以下の記事で解説しているので、気になる方はこちらもご覧ください。
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試用期間中に即日退職したいなら「退職代行サービス」もおすすめ
「試用期間中の即日退職は基本的に難しい」とお伝えしてきましたが、退職代行サービスを利用すれば即日退職することも可能です。
退職代行サービスは退職にまつわる全ての手続きを代行してくれるサービスで、即日退職できるケースも珍しくありません。
相場は3万~5万円前後と言われていますが、即日退職できるのであれば安いとも言えるでしょう。
最近では活用している人が増えているので、即日退職したい方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
※こちらの記事は現在執筆中です。公開までお待ちください。
ミスマッチによる転職を繰り返さないために
試用期間中に退職した方の多くは転職することになるかと思いますが、今回の就職・転職で何らかのミスマッチがあって退職となったため、ミスマッチを防がないと転職を繰り返してしまうリスクがあります。
このような事態を避けるためにも以下のポイントに気を付けましょう。
- 自己分析を行う
- 企業研究を行う
- 転職エージェントを活用する
- 面接の逆質問で入社後のギャップを予防する
ここからは、それぞれについて解説していきます。
自己分析を行う
転職先でミスマッチを防ぐためには「自分がどんな仕事をしたいか」「どんな仕事が向いているか」を見極める必要があります。
そのためには、自己分析を行って自分のことをよく知ること大切。
今までの経験を振り返り「なぜその経験をしたいと思ったのか」「その経験を通して何を得たのか」と深掘りしていけば、自分のやりたいことや適性が徐々に見えてきます。
自己分析の結果と企業の情報を照らし合わせれば、自分にマッチした企業を判断できるようになるでしょう。
企業研究を行う
転職で職場や仕事内容のミスマッチを防ぐためには、企業が求める人物像や社風、業務内容などを正しく把握して、自分の興味や適性とマッチしているかどうかを分析しなければなりません。
求人サイトや企業の採用ページでは以下のような情報を得られるので、チェックしておきましょう。
- 企業理念
- 事業内容
- 福利厚生
- 待遇
- 先輩社員のインタビュー など
また、「転職会議」や「OpenWork」などの口コミサイトで社内の実態をチェックするのもおすすめです。
インターネット上の情報だけでなく、職場見学やOB・OG訪問をして現実とのギャップを埋めるとよりミスマッチを防げるでしょう。
転職エージェントを活用する
「転職活動に不安がある」「客観的な意見を聞きたい」という方には、転職エージェントの活用がおすすめです。
転職エージェントは企業と求職者の懸け橋となってマッチングを行ってくれるサービスで、あなたの興味や適性を客観的に判断し、数ある企業の中からマッチする企業を紹介してくれます。
転職エージェントのアドバイザーは企業の内情にも詳しいので、採用後のミスマッチを防ぎやすいというメリットも。
基本的に無料で利用できるので、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
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面接の逆質問で入社後のギャップを予防する
どれほど企業研究を重ねても、入社前にどうしてもわからない事柄は出てくるものです。
そんな時におすすめなのが「逆質問」を利用すること。
逆質問とは面接の場でよく聞かれる「何か質問はありませんか?」という質問のことで、入社後のギャップを防ぐ目的があります。
会社について知る貴重な機会なので、希望する職種の繁忙期や有給休暇の取得率など、気になる事柄について尋ねてみましょう。
試用期間中でも即日退職可能だが転職先のこともよく考えよう
当記事では、試用期間中に即日退職できるのかが気になっている方へ向けて、さまざまな情報をお伝えしてきました。
試用期間中は基本的に即日退職することは難しく、法律的には最短で2週間、会社の就業規則に定めがある場合は1ヶ月以上かってしまう場合があります。
しかしながら、やむを得ない事情があって会社と合意が得られた場合など即日退職可能なケースもありますし、やむを得ない事情が無くても退職代行サービスを利用すれば即日退職可能です。
ただし「とにかく今すぐ辞めたい」という一心で安易に即日退職するのはNG。
将来のビジョンや転職先のこともよく考えた上で、即日退職すべきかどうか検討するようにしましょう。