ベンチャー企業への就職・転職を考えている人の中には「ベンチャー企業はきついのでは?」「ベンチャー企業は危ないという噂があるけど本当?」などと、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
当記事では、「ベンチャー企業がきつい?危ない?」といった不安を抱えている方へ向けて、以下のような情報をまとめてご紹介します。
- ベンチャー企業への転職体験談
- ベンチャー企業に向いている人・向いていない人の特徴
- ベンチャー企業で働くメリット・デメリット
- ベンチャー企業へ就職・転職する際のポイント など
当記事を参考に、ベンチャー企業へ就職・転職すべきかチェックしてみましょう。
そもそもベンチャー企業とは
そもそもベンチャー企業とはどのような企業なのでしょうか。
比較的若い会社で新しいビジネス領域を手がけている企業のこと
ベンチャー企業には明確な定義がありませんが、一般的には「社歴が浅く、新しいビジネス領域を手がけている企業」のことをベンチャー企業と呼んでいるようです。
また、コトバンクでは以下のように掲載されており、「独自の技術で急成長していく新興企業」というのも一般的な認識のようです。
産業構造の転換期には、産業の主役が交代し、最先端の分野でそれまでなかった新しいビジネスが生まれ、そして新しい市場が作り出される。
そんな時代のニーズを背景に、独自の技術や製品で急成長していく企業を「ベンチャー企業」と呼んでいる。
普通この呼び方は、新規に興され、創業からあまり時が経っていない企業に対して用いる。既存の大手企業が新技術や新製品を開発したような場合には、ベンチャー企業とは呼ばない。
最近ではベンチャー企業と類似した「スタートアップ企業」という言葉もよく耳にします。
スタートアップ企業については以下で解説するので、気になる方はこちらもあわせてご覧ください。
※こちらの記事は現在執筆中です。公開までお待ちください。
ベンチャー企業にはステージがある
ベンチャー企業と一言に言っても、社歴や事業規模によりステージが以下のように分かれています。
- シードステージ
- アーリーステージ
- ミドルステージ・エクスパンション
- レーターステージ
- メガベンチャ―
それぞれの特徴を見てみましょう。
シードステージ
- 創業間もない
- 従業員5名以下
- 商品やサービスが完成していない
- 構想はあるがプロトタイプを開発している段階
- 売上はほぼ0円
アーリーステージ
- 創業1~3年未満
- 従業員10名以下
- 商品やサービスは完成済
- 少人数ながら顧客がいる
- 売上は5000万円~1億円以下
- 資本金1億円未満
ミドルステージ・エクスパンション
- 創業2~5年未満
- 従業員30~50名以下
- サービス・商品の売上が軌道に乗ってきている
- 顧客がついてきている
- 売上は1~5億円
レーターステージ
- 創業10年未満
- 従業員200~300名以下
- 成長企業や上場予備軍などとメディアで特集される
- 上場準備で財務・コンプライアンス・経営管理の人材を強化
- 売上5~50億円
メガベンチャ―
- 創業10年未満
- 従業員1000名以下
- 各種メディアで特集される
- 上場企業並みの売上(50~3000億円)
ベンチャー企業を取り巻く環境
「ベンチャー企業は危ないのでは?」と思う方も多いかもしれませんが、近年ベンチャー企業を取り巻く環境は活況なようです。
ベンチャー企業への投資額は年々増加傾向にある
厚生労働省が発表した「ベンチャー企業への投資額に関する調査」をご覧ください。
近年の我が国におけるベンチャー起業動向について、ベンチャーキャピタル10(VC)における投資社数・投資額を見てみると、2008年度のリーマンショックにより大きく落ち込んだが、2010年度以降は回復傾向にあり2011年度の投資は1,017社、1,240億円に回復している。
また、投資先企業の段階については、シードステージが2010年度の4.4%から2011年度は15.7%に増加しており、ベンチャーキャピタルが将来性のある企業に対し早い段階で投資する方向にシフトしていることがうかがえる。
投資額だけでは判断できませんが、ベンチャー企業への投資額がリーマンショック以降に年々増えており毎年1,000億円を超えているので、比較的活況であると言えるでしょう。
「ユニコーン企業」が多く誕生している
ユニコーン企業とは、非上場にもかかわらず企業の評価金額が10億ドルを超えている企業のこと。
近年、海外では「uber」や「airbnb」、日本では「メルカリ」などがユニコーン企業として誕生しています。
ここ数年でこれほどまでに結果を出している企業が誕生していることから、ベンチャー企業を取り巻く環境は活況と言えるでしょう。
成長性や裁量権が大きいという理由で支持されている
ここからは求職者の視点でお伝えしますが、ベンチャー企業は前述の通り近年成長性が高まっていることや、仕事の裁量権が大きいという理由で求職者から支持を集めています。
「乗りに乗っている新進気鋭のベンチャー企業で働いている」のもステータスとなるため、ベンチャー企業で働きたいという人が増えているようです。
支持される一方で「ベンチャー企業はやめとけ」という声も
前述のようにベンチャー企業は成長性の高さなどから支持されている一方で、「ベンチャー企業はやめとけ」といった声も多数見られました。
最近のベンチャー企業の実態は、ワンマン経営者による新興中小企業よ。それも人材不足で優秀な奴は集まらないから、知恵も無いから、労働強化しか出来ない。やめとけ。
— Kam-ma-lay (@Kam_ma_lay) April 18, 2017
間違いなくいえるのは、プア充を実践するなら、いわゆるベンチャー企業はやめた方がいい。
ベンチャー企業というのはどうしたって安定していない。倒産する可能性も高いし、経営者の気分に振り回されることもあるだろう。
— 黒田清吉 (@seikichikuroda) May 19, 2015
未知の事案に飛び込めない人はベンチャー企業で働くのはやめた方がいいよね。知らないことに対する不安よりも自分の知らないことに飛び込んで学び成長できる喜びや楽しみが優位な人間じゃないと歯車が噛み合わないんじゃないかな、と思う。
— Yohei Okaya (@akehoyayoi) January 26, 2015
企業と業種によるけどね。はなっからベンチャーとかは絶対やめた方がいいwベンチャー企業側も即戦力にならない新卒はまず採用しないけど。やっぱり最初は大手だねー。色々勉強出来るし。社内でそんな会話になったので参考程度に。最近就活生多く見てて眩しくて仕方無いw
— PePa (@pepalisk23) February 22, 2013
ベンチャー企業に過大な期待をしてはいけない。元々がリスクを承知でやっているから、安易にそこに飛び込んで泣を見る新卒者はやめた方が良い。自分でやる分には問題はないが、ベンチャーに賭けるというメンタリティーがそもそも間違っている。
— T.KAUFFMAN (@TakaakiKAUFFMAN) December 27, 2012
Twitterの声を見る限りでは、ベンチャー企業が不安定であることや企業の体質、ベンチャー企業に向いている人・向いていない人がいるため、「ベンチャー企業はやめとけ」といった声があるようです。
次のセクションでは、実際にベンチャー企業へ就職・転職した方の体験談をご紹介するので、より詳しくベンチャー企業実態をチェックしてみましょう。
実際にベンチャー企業に就職・転職した方の体験談をチェック
現在体験談を募集しております。掲載までお待ちください。
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Twitterの声や体験談から、「ベンチャー企業で働くのがきついと感じる人がいる」ということがお分かり頂けたかと思います。
それでは、ベンチャー企業がきついと感じる理由にはどのような理由があるのでしょうか。
ベンチャー企業がきついと感じる理由
ベンチャー企業がきついと感じる理由には以下があるようです。
- やりがいや働き方のイメージにギャップがあった
- 給与が上がりにくかった
- 労働時間が想像以上に長かった
- 人事制度・労務制度が整っていなかった
- ゼロから作ることが大変だった
- スキルが伸びなかった
- 自分の居場所を見つけられなかった
- 業務の幅が広すぎてやりたいことができなかった
- 企業の拡大・縮小についていけなかった
それぞれ触れていきます。
やりがいや働き方などイメージにギャップがあった
ベンチャー企業に入社してみたら、イメージと全然違ったというケースはよくあります。
特に「やりがい」や「働き方」は長く働く上で重要なので、これらに対してギャップがあると、ベンチャー企業で働くのがきついと感じるでしょう。
給与が上がりにくかった
ベンチャー企業は事業への投資を優先する傾向にあり、社員の給料がなかなか上がりにくいといったこともあります。
そもそも昇給や賞与などの制度が整備されていない場合もあるので、大手企業のように徐々に給与が増えることを期待している人はきついと感じるでしょう。
労働時間が想像以上に長かった
ベンチャー企業でも基本的な勤務時間が定められていますが、事業の拡大を優先する傾向があるため、労働時間が長い企業も多いようです。
毎日残業が続いていたり休日出勤が多ければ心身の疲労が取れにくくなるので、労働時間が長ければベンチャー企業がきついと感じるでしょう。
人事制度・労務制度が整っていなかった
急成長しているベンチャー企業では、人事制度や労務制度の整備が後回しになっていて社員が不満を感じることも多いようです。
これらの制度が整っていないと、過度に残業させられたり適正に評価されないといった不満も出てきて、ベンチャー企業がきついと感じるようです。
ゼロから作ることが大変だった
ベンチャー企業では決まったマニュアルがなく、ゼロから業務を作っていくこともよくあります。
しかも、ただ仕事をこなすだけでなく利益を作り出すことも求められるため、ベンチャー企業がきついと感じる人も多いようです。
スキルが伸びなかった
ベンチャー企業ではリソース不足や業務フローができていないことにより、自分の役割を越えて仕事をしなければならないことがよくあります。
結果的にメインの業務よりもサポート業務の割合が多くなってしまい、自分の思うようにスキルを伸ばすことができなくてきついという人もいるようです。
自分の居場所を見つけられなかった
ベンチャー企業は、比較的若くて明るくて勢いのある環境・社風の傾向が強いです。
落ち着いた環境で黙々と仕事をしたい人や少人数で静かに仕事をしていた人は、ベンチャー企業の環境や社風になじめず、居場所を見つけられなくてきついというケースもあるようです。
業務の幅が広すぎてやりたいことができなかった
ベンチャー企業は一人ひとりの業務の幅が広い傾向にあります。
そのため、専門分野に特化してスキルアップしたい人が自分のやりたいことができずに、ベンチャー企業で働くのがきついと感じるようです。
企業の拡大・縮小についていけなかった
ベンチャー企業は世の中の動きにより、事業の拡大や縮小が短期間で行われる傾向にあります。
そのため、ベンチャー企業の社員はこれらの動きにあわせて常にどうすべきかを考えなければならないので、このような状況の変化についていけずにきついと感じる人も多いようです。
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ベンチャー起業がきついと感じる理由には、さまざまあることがお分かり頂けたのではないでしょうか。
ベンチャー企業へ入社してこれらの理由に直面した場合に「きつい」と感じるのであれば、ベンチャー企業への就職・転職をよく考えた方が良いでしょう。
ベンチャー企業に向いている人・向いていない人の特徴
ここからは、ベンチャー企業に向いている人・向いていない人の特徴をご紹介します。
ベンチャー企業に向いていない人であれば働くのがきついと感じてしまうので、自分がベンチャー企業に向いているのかどうかチェックしてみましょう。
ベンチャー企業に向いている人の特徴
お金よりも成長やスキルアップを重視したい人
ベンチャー企業は大手企業と比べるとお金などの待遇面や安定度が劣りますが、さまざまなことに挑戦できる環境があるため、成長やスキルアップの機会が多い傾向にあります。
そのため、お金などの待遇面よりも自身の成長を重視する人に向いているでしょう。
裁量権をもって責任ある仕事をしたい人
多くの企業では何年も働き続けてようやく裁量権を持って責任ある仕事ができますが、ベンチャー企業では若いうちから裁量権を持って責任ある仕事を任せてもらえる傾向があります。
スキルや人柄などを考慮しなければならないため、すべての人に裁量権が与えられるわけではありませんが、一般的な企業よりもチャンスが多いので裁量権を持ちたいという人には向いているでしょう。
目標達成することにやりがいを感じる人
ベンチャー企業では「新しいサービスを立ち上げる」「事業をさらに拡大させる」などの目標を達成することを求められます。
そのため、さまざまな課題に直面しても逃げることなく、目標達成することにやりがいを感じられる人が向いているでしょう。
出世意欲が強い人
ベンチャー企業は一般的な企業よりも従業員数が少なく、年功序列といった考え方がないため、実力が伴えば若くして出世することも可能です。
大手企業ではなかなかそうはいかないので、出世意欲の強い人にも向いているでしょう。
将来起業を考えている人
ベンチャー企業は経営者との距離感が比較的近いため、経営者側の視点を学べる傾向にあります。
一般的な企業では経営者側の視点を学ぶ機会はあまりないので、将来起業を考えている人にも向いていると言えるでしょう。
積極性がある人
ベンチャー企業では環境や制度が整っていない中でも、積極的に自分がすべきことを取り組める人材が必要とされています。
そのため、消極的な人よりも積極性のある人の方がベンチャー企業に向いているでしょう。
細かいことを気にしない人
事業規模にもよりますが、一部のベンチャー企業では「残業代が出ない」「人手不足で残業続き」といったケースも。
これらのことを気にしていたら心身がもたないので、細かいことを気にせずに仕事に集中できる人が向いているでしょう。
変化を恐れずに柔軟に対応できる人
ベンチャー企業は会社として未完成の成長フェーズにあるので、事業内容や環境などが大きく変化する可能性が高いです。
そのため、新しいことや変化が苦手な人よりも変化を恐れずに柔軟に対応できる人の方がベンチャー企業に向いているでしょう。
職種を越えてマルチにこなせる人
ベンチャー企業では、自分の職種を超えて一人二役・三役をこなさなけらばならないこともあります。
「自分の仕事はここまで」というこだわりがあると仕事が進まなくなってしまうので、マルチにこなせる人の方が向いているでしょう。
自分で考えて仕事ができる人
ベンチャー企業では上司や先輩から細かな指示を出されずに「自分で考えて」と言われることも。
そのため、自分でどうするのがベストなのかを考えて仕事に取り組める人の方が向いているでしょう。
新しい技術や流行に敏感な人
ベンチャー企業は新しい技術やトレンドを積極的に取り入れる傾向にあります。
情報収集能力が高く、常に新しい技術や流行に敏感な人の方がベンチャー企業に向いているでしょう。
すぐに結果を出せる人
事業規模にもよりますが、ベンチャー企業は少数精鋭といったところもあるので、すぐに結果を出せる人が求められています。
結果を出せるかどうかは働いてみないと分からないかもしれませんが、結果にこだわる人の方がベンチャー企業に向いているでしょう。
ベンチャー企業に向いていない人の特徴
ベンチャー企業に夢を見過ぎている人
ベンチャー企業に対して以下のようなイメージを抱いている方が多いようです。
- 裁量権がある
- 成長できる
- 意識の高いメンバーと楽しく仕事ができる
もちろん理想通りの環境もありますが、実際に働いてみると違ったということもあるので、過度に夢を見過ぎている人には向いていないでしょう。
安定志向で変化が苦手な人
ベンチャー企業はとにかく変化が多く、急に事業体制や組織体制が変わったり、急に事業の廃止・誕生がなされることもあります。
急な変化についていけない人やストレスを感じてしまう人は、ベンチャー企業に向いていないでしょう。
年功序列による評価や終身雇用を期待している人
一般的な企業では年功序列で評価されたり、終身雇用を取り入れているところも多いですが、ベンチャー企業は成果主義の企業が多いため「年功序列」や「終身雇用」を取り入れていない企業がほとんどです。
そのため、年功序列による評価や終身雇用を期待している人には向いていないでしょう。
与えられた仕事で成果を出したい人
大企業では自分の担当業務をしっかり遂行した上で他部署と連携が求められますが、ベンチャー企業では部署が細分化されておらず、1人でさまざまな業務に取り組むこともあります。
自分に与えられた仕事を自分の役割の範囲でこなして成果を出したいという方は、ベンチャー企業に向いていないでしょう。
比較的受け身な人(指示待ち・受動的)
ベンチャー企業は与えられた仕事をこなすだけでなく、当事者意識をもって自ら仕事を作りにいく姿勢が求められます。
そのため、誰かの指示を待って受動的に仕事をしたい人の場合はベンチャー企業に向いていないでしょう。
失敗を嫌って挑戦しない人
ベンチャー企業では新しい挑戦をすることが多いので、失敗を恐れずに挑戦する人が求められています。
挑戦には失敗がつきものですが、失敗した際にも次に活かしていく姿勢がないとベンチャー企業に向いていないでしょう。
周りの環境に影響されやすい人
ベンチャー企業は変化が激しいため、変化に翻弄されずについていける人が求められています。
周りの環境に影響されやすい人だと仕事のペースが乱れたり生産性が落ちてしまうこともあるので、ベンチャー企業には向いていないでしょう。
自分の市場価値を高めるための業務選択ができない人
ベンチャー企業ではさまざまな仕事をこなさなければならない一方で、自分の市場価値を高める仕事を選んでいくことも大切になります。
なんでもかんでも安易に請け負う人は自分のスキルを高める機会を逃してしまうので、ベンチャー企業には向いていないでしょう。
大企業で結果を残せなかった人
ベンチャー企業は大企業よりも使えるリソースやネームバリューもないので、結果を出すのはかなり大変です。
大企業で結果を残せなかった人であれば、これらのリソースも使えなくなるのでますます結果を出すのは難しいでしょう。
新卒・第二新卒の方はベンチャー企業を避けた方が無難です。
新卒・第二新卒の方は良いベンチャー企業・悪いベンチャー企業の見極めが難しく、悪いベンチャーに入社して半年も経たないうちに退職する人も少なくありません。
離職は経歴に傷がついてしまいますし、ベンチャー企業から大企業への転職はかなり難しいので、なるべく避けることをおすすめします。
■ ■ ■ ■ ■
ここまでの記事を読んでみて、ご自分がベンチャー企業に向いているかどうかがお分かりになったのではないでしょうか。
ここからは、「ベンチャー企業に向いている」「どうしてもベンチャー企業に就職・転職したい」という方へ向けて以下の情報をお伝えします。
- ベンチャー企業へ就職・転職するメリット・デメリット
- 大手企業へ就職・転職するメリット・デメリット
これらを踏まえた上で、ベンチャー企業へ就職・転職するかどうかをよく検討してみましょう。
ベンチャー企業に就職・転職するメリット・デメリット
ベンチャー企業に就職・転職するメリット・デメリットには何があるのでしょうか。
ベンチャー企業へ就職・転職するメリット
経営者との距離が近い
ベンチャー企業は経営者との距離が比較的近いため、経営者の仕事ぶりを観察したり学ぶことができます。
大手企業ではなかなかできないことなので、経営者に憧れている人や将来起業したい人には絶好の環境と言えるでしょう。
意見を自由に言える雰囲気がある
大手企業だと現場の意見が通りにくくて思うように働けないといったこともあるようです。
一方、ベンチャー企業は「みんなで会社を作っていく」という気質があるので、自由に意見を伝えることができるでしょう。
同じ志向を持った人と働ける
ベンチャー企業で働きたいという人は、安定性や待遇面よりも社風や志向を重視している傾向があります。
大手企業よりも同じ志向を持った人が多いので、「同じ志を持った人と仕事がしたい」と考えている人にとっては良い環境でしょう。
意思決定のスピードが早い
ベンチャー企業はかなりのスピード感で意思決定がなされ、わずか30分の会議で事業の開始・撤退が決定されることもあります。
意思決定の遅さに苛立つこともないので、スピード感を求めている人はメリットに感じるでしょう。
出世・昇進のスピードが早い
ベンチャー企業では結果を出せば出すほど出世・昇進できます。
大手企業で主任だった人が、ベンチャー企業に転職して1年でCOO(最高執行責任者)になったケースも。
スピード出世・昇進できれば、若くして1000万円以上稼ぐのも夢ではないでしょう。
裁量権が大きい
ベンチャー企業では一人ひとりの裁量権が大きいため、経営者に確認せずとも新しい事業を始められるケースも。
大手企業では何をするにもお伺いを立てなければならないので、ベンチャー企業は一社員の意見が反映されやすい環境と言えるでしょう。
成長の機会が多い
ベンチャー企業ではさまざまな仕事を任されることが多いので、幅広いスキルを身に付けられます。
また、ベンチャー企業では入社2年目から部下を率いて仕事をすることも珍しくないので、マネジメント経験を早く経験できるというメリットも。
大手企業でこのような経験をするのは難しいので、成長する機会が多いのもメリットと言えるでしょう。
会社の成長を自分事として喜べる
会社の規模にもよりますが、社員の数が少ないベンチャー企業であれば一人ひとりの会社への貢献度が高くなります。
大手企業では歯車の一部のような感覚になるかもしれませんが、ベンチャー企業であれば自分の仕事が会社の成長につながるのを実感できて喜べるでしょう。
ストックオプションで一攫千金も可能
ストックオプションとは「株式をある値段で購入できる権利」で、市場よりも優遇された価格で自社株を購入することができます。
ベンチャー企業が注目されて株価が上昇した際に売却すれば、一攫千金を得ることも可能でしょう。
社会的にインパクトを与えることも可能
ベンチャー企業の多くは、ニッチで競合の少ない領域を狙って事業を展開しています。
最初はニッチでも世の中に必要とされているサービスであれば、ゆくゆくは社会に革新を起こしてインパクトを与えることもあるでしょう。
ベンチャー企業へ就職・転職するデメリット
倒産のリスクがある
創業間もないシードステージやアーリーステージのベンチャー企業の場合は、倒産のリスクが非常に高いです。
ベンチャー企業は「起業10年以内に95%が倒産する」というデータもあるようなので、倒産のリスクがあることを頭に入れておきましょう。
資金繰りのリスクがある
毎月安定した売上のないベンチャー企業であれば、常にカツカツの状態で資金繰りを行っています。
ベンチャーキャピタルからの資金調達も簡単にはいかないので、資金繰りがうまくいかずに給与や残業代が支払われないといったトラブルが発生するリスクもあるでしょう。
売上が計画通りにいかないのが通常
大手企業は大概「勝ちパターン」を持っているので安定的に売上を伸ばすことができますが、ベンチャー企業は新しいサービスを生み出すことが中心で「勝ちパターン」が無い場合が多いので売上が計画通りにいかないのが通常です。
運良くヒットすれば一気に売上が上がりますが、その確証はどこにもないので常に金銭面での不安がつきまとうでしょう。
会社の成長は経営者次第
シードステージやアーリーステージのベンチャー企業では、会社の成長や命運を経営者が握っています。
「経営者の資質がない」「社会のニーズ掴めない」「社員の意見を一切聞かない」というような社長であれば、成長できないどころか倒産してしまうこともあるでしょう。
社内環境やシステムが整っていない可能性あり
ベンチャー企業は経営を軌道に乗せることを優先する傾向があるため、社内環境やシステムの整備が後回しになっていることも多いです。
大手企業であればその辺りの整備がきちんとなされているので、ストレスに感じることもないでしょう。
給与や福利厚生などの待遇面が悪い可能性あり
規模の小さいベンチャー企業は安定的に売上を確保できないため、給与を低く設定したりボーナスを無くしたり、社員の待遇を悪くすることで収益をカバーしています。
カツカツのベンチャー企業であれば給与の遅配も普通にありますし、交通費などの経費も自腹を切ることを求められることもあるでしょう。
とにかく忙しい
ベンチャー企業はとにかく忙しいので、定時に帰るのは基本的に無理ですし、休日出勤もザラです。
会社が成長してくれば徐々にコンプライアンスの観点から過度の残業が改善されるかもしれませんが、基本的には忙しいと思っていた方が良いでしょう。
離職率が高い・人の入れ替わりが激しい
給与や待遇面の悪さ、忙しいなどの理由により、ベンチャー企業の離職率は高い傾向にあります。
「給与をしっかりもらいたい」「プライベートも大切にしたい」「職場の人間関係を大切にしたい」という人であればベンチャー企業はやめた方が良いでしょう。
即戦力であることが求められる
ベンチャー企業にはパフォーマンスが低い社員を抱えている余裕や教育する余裕もないため、即戦力として活躍することが求められます。
それがやりがいやモチベーションにつながる人は良いかもしれませんが、プレッシャーに感じたりストレスに感じる人はきついでしょう。
何が起きても自己責任
ベンチャー企業は裁量権が大きい分、責任も大きいです。
仕事のミスやトラブルなども自己責任で助けてもらえないこともあるので、かなり精神的にきついと言えるでしょう。
希望の仕事ができないこともある
ベンチャー企業は職種をまたいでさまざまな業務をこなす傾向があるため、希望する仕事のみを行うのは難しいです。
また、事業の方向性がよく変わるため、希望していた仕事ができなくなることもあるでしょう。
ベンチャーから大手企業へ転職するのは難しい
事業規模にもよりますが、一般的にはベンチャー企業に対する信用度が低いため、ベンチャー企業から大手企業へ転職するのは難しいです。
よほどのスキルや経験があれば可能かもしれませんが、それを客観的に証明するのも難しいので、「大手企業へ行きたい」のであればベンチャー企業へ行く前に狙った方が良いでしょう。
大手企業に就職・転職するメリット・デメリット
それでは、大手企業に就職・転職するメリット・デメリットには何があるのでしょうか。
大手企業で働くメリット
安定している
大手企業の最大のメリットといえば安定度。
ベンチャー企業のように資金繰りに困ることもないので、給与の遅配や残業代の未払いも起きませんし、会社がいきなり倒産することもないでしょう。
優良企業が多く社会的信用が高い
大手企業にはホワイト企業と呼ばれる優良企業が多く、社会的信用度が高い傾向にあります。
大手企業に勤めていればローンを組む際の審査も通りやすいですし、融資も受けやすいですし、優れた人間だと判断されることもあるでしょう。
給与や福利厚生など待遇が充実している
大手企業は安定的に売上を確保できており、社員に還元しようとする企業も多いため、給与や福利厚生などの待遇がベンチャー企業よりも充実している傾向があります。
交通費や家賃補助はもちろんのこと、家族手当や各種お祝い金の支給などもあるでしょう。
規模の大きい仕事ができる
大手企業はリソースが潤沢にあるので、規模の大きい仕事を経験することも。
顧客が大手企業や官公庁などのケースもあるので、金額的にも社会的にも規模の大きい仕事に携わることも可能でしょう。
転職が比較的有利
前述の通り、大手企業は社会的信用度が高いので、転職活動を有利に進められる傾向にあります。
ベンチャー企業から大手企業へ転職するのは難しいので、将来転職を視野に入れている方は大手企業に就職・転職した方が良いでしょう。
大手企業で働くデメリット
出世・昇進が遅い
従業員数が1万人以上の大手企業では、40代で課長、50歳超えて部長になれたらラッキーという具合でかなり出世・昇進が遅いです。
また、年功序列で同期の社員が何百人もいるので、競争に勝ち残れないと出世・昇進は難しいでしょう。
歯車のような感覚になる
大手企業は分業制を取り入れていることが多いので、単調な仕事の繰り返しで飽きてしまう人もいるようです。
このような状態では仕事に対するやりがいを見つけたりモチベーションの維持が難しいため、ただの歯車のような感覚になることもあるでしょう。
稟議や根回しが必要
大手企業でうまく立ち回るには稟議や根回しが重要です。
どれだけあなたに能力や顧客のニーズがあったとしても、上司が気に入らなければ却下されてしまいます。
そのため、稟議や根回しを面倒に感じたり理不尽に感じる人にはきついでしょう。
一昔前までは「大手企業に入社すれば一生安泰」と言われていましたが、この数年で状況が大きく変わってしまいました。
以下のようにさまざまな要因が折り重なり、大量のリストラや事業の売却をしなければならないほど経営難に陥っている大手企業が増えています。
- 海外から人件費の安い人材が流入
- ライフスタイルの変化
- 新興国の製品に対するコスト競争力の低下
- 予期せぬ災害の発生 など
これらを踏まえると、今は安泰でも10年後・20年後も安泰とは言えないでしょう。
ここまでは、ベンチャー企業と大手企業で働くメリット・デメリットをそれぞれご紹介してきました。
向き不向きも大切ですが、自分の望むメリットが得られなければ働く意欲が低下してきついと感じるものです。
それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、「自分がベンチャー企業で働きたいのか大手企業で働きたいのか」をよく考えましょう。
危ない!ベンチャー企業の就職・転職で失敗するケースとは
ここまでの記事を読んでみて、「ベンチャー企業で働きたい!」と意思を固めた人もいるかもしれません。
しかしながら、以下に該当するとベンチャー企業の就職・転職で失敗に陥る可能性が高いので注意が必要です。
- 勝手なイメージで入社する
- 社長の人柄だけで入社する
- 成長したくて入社する
- 裁量権がほしくて入社する
- 優秀な人と働きたくて入社する
- 会社の雰囲気を確認せずに入社する
- 労働時間を確認せずに入社する
- 前職の価値観を持ったまま入社する(転職の場合)
それぞれ詳しく解説していきます。
勝手なイメージで入社する
ベンチャー企業に対して「楽しそう」「自由に働けそう」などのイメージを持って就職・転職する人も多いようです。
楽しさや自由さを感じるかどうかは個人差があるかもしれませんが、ベンチャー企業とはいえ仕事はきちんとこなさなければならないため、実際には真面目に黙々と働いていることがほとんど。
勝手なイメージで入社すると理想と現実のギャップに耐えられなくなって転職してしまう人も多いので、勝手なイメージで入社するのは危ないでしょう。
社長の人柄だけで入社する
ベンチャー企業の社長に憧れを抱いて入社する人も少なくありません。
憧れの人の元で仕事をすることは貴重な経験ですが、いざ入社してみると社長と全然仕事ができないということもよくあります。
また、実際に入社してみたら社長に対する印象が変わってしまうこともあるので、社長の人柄だけで判断しない方が良いでしょう。
成長したくて入社する
ベンチャー企業に就職・転職したい人の大半は入社理由のひとつに「成長したいから」と言うことが多いですが、どのように成長したいのかにより身の振り方も変わってきます。
闇雲に成長したいという理由でベンチャー企業へ就職・転職すると、自分が望むような成長ができずに後悔するケースも。
「幅広い能力を身に付けたい」「マネジメント能力を早く身に付けたい」ということでベンチャー企業が良いかもしれませんが、「職種に特化した能力を身に付けたい」「体系化された仕事のノウハウや進め方を身に付けたい」ということであれば、大手企業の方が良いでしょう。
裁量権がほしくて入社する
ベンチャー企業の裁量権の大きさに魅力を感じる人も多いようですが、裁量権目当てで就職・転職するのはかなり危ないです。
シードステージやアーリーステージでは人手不足のベンチャー企業も多く、入社1週間で事業の責任者を任されるといったケースも。
優秀な人であれば対応できるかもしれませんが、ほとんどの方はいきなり裁量権を与えられても右往左往して何もできないのがオチです。
ベンチャー企業では結果を残せなければ評価が下がる一方なので、よほど優秀でない限りは裁量権目当てで就職・転職しない方が良いでしょう。
優秀な人と働きたくて入社する
ベンチャー企業は少数精鋭で優秀な人が多いと思われがちですが、以下の理由により大手企業の方が優秀な人材が集まっています。
- 大手企業は母数が多いので優秀な人の絶対数はベンチャー企業よりも多い
- 大手企業は優秀な人材を採用している(学歴・経歴・スキルなど)
「ベンチャー企業と大手企業では優秀な人の定義が違う」といった意見もあるかもしれませんが、ベンチャー企業で活躍できる人は大手企業でも活躍できますし、その逆もまた然りです。
これらのことから、優秀な人と働きたいという理由でベンチャー企業を選ぶのはやめた方が良いでしょう。
会社の雰囲気を確認せずに入社する
ベンチャー企業に入社したら一日の大半を会社で過ごすことになるので、職場の雰囲気は重要です。
職場が居心地の悪い雰囲気であれば、出勤することが憂鬱になってくるもの。
「どの年代が多いのか」「男女比はどのくらいか」「どのような社風なのか」など、気になることがあれば選考の場などで確認した方が良いでしょう。
労働時間を確認せずに入社する
出社時間・退勤時間は会社によって異なります。
前述してきたようにベンチャー企業でも決まった定時はあるものの、事業を優先させるために残業や休日出勤を余儀なくされている企業も多いです。
そのため、「残業はどれくらいなのか」「定時に帰れているのか」「有給取得率」など、事前に確認した方が良いでしょう。
前職の価値観を持ったまま入社する(転職の場合)
ベンチャー企業では独自のルールや制度を取り入れている場合があるので、これまで当たり前だと思っていたことが通用しないことも。
前職の価値観を持ったまま入社するとベンチャー企業に順応できないので、これまでの価値観を捨てた方が良いでしょう。
上記のいずれかに該当する場合は、会社があわなくて転職を繰り返すといった事態にもなりかねません。
転職回数が増えると経歴に傷がついたり転職が不利になる可能性もあるので、今一度冷静に考えてみましょう。
■ ■ ■ ■ ■
ここからは、ベンチャー企業への就職・転職の意志が固まった方へ向けて、「ベンチャー企業を選ぶ際のポイント」や「ベンチャー企業への就職・転職で後悔しないためのポイント」をご紹介していきます。
転職するタイミング別に選ぶべきベンチャー企業とは
まずは転職するタイミング別に選ぶべきベンチャー企業について解説します。
新卒の方はこちらをスキップして、次のセクションをご覧ください。
入社3年未満
入社3年未満の場合は基本的にどこのベンチャー企業へ行っても構いませんが、給与などの待遇面に気を付けましょう。
入社3年未満であれば、実家暮らしでもしていない限り貯金があまりない方が大半かと思います。
給与の支払いが滞ったり残業代を支払えないようなベンチャー企業だと生活がままならなくなってしまうので、ある程度事業規模のあるベンチャー企業の方が良いでしょう。
入社3年目~5年目
入社3年目~5年目でベンチャー企業へ転職する場合は、従業員数50名~200名程度のベンチャー企業でマネージャーポジションを狙うのがおすすめ。
特に急成長しているベンチャー企業だと優秀な人材が不足していて、マネージャークラスの人材を求められています。
大企業からの転職であればベンチャー企業側も「なんとかしてくれるのでは?」などと期待してポジションを与えてくれることも。
いきなりマネージャーになると失敗することも多いですが、失敗を糧にしながら懸命に働いていけば、さらに上のポジションを狙うことも可能でしょう。
入社6年目~10年目
入社6年目~10年目はあと少し働けば管理職ポジションが得られたり、裁量権が大きくなって年収が伸びやすい時期なので、基本的にはベンチャー企業への転職をおすすめしません。
この時期にベンチャー企業へ転職すると、「現職に残っていれば○円もらえていたのに…」と後悔することも。
どうしても転職したいのであれば、DeNAやサイバーエージェントなどのメガベンチャ―を狙いましょう。
入社11年目以降
入社11年目以降でベンチャー企業へ転職するのであれば、事業部長や執行役員、取締役のポジションを狙って転職しましょう。
このポジションで転職できれば、後の転職もスムーズにいきますし起業することも可能です。
ただし、それなりの経歴や実力が無いとこのポジションは狙えませんし、ポジションを妥協して入社すると給与が今よりもかなり下がってしまうので注意しましょう。
ベンチャー企業に就職・転職したいなら慎重に企業選びを
ここからは、ベンチャー企業を選ぶ際のポイントをご紹介します。
主なチェック項目は以下の通り。
- 組織体制をチェック
- 倒産しないかをチェック
- 外部の評価をチェック
- 公式サイトをチェック
- 社員や職場の雰囲気をチェック
- 危ないブラック企業でないことをチェック
それぞれ詳しく解説していきます。
組織体制をチェック
生え抜きの幹部がいるかどうか
生え抜きの幹部がいないベンチャー企業は、創業メンバーが社長と揉めるなどして辞めてしまった可能性が高いです。
このようなベンチャー企業は、社長がワンマンで社員の意見が通りにくい可能性もあるので、生え抜きの幹部がいるかどうか確認しておきましょう。
経理担当が身内ではないか
家族経営でうまくいっている企業もあるかもしれませんが、経理担当者が社長の親族などの身内の場合は企業を私物化している可能性があるので注意が必要です。
逆に上場企業で経理担当をしていた人を採用している場合は、企業の成長を見越して適切な人員配置をしていると言えるでしょう。
相談役や顧問が多すぎないか
ベンチャー企業の持ち味は「フットワークの軽さ」なので、臨機応変に動ける人材が求められています。
相談役や顧問は臨機応変に動けるような人材ではありませんし、往々にして多くの報酬が流れているので、あまりにも相談役や顧問が多いベンチャー企業は避けた方が良いでしょう。
IR担当者が急に退職していないか
IR担当者は株主や投資家に対して投資判断に必要な企業情報を適時・公平に提供し、株主や投資家との間に良好な関係を築くことで資金調達などを行っています。
IR担当者が急に退職した場合は、IR担当者が対処しきれないほどのネガティブが事件や問題が発生している可能性が高いので注意しましょう。
倒産しないかをチェック
事業規模がある程度ある
事業規模が小さかったり創業間もないベンチャー企業は、いつ倒産するか分からないような状態なので給与面でも環境面でもかなり大変です。
リスクを避けたいなら創業1年未満のシードステージは避け、ある程度事業規模のあるアーリーステージ以降のベンチャー企業を選びましょう。
業績の推移
業績の推移は企業の優良さを見極める上で重要ですが、大切なのは金額よりも「伸び率」です。
伸び率は将来性の高さを表すので、過去数年分の数字を集めてどのように推移しているかを確認しましょう。
資金調達額が多い
優良ベンチャーキャピタルからの投資や補助金など、資金調達がある程度されているベンチャー企業もおすすめ。
資金調達額や投資を受ける回数が多ければ、外部からの信用度が高く継続的に成長している企業と言えるでしょう。
事務所の移転履歴
事務所の移転履歴から経営状態が分かります。
小さな事務所から大きな事務所に移転を繰り返している場合は順調と言えますが、大きな事務所から小さな事務所に移転していたり地価の低い土地に移転している場合は、業績不振に陥っている可能性があるので注意しましょう。
外部の評価をチェック
第三者の評価が悪くないか
自分でベンチャー企業を見極めるのが難しいのであれば、第三者の評価をチェックしてみましょう。
前述のベンチャーキャピタルからの投資額や投資回数でも第三者の評価が分かりますし、転職エージェントのキャリアアドバイザーなどに客観的な評価を聞くのも良いでしょう。
会社に受賞歴があるか
以下のように、ベンチャー企業を対象とした表彰制度も存在しています。
有名企業も過去にこれらの賞を受賞しているケースが多いため、受賞歴のあるベンチャー企業であれば外部評価も高く将来性があると言えるでしょう。
公式サイトをチェック
会社を過度に良く見せようとしていないか
公式サイトで自社を過度に良く見せようとしているベンチャー企業は要注意。
「夢」「やりがい」「希望」といった言葉を多用して感情に訴えかけたり、事業内容や実績を盛っている印象がある場合は気を付けた方が良いでしょう。
社長自ら情報発信しているか
優良なベンチャー企業は社長自らが積極的に発信している傾向にあります。
自信過剰で極端に強気な発言をしている場合は要注意ですが、社長挨拶の内容に情熱が感じられるベンチャー企業を選びましょう。
社員の顔が出ているか
公式サイトに掲載している社員が退職すると差替えなどの対応が必要になるため、離職率の高いベンチャー企業では素材写真を多用する傾向があります。
社員の写真が多く掲載されている企業は離職率が低くて社員を大切にしている可能性が高いので、公式サイトに社員の顔が多く出ているベンチャー企業を選びましょう。
継続的な利益を期待できるビジネスモデルか
継続的な利益を期待できるビジネスモデルのベンチャー企業であれば、資金繰りや倒産のリスクも低くなります。
企業の公式サイトでは投資家などにアピールするためにビジネスモデルが公表されているので、長期的な利益が望めるものなのかを見極めましょう。
社員や職場の雰囲気をチェック
社員のSNSの内容が前向きか
最近では「Facebook」や「Twitter」などのSNSの普及が進んでおり、企業の従業員が投稿しているものも見受けられます。
「〇〇の中の人」といった具合に本名を明かしていない人は本音を暴露している可能性が高いので、発信内容が前向きかどうかで判断するのも良いでしょう。
社員がイキイキとしているか
会社の経営がうまくいっていれば、社員の雰囲気も明るくイキイキしているものです。
雰囲気は個人の感覚なので難しいかもしれませんが、選考の際に「社員の表情が曇っていないか」「疲弊しきっていないか」などを確認してみましょう。
オフィスに入った時に違和感がないか
選考などで会社を訪問した際に違和感がある場合は気を付けた方が良いでしょう。
こちらも個人の感覚なので判断が難しいかもしれませんが、「なんとなく社内の雰囲気が変」「社員のファッションが変」といった違和感があると入社後に「やっぱり変だった…」というケースもあるので、そのような直感も大切にしましょう。
危ないブラック企業でないことをチェック
即内定が出ない
選考を受けて即内定が出るベンチャー企業はブラック企業の可能性が高いです。
このような企業は常に人手不足で社員を捨て駒のように扱っている可能性が高いので、避けた方が良いでしょう。
大量採用していない
大量採用を行っているベンチャー企業は、離職者が出ることを前提に大量採用している可能性があります。
採用人数が全社員の1割を超えている場合は要注意。
ただし、事業拡大のために多くの人材が必要となって大量雇用を行うケースもあるので、選考の場で大量採用する理由を確認しておくと良いでしょう。
不祥事を起こしたことがない
インターネットで会社名を検索し、過去に深刻な不祥事を起こしている企業はかなり危ないと言えるでしょう。
ただし、不祥事を起こした企業に限って会社名をコロコロと変えている場合があるので、企業の沿革などから社名の変遷を調べてそれぞれ検索することをおすすめします。
労働時間が長すぎない
労働時間が長すぎると心身に不調をきたすことも。
求人情報でも労働時間を確認できますが、より実態を知りたいのであれば「転職会議」や「OpenWork」などの口コミサイトをチェックしてみましょう。
管理が行き届いている
ブラック企業は社内環境が二の次になっている場合が多いです。
選考などで企業を訪れた際には、トイレやミーティングスペース、作業スペースなど、外から見えにくい部分の管理が行き届いているか確認しましょう。
将来の展望がある
将来の具体的な展望がないベンチャー企業は要注意。
「事業計画は壮大だけど具体的なビジョンがない」「やたら事業を拡大しようとしている」「目先の利益ばかり追いかけている」といった場合は気を付けた方が良いでしょう。
給与が異常に高すぎない
ブラック企業は人材を集めるためにやたら高い給与を提示している場合もあります。
提示された給料が高すぎる場合は基本給+残業代で提示している可能性もありますし、一見高い給料に感じても労働時間で割ると大したことない可能性もあるので注意しましょう。
ベンチャー企業の就職・転職に不安がある人は、創業間もないベンチャー企業よりもメガベンチャーがおすすめ。
メガベンチャーは事業規模が上場企業と大差ないので、倒産リスクや資金繰りのリスクも低く安定度が高いという特徴があります。
優秀なメンバーが多く集まっているので、社会人としての成長も期待できるでしょう。
■ ■ ■ ■ ■
ベンチャー企業の選び方を一挙にご紹介してきました。
これらをすべてチェックするのは大変かもしれませんが、就職・転職はその後の生活や人生に直結するものです。
就職・転職に失敗しないためにも、可能な限りチェックするようにしましょう。
ベンチャー企業への就職・転職で後悔しないために
ここからは、ベンチャー企業への就職・転職で後悔しないためのポイントをご紹介します。
ポイントは以下の通り。
- 自分がやりたいことを明確にする
- 自分のやりがいを明確にする
- 自分の目的に合うベンチャー企業を選ぶ
- 実際に働いているところをイメージしてみる
- 転職エージェントを活用する
それぞれ解説していきます。
自分のやりたいことや働く目的を明確にする
失敗ケースでもお伝えしたように、勝手なイメージや経営者への憧れだけでベンチャー企業へ入社すると後悔してしまいます。
「ベンチャー企業で何をしたいのか」「何のためにベンチャー企業で働きたいのか」などを明確にした結果、ベンチャー企業よりも大手企業の方が向いていたというケースもあるので、就職・転職活動をする際にはやりたいことや働く目的を明確にしておきましょう。
自分のやりがいを明確にする
ベンチャー企業は裁量権が大きくて責任を持って仕事ができるためやりがいを感じて転職する人も多いようですが、必ずしも裁量権や責任が仕事のやりがいに直結するとは限りません。
裁量権の大きさや責任の重さがプレッシャーになる可能性もあるので、自分にとってのやりがいをよく考えて就職・転職先を探すようにしましょう。
自分の働く目的ややりがいに合うベンチャー企業を選ぶ
自分の働く目的ややりがいが明確になったら、それにマッチするベンチャー企業を選びましょう。
ベンチャー企業の成長ステージや事業内容、今後の展望など、大体のことは公式サイトや求人サイトの情報を見れば分かるので、それらをチェックして自分にマッチする企業を見つけましょう。
実際に働いているところをイメージしてみる
選考の段階で自分が実際に働いているところをイメージできると、面接の受け答えに説得力が増して受かり易いと言われています。
特にベンチャー企業ではメンバーが一丸となって同じ目標に向かっていくため、選考時に入社後のビジョンやイメージが描けていなければ落とされてしまうこともあるでしょう。
転職エージェントを活用する(転職の場合)
ベンチャー企業の選び方にはさまざまなポイントがあり、これらを自分ひとりでチェックするのは膨大な時間がかかってしまいます。
また、客観的な視点で自分にマッチしたベンチャー企業を見つけるのはかなり難しいので、自分にマッチした優良なベンチャー企業に転職したいのであれば「転職エージェント」の活用をおすすめします。
転職エージェントを利用すればベンチャー企業の情報提供はもちろんのこと、転職のプロとしてさまざまな提案を行ってくれます。
登録無料で一人ひとりに合わせて以下のようにさまざまなサポートを行ってくれるので、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
- キャリア面談
- 求職者にマッチした求人の紹介
- 選考対策(書類・面接など)
- 選考スケジュールの調整
- 給与や待遇などの条件交渉
- 選考結果のフィードバック
※こちらの記事は現在執筆中です。公開までお待ちください。
ベンチャー企業がきついと感じるかは人それぞれ!就職・転職する前によく考えよう
当記事では、「ベンチャー企業がきつい?危ない?」といった不安を抱えている方へ向けて、さまざまな情報をお伝えしてきました。
ベンチャー企業と一言に言っても、ベンチャー企業の成長ステージやベンチャー企業への向き不向きにより「きつい」と感じるかどうかが変わってきます。
まずは自分が「ベンチャー企業に向いているのか」「ベンチャー企業で働くメリットに魅力を感じるか」「ベンチャー企業に就職・転職して何をしたいのか」などをよく考えた上で、就職・転職活動に取り組むようにしましょう。